- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772404815
感想・レビュー・書評
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ミルトン・エリクソンのエッセンスが凝縮された一冊。豊富な症例を通して、エリクソンの様々な技法が紹介されている。この一冊でエリクソンのことをどこまで理解できるかは初学者の評者には判断しかねるが、少なくとも自身の臨床観を一新するには十分刺激的な内容だった。原典などもしっかり紹介されているため、これらの文献にあたればエリクソン理解はさらに深まるのだろう。
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かれこれ1年以上、ブリーフ・サイコ・セラピーの学会に参加させてもらって、多くのエリクソニアンと接するこの頃であるが、なかなか「天才」「達人」となるととっつきにくいもので、それは学べないだろうと、敬して遠ざけがちになってしまうが、治療者が知識や体験をカッコにくくり、クライアントに自由に向き合えば、それが奏功するセラピーはおのずからエリクソン的になってゆくものなのかもしれず、それは「生活の知恵療法」だといわれ、エリクソンはそれを示して見せたにすぎず、苦手な催眠にしても、誘導操作ではなく、潜在力の活用の一部ととらえて消化すれば半覚醒でも十分だろう。ここに還ってまたここから発して、ここから広げる。明快で肯定的な場である。
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ミルトン・エリクソンは誰もが認める天才心理療法家。
本人は理論を書いたり、本を出版しなかったのだけれど、だからといって不条理なわけではない。
天才だからスキルがデフォルトで備わっている場合もあるけれど、理論的でないということとは違うのだ。
エリクソンじゃなくても天才的なコンサルタントやカウンセラーがいる。
本を出版していなかったり、理論化されていないと胡散臭く見られることもあるけれど、やっぱりそんなことはなくて、すごい人はすごいのだ。 -
催眠誘導を用いた治療例や催眠技法の紹介と解説が詳細ではあるが、なによりも、催眠に陥る時の精神状態がとてもわかりやすかったことである。
と言っても、催眠に陥る時の精神状態に関するまとまった記述がなされてる箇所があるわけではなく、技法の解説を総合すると精神状態の変容がいかに簡単に起こるのかが見えてくるのである。これが実におもしろかった。 -
まず最初にこの本を読めば、エリクソンの全貌がつかめる。
最後の10章では、エリクソンを理論的な枠組みとしてとらえようとした研究家の紹介がされていて、これも面白い。
NLPがどこから来ているのかがわかる。 -
エリクソンの弟子の中でも最も分類整理・マニュアル化の上手なオハンロンによるエリクソン技法集。
味も素っ気もないとわりと巷では評価が低いようですが、ぼくはこの本に随分助けられました。
最初に入手したのがこの本だったからエリクソンにはまることができたといえるでしょう。
エリクソン初学者にとってこの本の理想的な使い方はこのミルトン・エリクソン入門を辞書代わりに片手に持って、アンコモンセラピーを読むことです(笑)
英語学習にたとえれば、アンコモンセラピーが英語長文でミルトン・エリクソン入門が単語を調べるための辞書とか文法書。 -
ミルトン・エリクソンの考え方に触れていると読んでいるだけでも元気が出てくる感じになります。