CARPE DIEM 今この瞬間を生きて

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784767831640

作品紹介・あらすじ

ヴィオラ母さん、猫、昆虫、そして老いの先人たち……私の生き方の原点がここにあった――コロナ禍、母の死を経て見えてきたヤマザキマリ流、老いと死との向き合い方。●寿命が何歳であろうと、その時までを思い切り生きていけばいい・なぜ人は、老いや死に対して大きな拒絶感を抱くのか?・なぜ人は、若さにばかり価値を置きたがるのか?・なぜイタリア人は、新車より中古車を好むのか?・なぜ、「何者か」にならないといけないのか?・なぜ、イタリアは老人を敬い、日本は老害扱いするのか?・なぜ、夕焼けは雲があるほど美しいのだろう?・人に備わる知性、感性、命の機能を十分に使いこなすには?幼少期から老人と触れ合い、親の介護、そして死を経験し、多種多様な「老いと死」に触れてきた真の国際人・ヤマザキマリが豊かな知見と考察をもとに語った、明るくて楽しい、前向きな人として生き方。■目次1章 生きて死ぬ摂理2章 老いの価値3章 善く生きる4章  私の老い支度5章 母を見送って■著者プロフィールヤマザキマリ(やまざき・まり) 漫画家・文筆家・画家。東京造形大学客員教授。1967年東京生まれ。84年にイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。比較文学研究者のイタリア人との結婚を機にエジプト、シリア、ポルトガル、アメリカなどの国々に暮らす。2010年『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。2015 年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2017年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ綬章。著書に『スティーブ・ジョブス』(ワルター・アイザックソン原作)『プリニウス』(とり・みきと共著)『オリンピア・キュクロス』『国境のない生き方』『ヴィオラ母さん』『ムスコ物語』『歩きながら考える』『人類三千年の幸福論ニコル・クーリッジ・ルマニエールとの対話』など。

感想・レビュー・書評

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  • ヤマザキマリさんのエッセイ。
    とても読みやすいものでした。

    ヤマザキマリさんと言えば、テルマエロマエの作者で
    少し前までは漫画家さんだと思っていましたが、歴史を取り上げたテレビ番組でお見かけして
    こんなに知性があってこんなにしっかり話される聡明な女性なんだと驚きました。

    この本でその聡明さの理由がとても良くわかりました。
    この本の内容はヤマザキマリさんの生い立ちから現在までにも触れつつ、ビオラ奏者のお母様の旅立ちを通してその死生観や生きる事生活する事を綴っています。

    この本を読んで今まで以上に、ヤマザキマリさんに好感を持ちましたし、またこうして絵以外のものも世に出してお考え拝聴したいなと思いました。

  • 今に安住せず、走り回り続ける ヤマザキ マリさん - 日本経済新聞(2013年12月8日)
    https://www.nikkei.com/article/DGXNASDR03006_T01C13A2TY5000/

    【ヤマザキマリ】インタビュー|先が読めない今の時代だからこそ、教養が必要なんです | Oggi.jp(2018.11.15)
    https://oggi.jp/137463

    Home - Mari Yamazaki
    https://yamazakimari.com/

    CARPE DIEM  今この瞬間を生きて/ヤマザキマリ 本・コミック : オンライン書店e-hon
    https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-7678-3164-0

  • 読んでいて穏やかな気持ちになった。

    マリさんも母リョウコさんも、エネルギーに溢れた生き方をされているのに、それを読むと明日への活力をもらえるというより、老化も死も避けられないものなのだから、抗わずにそのまま生きてよいのだと安心感をもらえる。
    自分の存在価値など求めずに、ただ生を全うするだけでよいと言ってもらえ、肩の力が少し抜ける。とは言え、家の外に出るとまた力が入ってしまうのだろうけど。

    小学生の頃、母や妹相手に、身近な親戚のお葬式を振り返ったり、死について話すと縁起でもないと嫌がられたことを思い出した。
    人間はいつかは死ぬもの、どうやって死ぬかはどのように生きるかと同義だと思っていたし、どう弔ってほしいか考えるのは自然なことだと考えていたけど、日本は(わが実家は)避ける傾向にあるのかな。
    読後は、死について語ることはタブーでも不謹慎でもなく、人生観を語ることと同じだとストンと落ちた。

