ドイツ軍の小失敗の研究 新装版: 第二次世界大戦戦闘・兵器学教本 (光人社ノンフィクション文庫 285)
- 潮書房光人新社 (2007年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784769822851
感想・レビュー・書評
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エニグマの暗号はパターン数が莫大だから、解読できたというのはイギリス軍の陰謀だ!と、ぶっ飛んだ内容。当然その莫大なパターンをいかにして少なくするかが、暗号解読の味噌のはずなのだが。
あと、ドイツ軍戦車は転輪を千鳥型配置にしたが、設置圧はほとんどソ連戦車と変わらない!と言っているけど、転輪配置と設置圧は直接関係ないはず。(設置圧=重量/地面と接する履帯の面積なので)
著者は大学で科学を教えているらしいが、技術的なところが抜けているような。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三野先生の「小失敗」シリーズのドイツ版。
あれやこれやの細かい話がまとめられている。戦車開発がドイツ面全開だったとかは小失敗じゃないかもだが。 -
兵器開発の技術力では、連合軍に負けていないドイツですが、優秀な兵器の中には「やりすぎ」兵器も含まれていたようです。陸上戦闘の多い欧州では、列車に大砲を乗せて撃つ列車砲のようなものが造られていました。普通は20ー30センチ砲が一般的でしたが、ドイツ軍は何と80センチ砲を作り上げました。戦艦大和の大砲が46センチですから、直径だけで約2倍、砲弾の大きさは3ー5倍の大きさがありました。これだけ大きいと2本のレールでは支えきれず、複々線にしないと移動できないくらい大きなモノになってしまったそうです。これは一例ですが、この本には戦術面も含めて多くの失敗のエピソードが記載されています。これを読むと、大鑑巨砲主義の日本人もドイツ人も考え方は同じだったことが判ります。