物語としての家族[新訳版]

  • 金剛出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772415446

作品紹介・あらすじ

「……人も人間関係も問題ではない。むしろ問題が問題となる。つまり,問題に対する人の関係が問題となる」
個人と問題を同一視する近代的権力構造に抗い,クライアントとセラピストが「問題のしみ込んだストーリー」とは別の心躍るストーリーを,協力して語り,共に生き,聴衆と共有できたとき人生は展開する。
「問題の外在化」と「文書実践」が“治療”に持ち込んだ複数のアイデアは,「ストーリーだてる治療」の基本構造を打ち出し,やがて「ナラティヴ・セラピー」と呼ばれるムーブメントに結実する。マイケル・ホワイトとデイヴィッド・エプストンによる「生きられた経験」を語る空間創出の旅,その始まりの書。

感想・レビュー・書評

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  • ここから、いろいろな動きが始まったナラティヴ・セラピーの原点。

    手法として取り上げられている「外在化」と「治療的文書」は、いろいろな入門書などで説明を読んでいたので、この本を読むのは後回しにしていたのだが、ナラティヴ・セラピーという領域を作り出した希望とパワーがみなぎっていて、すごい。

    これはナラティヴ・セラピーのビッグバンだな〜。

    ものごとの「始まり」の本は、やっぱ読まないと始まらないなと改めて思う。

    ナラティヴの理論的な根拠になっているフーコーの説明もとても明快で、「そうか〜、フーコーが言っていたのはそういうことか〜」と納得してしまった。

    で、批判的な(いい意味で)フーコーの思想をここまでの実践知に展開したホワイトとエプストンのすごさ、

    そして、次から次にでてくる「治療的文書」の文例の多さと豊かさは圧倒的。

    やっぱ、「外在化」と「文書」というのが、ナラティヴという手法の根幹にあるんだな〜と再確認。(そして、その手法と背景にある思想が一体になっている)

    そして、人間への限りない愛と信頼があふれているな〜。

    あらためて、「問題が問題であって、人間は問題でない」というスローガンの力強さに心を打たれる。

  • 何度も読み返したい本。
    洋書を買って、挫折し、新訳出たので、買ってみた。
    いろんな意味で、集大成的な本。
    論理ー科学的思考と物語的思考。
    因果的思考と円環的思考と言い換えてもいいのかな。
    もっと物語力を鍛えたい。

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著者プロフィール

[Michael White]ジャーナリスト、講師、プロの音楽家を経て、現在作家として30冊以上の本を執筆。ベストセラー小説に『五つの星が連なる時』(早川書房)、S・ホーキング(ジョン・グリビンとの共著)、アインシュタイン、レオナルド・ダ・ビンチの伝記などがある。『Isaac Newton: The Last Sorcerer』ではアメリカでブックマン賞を受賞。シドニー在住。連絡先:michaelwhite.com.au

「2018年 『ニュートンとコーヒータイム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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