知的障害者の地域移行と地域生活: 自己と相互作用秩序の障害学

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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768435106

作品紹介・あらすじ

地域生活はなぜ重要なのか。地域移行によってなぜ「ミニ施設化」が生じるのか。障害学の視座から解明した野心的研究書。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館に頼んでたレファレンスで出てきた本。博論?か何からしく、近所の図書館の本ではなくて、相貸本。『We』入稿前とも重なってちらちらっとしか読めないまま、返却期限がきてしまう。

    この本は
    ▼ 障害学の視座からゴッフマン施設論を理論的に修正し…理論的視座を明らかにしたい。その上で、この理論的視座に依拠しながら、知的障害者と周囲の人々がいかに自己を構成し相互作用することによって、地域移行及び地域生活をめぐる現実がいかに構築されるのかを実証的に明らかにする。この研究によって、地域移行及び地域生活支援の取り組みがなぜ重要なのか、さらにこのような取り組みを実施してもなぜ「ミニ施設化」が生じ本人の生が統制されるのかを障害学における自己論及び相互作用論の点から解明したい。(p.11)
    というものであるらしい。(いきなり「いかに」が2つも出てきてどうも読みにくい。)

    で、国のコロニー政策の一環として設立された知的障害者総合援護施設を調査対象として、エスノグラフィーという調査方法で、行為者の生活世界や文化を重層的に記述しようとした、ものらしい。
    用語については、こんなことが書いてある(p.18)。
    「脱施設化」…施設閉鎖を目指し施設福祉サービスから地域福祉サービスに変革する取り組み
    「地域移行」…施設福祉サービスを維持しながら知的障害者入所施設から地域の住居に移住することを目指す取り組み
    「施設生活」…知的障害者入所更生・授産施設、訓練ホームや通勤寮など地域社会にある中間施設での生活
    「地域生活」…グループホームやアパート・結婚での生活
    「障害」…社会的障壁による不利益を意味するディスアビリティと個体の機能的特質を意味するインペアメントを区別、その上で、個人を障害化/無力化するものが社会的障壁であり、「障害者」とは社会的障壁によって力を発揮する機会を奪われた人々という意味で使用
    「インペアメント」…インペアメントをめぐる意味や言説を変更してもなお残る「身体性」、特に「身体性」に伴う困難さの経験を意味するものとして使用

    さらさらと見てみると、「地域移行の経験」を、施設職員、家族、知的障害者本人のそれぞれの立場から描こうとしているようで、じっくり読むとおもしろそうだが、「視座」とか「言説」などのことばが頻出する「現代思想」みたいな本は、正直もう読むのがきつい。気合いを入れて読めそうなときがあったら、また借りてみようかな~と思う。

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著者プロフィール

琉球大学教員。「ラルシュ・デイブレイク」(カナダ)及びNGO「地に平和」(パレスチナ)での勤務を経て現職。北欧・北米・日本の脱施設化とパーソナルアシスタンスについて研究。著書に『知的障害者の地域移行と地域生活――自己と相互作用秩序の障害学』(現代書館)など。

「2018年 『地域に帰る 知的障害者と脱施設化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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