ミッション・トゥ・マーズ 火星移住大作戦

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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767817934

作品紹介・あらすじ

アポロ11号で世界初の月面歩行をした宇宙飛行士が語る未来の宇宙旅行と火星入植計画のすべて!

感想・レビュー・書評

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  • 誇大妄想的な夢の話かと思っていたら、しっかり現実的に進行している計画なので驚いた。月面着陸については過去の偉業とさらっと流されててそこがカッコイイ。

  •  アポロ11号の人類2人目のムーンウォーカー。火星探査への情熱がプンプン伝わってくる。サーキュラーという地球と火星間の周回船による永続的な探査の継続に特徴。1930年生まれの85才、この人に情熱で負けてはいられない。元気か出る。

  • 月再着陸ではなく火星有人探査へ。国威発揚ではなく国際協力で。目的は到達・調査ではなく橋頭堡を築くこと。アポロ11号で月に降り立ったその人が,昔話でなく未来を語る。80を越えてもまだ精力的に活動しているのには感銘を受ける。彼自身特許を取得したり技術にもかなりコミットしてるというのは知らなかった。
    今後の宇宙開発に国籍はないと謳ってるとはいえ,やはりアメリカの英雄がアメリカ人に向けて書いた本。建国以来の先人のフロンティア精神を強調し,巻末にも歴代大統領の宇宙関連の業績やスピーチを収録。こういうのはアメリカ人の心を強く揺さぶるんだろうな,と思った。

  • 「ごく近い将来、人類が直面する重要な問題がある。それは持続可能性の問題だ。地球の人口は、現時点で70億人を超えている。消費の面から見ると、増加する一方の人口を養い続ければ、地球で入手可能な資源は早晩枯渇してしまう。それと同時に、地球の安全維持のために我々が最善を尽くしている一方で、人類が地球の生態環境を著しく痛めつけているという問題がある。それでも地球に留まり、枯渇していく資源を巡って争うという内向きで閉鎖的なやり方をとるべきだろうか?それとも、互いに協力して、宇宙で入手可能な無限の資源を活用するというオープンで発展性あるやり方を取るべきだろうか?どちらが好ましい選択肢かはあきらかだろう。」

    アポロ11号でニール・アームストロングに続いて月面に立ち、最初に月から宇宙船に戻ったバズ・オルドリンは技術の進展に伴い宇宙探索に関する自らのビジョンを更新している。その2009年版の統一宇宙ビジョンでは来年2015年には国際宇宙ステーションISSを往復する宇宙タクシーの運用が始まる、ただし2011年に宇宙タクシーが出来ていればだが。2019年はアポロ着陸から50周年だがバズはこの年をアメリカ大統領が火星に人類の永続的居住地の確立を目指して取り組むことを宣言する年と位置づけている。

    バズの原則は「宇宙における人間の存在を継続的に拡張する」「宇宙における(アメリカの?)普遍的なリーダーシップを取る」を原則に、月はもう一番乗りの競争場所ではなく各国が協力して資源開発をする場所であり、アメリカが火星に到達できるかどうかは、宇宙活動国としてのアメリカの健全さを試すリトマス試験紙なんだそうだ。スペースカウボーイですね。鍵になるのはオルドリン・マーズ・サイクラーが実現できるかどうか。最初は月と地球から初めついで火星へ、重力を利用して少ないエネルギーで方向を変え永続的に航行する。

    月面開発については重力が均衡するラグランジェポイントにスペースコロニーを建設する、のではなく月面開発のための基地を建設する。ここからテレロボティクスを使って遠隔操作で月面に施設を建設するのだ。例えば月の裏側に望遠鏡を作れば地球の電磁波のノイズを遮断できる。先ずは月の周回軌道上にGPS衛星とラグランジェポイントには通信衛星や資材倉庫、燃料貯蔵庫を造る。バズの経験では月面ではナビゲーションすら困難なので通信とGPSが優先したのだろう。ISSとこの基地の往復なら重力の影響はないのであまり燃料は必要としない。何となく力技で出来そうな感じだ。宇宙エレベーターも月に作る方がまだ現実味がある。しかし月の資源開発がどれくらいの価値を持つかは本当に火星移住計画が必要かどうかで大きく変わりそうだ。

    月の次のターゲットは小惑星帯。ブルース・ウィリスの顔が浮かびエアロスミスのテーマ曲が流れてくるところだが小型の小惑星の衝突を割とまじめに心配している。恐竜と違って人類には技術も有ればまだ時間は残されているというわけだ。統一地球ビジョンにおける安全保障という概念にはアメリカの国防と小惑星から地球を守ることを含んでいる。アメリカ発の地球防衛軍か。小惑星アポフィスが2029年に地球に接近し静止衛星軌道の下をかすめ、引力で軌道を変え2036年には衝突する可能性がある。太陽で暖められると熱放射の不均一が生じ軌道が影響を受けるヤルコフスキー効果を使って衝突する小惑星の軌道を変えるというアイデアもある。この場合ブルース・ウィリスは穴を掘って核爆弾を埋めるのではなく表面に熱を吸収するペンキを塗ることになるのだが。

    2010年4月15日オバマ大統領は「2030年代半ばまでには、我々は人間を火星周回軌道上に送り、安全に地球に帰還させることができるはずだと私は信じています」と宣言した。当時は元気だったんだ、うーむ。ここに書いている通りいきなり火星に行くのではなく火星の衛星フォボスとダイモスが次のターゲットになる。月同様衛星上の基地から遠隔操作で火星表面の調査や基地建設を行う。火星にタッチして帰ってくるだけならミッションは成功とは言えない。バズはマーズ・ダイレクト(www.marssociety.org 火星協会)の直接火星に行って火星の材料で建設するというアプローチではなく最初は遠隔操作でというアプローチを推奨している。ここに書いた計画は荒唐無稽に感じるものはあっても本人は可能なビジョンだと考えているのだろう。オランダのマーズワンは2023年に片道切符での火星移住希望者の募集を正式に開始した。

    冒頭のバズの言葉はSFのプロットとしては充分だが地球上でやれることはまだまだあり、宇宙探索は続けてほしいと思う一方で予算制約からするとアポロ計画ほど歓迎されないだろうと予想できる。あれは冷戦下でのスプートニクショックが有ればこそだったのだと思う。

    21世紀中旬人類は火星移住の準備のため特殊な苔とゴキブリを火星に放ち火星を暖めようとした。2500年以降、火星へ送った無人機からの通信が途絶えているため調査に向かうと人間大に進化した巨大ゴキブリに襲われる。じ、じょうじ・・・これは別の話

  • 火星への移住計画ってもう、本格的に始まってるんだなぁと実感しました。昨今は宇宙関係も民間企業がだいぶ入り込んで来たので、ここ30年で相当進化する予感がしました。 アメリカ大統領の演説が載っているのは良かったです。 でも、良く良く考えると、地球以外の宇宙を人類の手で、変えていってよいものなのかとちょっと考えさせられます。

  • アポロ11号で月面着陸した宇宙飛行士の書いた火星移住計画

    回想録的な記述が多いが、NASAは2035年の移住を目指す計画だそうです

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