  • 約11年にわたってヤマザキマリさんのエッセイを読んできたので、
    ご家族がまるで身近の人のように感じています。

    闘病中だったお母さまが亡くなりました。
    昨年の暮れです。
    この本ではお母さまの死を軸に
    満足のいく老齢のあり方と
    死との向き合い方を模索しています。

    〈生きることは、正直様々な試練の連続です。しかし、そうした試練を踏まえておけば、些細なことであっても幸せを感じられる感性が育まれます。死までの期間限定だとしても、生きていることは素晴らしいことだと思える日々の要素が増えていくでしょう。
    命の価値観は人それぞれです。周りが決めた人間の生き方というものに翻弄されないことが、質感のある年齢を重ねていくうえで大事なことかもしれません。
    何歳になろうとやりたいことがあればやってみるべきですし、自分の中に潜んでいるエネルギーを見くびらず、苦悩や悲しみも含め、命にたくさんの栄養を与えて存分に満足させてあげてください。そうすれば、きっと年齢とともに死という命のプロセスも優しく受け入れることができるようになるのではないかと思います
    いくつまで生きようと、良い死を迎えるのに大事なのは、冒頭で用いたレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉が伝えるように、人間としての命の機能を使いこなした人生を体験することに尽きるのではないでしょうか〉

    「あたかもよくすごした1日が安らかな眠りを与えるように、
    よく用いられた一生は、安らかな死を与える」
    (レオナルド・ダ・ヴィンチ)

  • ヤマザキマリさんのエッセイ。漫画「テルマエ・ロマエ」の作者。
    「老い」と「死」について。死生観。

    「老害」という言葉が示すように、歳をとることが悪であるかのように捉える日本人に、一石を投じる。
    一石といっても、綿雪のような包み込む柔らかさで…

    ヤマザキマリさんの人生をこの本ですこし知れたが、一般的な日本人とはかけ離れている。
    シングルマザーの母はヴィオラ奏者。なにより音楽が最優先、エネルギッシュな人。子供時代のマリさん姉妹は知人や教会に預けられたりしていた。母とは親子の愛情はあるがつかず離れずの関係。

    そして彼女は画家をめざしイタリア留学、現地で結婚し暮らして10数年。そのほか海外での暮らしも多く経験している。
    イタリアでは親、祖父母、子どもという3世帯での同居は一般的。なので、祖父母の物忘れや好き勝手な言動も、お年寄りはそういうもんという諦観があるそう。

    彼女は昆虫や動物が好きで、それらは生存競争に残ることはあっても、老いに争うことはしないという。
    ただ生まれ、食べ、子孫を残し、死ぬ。
    そのままを受け入れ、次の生へ繋ぐ。

    日本人のもつ、死を「穢れ」とする感覚は彼女の中にはないという。
    死は当たり前にやってきて、当たり前に受け入れる。
    歳をとればできないことが多くなり忘れることが増えていく、それも受け入れて死ぬまで生きていく。

    この本の最初一文にあるように、
    「あたかもよくすごした1日が安らかな眠りを与えるように、
     よく用いられた一生は、安らかな死を与える」
    と、レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉を引用している。

    人生を自分で納得して生きてきた人には、死の時を迎えることができる、そんな意味にとれた。それをマリさんの母ショウコさんが実践されたのを見てきたからだろう。

    穏やかに語られる話に心が動かされもするが、そんな簡単に人は変われない。
    死は怖いし、老いも恐ろしい。
    それでももう少し素直に受け止める心の余裕をもっていきたい、そう思えた。

  • T図書館
    写真:山崎デルス
    老いや死に対する見解

    1章 生きて死ぬ摂理
    2章 老いの価値
    3章 善く生きる
    4章 私の老い支度
    5章 母を見送って

    《内容》
    14なぜ人間だけが地球上でどんな生物よりも長生きしないといけないのでしょうか
    17宇宙の法則や意識から常に背いて、生の業ばかりにしがみつき続けてしまう、この傾向はむしろ私たちを生き難くしている理由になっているのかもしれません

