代数曲線の幾何学

著者 :
  • 現代数学社
4.50
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 6
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784768701966

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これは面白い本でした。著者の難波誠さんは当時大阪大学教授の方。

    著者いわく、”代数学と幾何学は有限数学の世界であり、解析学は無限数学の世界である。有限と無限のはざまに最も美しい数学が存在すると私は信じる。”とのことで、代数曲線をテーマにリーマン面へ至り、”有限と無限のはざまに”という最終章でリーマン・ロッホの定理、楕円関数といったあたりで締める。私もこのリーマンが切り開いた代数、幾何、解析が交錯する古典的なリーマン面の理論、数学の中で最も美しい領域の一つではないかと思います。本書のような本を読むと数学の美しさを感じます。

    本書は雑誌BASIC数学に連載されていた記事が元になっているとのことで、講義調で読みやすいです。厳密な定理の証明にこだわっておらず、証明も多々省いていますが、例も多くイメージが沸きます。リーマン・ロッホの定理も証明はありませんが、最初はまず本書のような本でイメージをはぐくむのがよいのではないかと思います。山田浩先生の代数曲線のはなし―現代数学への一つのアプローチとテーマといい、口調といい似てますが、山田先生の本よりはこちらのほうが複素解析的な話が多く私は好みです。複素解析の入門書としても良いかもしれません。山田先生の本はリーマン・ロッホの定理は単語は出てきますが、定理の内容は述べていません。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

大阪大学名誉教授、理学博士。1943年 山形県出身。東北大学理学部卒業、コロンビア大学大学院自然科学科博士課程修了。東北大学助教授、大阪大学教授、追手門学院大学教授などを歴任。Ph.D.主な著書に『代数曲線の幾何学』(現代数学社)、『複素関数 三幕劇』(朝倉書店)、『微分積分12章』(日本評論社)などがある。

「1996年 『微分積分学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

難波誠の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×