プーチンとロシア人 (産経NF文庫)

著者 :
  • 潮書房光人新社
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本棚登録 : 50
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784769870289

作品紹介・あらすじ

ロシア研究の第一人者が遺したプーチン論の決定版! 「勝利をもたらす小さな戦争」の愛好者、その闘争哲学を人間的アプローチで読み解く

感想・レビュー・書評

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  • 出先の書店で出くわし、入手して興味深く読んだ1冊である。
    残念ながら他界されたのだが、ソ連・ロシアに関する研究では知られていて、永年活躍された著者が2018年頃に発表した本の文庫化である。文庫本の好さを活かし、持ち歩きながら愉しく読んでいた。
    何処の国や地域であっても、各々に「他所とは違う様々な何か」というモノが在る。それについて内側からの目線で考えることや、外側からの目線で観察してみることが各々在る。それらは長い間に亘って行われ、積み重ねられる。
    そういう性質の事柄はロシアに関しても多々在って、本書ではそういうようなことが論じられている。1980年代位迄、ソ連時代の中で、ソ連以前からのその種の考えや観察が重ねられた経過が在り、1990年代頃からの状況の変化という中、変わったようでいて変わらないというモノも多く在る。著者は永年の経験等にも拠りながら、そういうことを本書で掘り下げている。
    加えて、その生い立ちや職歴、職業に纏わる人達の行動等を踏まえ、プーチン大統領の人物、考え方、行動様式を考えているのが本書である。
    そういった諸要素を合わせて「ロシア?」と考えるとして、政治、外交、軍事、労働、技術、社会というテーマ、更にロシアの人達との交渉や人間観のようなことを掘り下げている。或いは著者の「ロシア研究」の集成というような性質も帯びているのかもしれない。
    或る時期に発信されたイメージで単純に「こういうモノ」として、それ以上は踏み込まないという対象が世の中には多く在って、ロシアもそういう多くのモノの1つなのかもしれない。が、互いに引っ越すことが出来るでもない隣国であるロシアに関して、知る、考えるということは何時でも重要である筈だ。そういう材料になるのが本書だ。
    本書は、極個人的な経験や見聞を誇張するようなことは全く無く、伝えられる様々な事柄を掘り下げて「こういう一面が在るのでは?」という考察を重ねている感である。巷間の俗説という次元の話しの「本当のところ?」を真摯に考えているような面も在ると思う。
    大変に興味深い一冊だ。

  • 2022年5月号
    Premium Selection vol.7

  • ウラジーミル・プーチン。彼はどういった思考で行動するのか。氏の闘争哲学を、ロシア研究の第一人者が同国の国民性、人間的アプローチから読み解く。

    1 章 背景
    2 章 性格
    3 章 政治
    4 章 外交
    5 章 軍事
    6 章 交渉
    7 章 連続
    8 章 労働
    9 章 技術
    10 章 社会

  • 悪い本ではないが、文学的に過ぎる。どちらかというと、同じ筆者の、現代ロシアを見る目、の方が参考になる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/745545

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著者プロフィール

北海道大学名誉教授 


「2007年 『アジアに接近するロシア その実態と意味』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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