- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784771037007
作品紹介・あらすじ
『歩く江戸の旅人たち』『歩く江戸の旅人たち2』の女子旅編!
近世は “女子旅の時代”?!
関所を越え、難所を歩き、大河を渡る
情熱とバイタリティ溢れる女性たちを惹きつけた近世女性旅の魅力とは?
旅を楽しむためにかなり頑張ってしまう女性たちの気持ちや姿は、現代でも同じなのかもしれませんが、近世後期に大流行した旅は歩くことがメインであったため、旅する女性たちが辛い目に遭うこともありました。その女子旅を安全で快適にしたものは何だったのでしょうか。
また、旅費をかけて楽しんだお買い物、名所めぐり、グルメなどを通じて、活発な江戸の女性像を描いてみましょう。
感想・レビュー・書評
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江戸時代の女性の旅行事情を様々な資料からまとめた本。江戸時代の女子旅と聞いて、真っ先に思い浮かんだのは、「入り鉄砲に出女」。やはり箱根の関所で、西に向かうのはかなり厳しかったよう。それ以外の関所においても、それなりに難儀した模様。
江戸時代も中期以降は、幕藩体制や社会の安定、貨幣経済の発展等もあり、旅がしやすくなってきた。女性にとってもそれは同じこと。さすがに、女性の一人旅や女性のみの団体での旅は危なかったらしい。男性に同行したり、荷物持ちの男性を同行させたりしていた。
当時も観光、ショッピング、グルメ等を目的に旅していた。そこは現代と変わらない。それしにても、昔の人の健脚ぶりには改めて驚かされる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
江戸時代の女子旅はどのようなものだったのか?
旅日記等で見えてくる旅の姿を紹介し、詳細に説明する。
第1章 旅立ちの前に
第2章 女性たちはどのように歩いたのか
第3章 女子旅の困難
第4章 女子旅の家計簿
第5章 女子旅の楽しみ方
第6章 女性たちの旅グルメ
各章末に参考文献有り。
江戸時代の身分も立場も様々な女性たちの、旅の様子。
それは、彼女たちや、同行した者の旅日記に書き記された。
妻と旅した伊能忠敬や母と旅した清川八郎の記録もある。
目的も目指す場所も様々だが、目的地以外の場所にも足を運び、
1日約30㎞の距離を歩く健脚ぶりで、闊歩する。
半年にも亘って広範囲を旅する者がいることの驚き。
旅装や歩行の心得、関所・難所・大河の困難、
旅費と支出の内訳、両替と為替、宿、草鞋の耐久性と草履。
そして、買い物三昧に名所巡り、芝居見物、温泉、グルメ。
分かり易い文章に、画像や地図、図表が多く、
まるでこちらも旅するかのように、楽しめました。
街道に旅人向けの草鞋の販売と、使い古しの草鞋専用の
集約所があり、リサイクルされていたことも分かりました。
名所旧跡巡りの場所を読んでたら、バス旅行で行った場所が
あり、これらの場所を1日で歩いていることに驚きました。
多分一生に一度の旅を、大いに満喫するタフさと健脚はすごい! -
江戸時代も人々が変わらず旅をしていたことの面白さと過酷さに感心しっぱなしでした。さまざま、当時の名物やガイドブック、旅グッズなど、興味深かった。
荷物や服装など、旅装を整えたにせよ今とは全く違うものだっだろう。ほとんどが徒歩移動で日本国内を回っていた当時の人たちの健脚さが伝わってくる。
ところどころ地図や絵が入っているのも良い。
元になった日記など読めたらな、と思いました。 -
昔の日本史の授業では江戸時代は圧政の時代だったが、実は実は平和でそれなりに裕福な時代であったことを教えてくれる。一次資料を駆使して再現する女子旅の詳細。
服装や食事、各宿場の名物など。お伊勢参りをメインに多くの名所旧跡を巡る。当たり前だが全て徒歩。一日40km近くを歩く江戸時代の人々の健脚には驚き。為替、両替など旅を支える制度も江戸時代には発展している。 -
同著者の「歩く江戸の旅人たち」の女子版とも言える。
まあとにかくよく歩くことよ。1日平均30キロ。。。
そしてお土産買ったり、名物食べたり、楽しんでるなあ。 -
むかし清野さんという女性が
江戸時代に旅をした話を読んで
おもしろかったのですが
この著者はそういう資料を集めて
いろいろ比較できるようにしてくれた。
るるぶ・まっぷる的なものが
当時からちゃんとあったのが楽しい。
「名所図会」とか。
行けない人も行った気になれるのは今も同じ。
伊勢参りや家族の転勤つきそいなど
明確な目的がないと旅もしにくかったけど
行くとなったら、もう寺社のおまもりや
伝統薬に地元の名産品も買っちゃうし
おしいしもの食べて、芝居小屋まで入っちゃう。
あと、旅の必需品に鏡や櫛、びんづけ油などの
化粧品がしっかりふくまれてるのが女子。
それにしても、すごい健脚だったんですね。 -
江戸といっても最後の方になるが、少し裕福な女子は伊勢神宮を始めとして旅を楽しんでいることがよくわかる。関所を裏道から抜けたり、1日に50kmも歩いたり困難なこともあったが、名所旧跡を訪ね、芝居見物をし、名物を食べる。そのバイタリティが素晴らしい。
また、たくさんの絵や図表があって分かりやすかった。 -
時代物のドラマの女性は使われて、弱くて、という印象だった。けど、時代小説の中の女性たちは生き生きとそのときを生きていて、事実はどっちに近いんだろう?とおもっていたところこの本に出会った。歩く、食べる、楽しむと現在に通じる旅をしていたことに驚いた。お土産をわすれずに買うところもほほえましかった。
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江戸時代が舞台の小説が好きでよく読むから、面白かったし、とても興味深かった。
こんなに詳細な記録が残ってることにまず驚きだし、女子が好きな事って今も昔も変わらないんだなと思うと、遠いはずの江戸時代が今と繋がっているんだなーと、当たり前の事に改めて気がついた。食いしん坊のきよのさん、面白すぎ!
そして、昔の人の健脚ぶりには敬意を表したい。