ルポ刑期なき収容: 医療観察法という社会防衛体制

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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768457290

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  • 「重大犯罪におよんだ精神障害者の再犯率が、一般の犯罪者に比べ、きわめて低いというデータ」は「精神保健福祉に関心のある人の間では、有名な数字」なのだそうだ。(関心がなかったせいもあり、全く知らなかった。)
    それはともかく、著者の述べることには「う~ん、それでいいのか?」という思いが最後まで去らなかった。多害行為をしてしまった人に対してはやはり「怖い」という印象を持ってしまう。著者は他害行為をした精神障害者に対して終始同情的(「~してしまった」と叙述)、しかし精神科受診歴のある人の他害行為の被害者の大半が親族であり(そして警官に対する«公務執行妨害»)、第三者が少ないというデータがもっと公表されれば、精神障害者は危険という偏見を少しは払しょくできるのではないかという発言も取り上げられていたが、それで払しょくできるようには思えない。親族だって傷つけられたら犠牲者だもの。個々のケースも読んだ限りではあまり同情できないものが多かった。難しい。もちろん医療観察法という制度にいろいろ問題や矛盾があることは何となくわかったのだが…。

  • やや盛っているような印象を受けたが、医観法に問題があることは事例を通じて理解できた。

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著者プロフィール

1959 年神奈川県平塚市生まれ。青山学院大学経営学部卒。奈良新聞記者を経てフリージャーナリスト。奈良教育大学非常勤講師(政治学、18・19 年前期)。
著書に『奈良の平日 誰も知らない深いまち』(講談社)、『刑期なき収容~医療観察法という社会防衛体制』(現代書館)、『ダムと民の五十年抗争~紀ノ川源流村取材記』(風媒社)ほかがある。

「2019年 『彫刻家 浅野孟府の時代 1900~1984』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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