- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784767830636
作品紹介・あらすじ
「普通の家」から見えてくる、新しいドイツの魅力
絵本から抜け出てきたような中世の木組みの家、茅葺き屋根の古民家、世界遺産にもなっているモダニズム建築の団地……。まだまだ日本人には知られていないドイツ各地の個性豊かな建物を、独自の視点でたっぷり紹介。さまざまなスタイルの家がどうして生まれたか、その背景にある風土や歴史も合わせてよみときます。
・装飾豊かなファサードが魅力の中世商人の家「ギーベルハウス」
・ブルーノ・タウト設計のカラフルでモダンな団地
・マンガやアニメにも登場する、中世都市を囲む「市壁」が今も残る町
……などなど、お城やバウハウスだけではない、驚くほど多様なドイツの家と町を発見できます。
ヨーロッパの風景をリアルに描きたい創作者のための資料としてもどうぞ。
感想・レビュー・書評
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写真を見ているだけでも楽しい一冊。
ドイツの住宅がどのように変化してきたのか、大変分かりやすくまとめられている。
オシャレでカラフルな建物が多く、憧れを抱いた。
以前ドイツに行ったことがあるが、もっと建物にも注目して旅をしたかったなぁと思った。
戦争で多くの建物が破壊されてしまった中で、古い建物もまだたくさん残っているのだと知れて良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドイツの家と町並み図鑑
著者:久保田由希、チカ・キーツマン
発行:2022年11月1日
エクスナレッジ
ベルリンに住んでいたフリーライター(久保田氏、現在は日本在住)と、ベルリンが位置するブランデンブルク州(ベルリンはベルリン州という別の州扱い)に住む翻訳や情報発信などをしている人(キーツマン氏)が、「ベルリン・ブランデンブルク探検隊」を結成して、2020年に地元の給水塔を紹介した本を自費出版。それがきっかけで、出版社からのもちかけにより本書を出版することに至った。
紹介されている家や家並み、町並みは、どれを見ても素敵だし、こんなところに住んでいたらいいだろうなあとも思う。ただ、建築デザインのド素人としては、ヨーロッパの建物はみんな同じように可愛くて、歴史があるように見えてしまい、ドイツだからこうだという特徴は文字の説明を読まないとわからない。ただ、それも理屈で分かるだけで、以後、ぱっとみたらドイツだということが分かるかといえば、悲しいかなそうはならない。
とくに印象に残ったものも、いくつもある。野石を積んで作った家というのは、非常にいいと思った。住んでみたいと思ったが、保湿性の問題で煉瓦造りに取って変わられていて、今残っているのも人が住むより、動物用の小屋などが主のようだった。
この本の原型でもある給水塔の紹介は素晴らしかった。なんとも味気ないものが多い日本のそれとは違い、趣のある、小型の大阪マルビルみたいなものがある。ドイツでも、給水技術の向上で給水塔は必要な存在でなくなっているようだが、産業遺産として保護され、現代にあった形で改修・活用されているものもある。住居やホテル、博物館、カフェなど。写真が出ていた元給水塔、現在はオフィス兼住居として使われている建物、本当にいいなあと思う。
それにしても、日本と同じ木像住宅でありながら、どうして何百年も残っているのだろう。日本で残っている現役住宅だと、せいぜい江戸の終わりころのものだと思うけど。やはり壁が漆喰だったりするからだろうか。
*********
北ドイツのノイブランデンブルクには、1300年ごろにできた市壁がほぼ完全に残っている。旧市街を環状に囲む約2.3キロの壁には、数十メートルおきに「ヴィーグハウス」という木組みの家が立っている。壁の一部が家になっているという、なんとも不思議な光景。
東西分断後のドイツ、ベルリンの東半分のメインストリートとして整備されたカール=マルクス=アレー通りの左右には、スターリン建築が出来た。国の権威を内外にアピールするための舞台装置的役割も果たしたという。しかし、1953年にスターリンが死ぬと、スターリン建築はソ連で終わりを告げ、東ドイツでも低コストでできるブラッテンバウ建築に移っていった。プレハブ構造の労働者向け共同住宅
著者:久保田由希、チカ・キーツマン
発行:2022年11月1日
エクスナレッジ
ベルリンに住んでいたフリーライター(久保田氏、現在は日本在住)と、ベルリンが位置するブランデンブルク州(ベルリンはベルリン州という別の州扱い)に住む翻訳や情報発信などをしている人(キーツマン氏)が、「ベルリン・ブランデンブルク探検隊」を結成して、2020年に地元の給水塔を紹介した本を自費出版。それがきっかけで、出版社からのもちかけにより本書を出版することに至った。
紹介されている家や家並み、町並みは、どれを見ても素敵だし、こんなところに住んでいたらいいだろうなあとも思う。ただ、建築デザインのド素人としては、ヨーロッパの建物はみんな同じように可愛くて、歴史があるように見えてしまい、ドイツだからこうだという特徴は文字の説明を読まないとわからない。ただ、それも理屈で分かるだけで、以後、ぱっとみたらドイツだということが分かるかといえば、悲しいかなそうはならない。
とくに印象に残ったものも、いくつもある。野石を積んで作った家というのは、非常にいいと思った。住んでみたいと思ったが、保湿性の問題で煉瓦造りに取って変わられていて、今残っているのも人が住むより、動物用の小屋などが主のようだった。
この本の原型でもある給水塔の紹介は素晴らしかった。なんとも味気ないものが多い日本のそれとは違い、趣のある、小型の大阪マルビルみたいなものがある。ドイツでも、給水技術の向上で給水塔は必要な存在でなくなっているようだが、産業遺産として保護され、現代にあった形で改修・活用されているものもある。住居やホテル、博物館、カフェなど。写真が出ていた元給水塔、現在はオフィス兼住居として使われている建物、本当にいいなあと思う。
それにしても、日本と同じ木像住宅でありながら、どうして何百年も残っているのだろう。日本で残っている現役住宅だと、せいぜい江戸の終わりころのものだと思うけど。やはり壁が漆喰だったりするからだろうか。
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北ドイツのノイブランデンブルクには、1300年ごろにできた市壁がほぼ完全に残っている。旧市街を環状に囲む約2.3キロの壁には、数十メートルおきに「ヴィーグハウス」という木組みの家が立っている。壁の一部が家になっているという、なんとも不思議な光景。
東西分断後のドイツ、ベルリンの東半分のメインストリートとして整備されたカール=マルクス=アレー通りの左右には、スターリン建築が出来た。国の権威を内外にアピールするための舞台装置的役割も果たしたという。しかし、1953年にスターリンが死ぬと、スターリン建築はソ連で終わりを告げ、東ドイツでも低コストでできるブラッテンバウ建築に移っていった。プレハブ構造の労働者向け共同住宅