    36 気持ちが塞いだ時は黙っていてもその状態からなかなか抜け出せないため、自発的に動くのが私のやり方です
    近所へ散歩、景色の違う場所へ移動する、美術館や 博物館へ行ってみる
    映画行くのが面倒ならテレビやパソコンで映画を見たりする、友人と名が電話してみる
    とにかく動くということが肝心

    110人間は社会に称賛されようとされまいと、特別な存在になろうとならなかろうと、何はともあれ生きていかねばなりません、というか生きていく権利があるのです

    《感想》
    自然、昆虫好きならではの感性だ
    以前からマリさんの考えに賛成で頷くことばかりだった
    よくぞここまではっきり書いてくれたと思う
    長生きだけがすべてじゃない

    落ち込んだ場合は動き回る
    真似してみよう
    自発的に動いて現実逃避、現実離れした映画を見る

  • 「老い」や「死」について考えさせられる。
    ヤマザキさんのようにはできないと思うけど。
    「あたかもよくすごした1日が安らかな眠りを与えるように、よく用いられた一生は安らかな死を与える」
    そもそもよくすごした1日というものがあまりないのでそこからか。
    良き人生を。

  • ●なぜ気になったか
    日本を客観的にみることができるヤマザキマリさんの考えには一目置いている。僕より5歳若いマリさんの「老いと死」への考え、私考を深めるために読みたい

    ●読了感想
    「いつまで生きるんだろう」「ボケてまで長生きしたくない」に対する答えを見つけることができた。心に響く内容はいつもよりは少な目だったけど、探していた答えに出会えて満足

    #CARPE DIEM 今この瞬間を生きて
    #ヤマザキマリ
    23/8/5出版

    #読書好きな人と繋がりたい
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    #本好き

    https://amzn.to/3DJI324

  • 人間も虫や他の動物たちと同じで、生まれた時から死に向かって歩いている。広い宇宙から見れば、私の命も虫の命も同じ一つの命であり、それがいつかなくなるのは自然なこと。だからこそ命は尊いものであり、今生きているのだから精一杯に生を全うしようと思えた。
    大切な人との別れは辛いものだし、自分がいつか死ぬのも想像つかないが、亡くなったら結果的に宇宙の一部になるんだよなぁ…と考えると、生を純粋に受け止められたら、死についても自然に受け止められるような気がする。
    ヤマザキさんの捉え方はスケールが大きくて、身近な悩みがどれもちっぽけなものに思えるから好き。読むといつも元気をもらえる。

  • 憧れと尊敬の人、
    ヤマザキマリさん。

    私にはない、知性と自由な発想と、
    行動力と、自ら人生を切り開く軸を持ってる。
    もちろん、才能も。ひけらかすことのない努力と。

    サバサバした物言いも好きだ。

    他のエッセイを読んだことがある方は、
    ん?なんか同じこと書いてない?
    ってなるかも。

    絵を描くことが本業だからか、本の方は出版社からオファーがあったから、
    期日までに出したのかな?って感じが否めない。
    書きたいことが、内面で煮詰まって溢れ出ているようには思えず。

    大好きなヤマザキマリさんなんだけどなあ。初めてヤマザキさんの本読むなら、おすすめです!


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著者プロフィール

訳:ヤマザキマリ
1967年東京生まれ。北海道育ち。漫画家・文筆家・画家。17歳でイタリアに渡り、フィレンツェ国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を学ぶ。1997年、漫画家としてデビュー。比較文学研究者のイタリア人との結婚を機に、シリア、ポルトガル、アメリカなどで暮らし、現在はイタリアと日本を往復する。2010年、古代ローマを舞台にした漫画「テルマエ・ロマエ」で手塚治虫文化賞短編賞、マンガ大賞受賞。2017年、イタリア共和国星勲章コメンダトーレ章綬章。著書に「ステーブ・ジョブズ」「プリニウス」「オリンピア・キュクロス」、「望遠ニッポン見聞録」「国境のない生き方」「ヴィオラ母さん」「ムスコ物語」「歩きながら考える」など多数。

「2023年 『だれのせい?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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