戦争の素顔: 一兵卒から提督まで (光人社ノンフィクション文庫 779)

著者 : 佐藤和正

• 潮書房光人新社 (2013年4月28日発売)

作品紹介・あらすじ

一兵卒から提督まで、運命に翻弄された人々を通して、知られざる太平洋戦争の本当の姿を書き残す-ラバウル航空隊トップエース、卓抜な戦術を編み出した駆逐艦長、日豪の捕虜収容所での出来事、古賀司令長官戦死の謎。戦史に埋もれた事件や人物を訪ね歩き、資料を渉猟し、戦争の表裏を浮かび上がらせる異色作。

感想・レビュー・書評

[凍雨さんの感想 · 2013年4月29日]

山本五十六や小沢治三郎といったよく取り上げられる有名どころはともかく、日本で初めてイスラムに帰依した女性の話、日本軍捕虜収容所での連合軍兵士、連合軍捕虜収容所での日本軍兵士と、これまであまり知られていない”秘話”ともいうべきエピソードが興味深かった。

特に、捕虜となった日本兵が必ず死ぬことを考えているのに対して、オーストラリア軍の兵士は、何とかして生き残ろうとしているところは、話には聞いていたがこうやって読むと、その落差に愕然とした。
時代がそうしたのか、これも数ある日本人の特質のひとつなのか。