- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784772415729
作品紹介・あらすじ
行動科学研究から臨床応用まで,心理臨床の歴史そのものと呼ぶにふさわしいほど長い歴史と蓄積をもつ行動療法。「パブロフの犬」の実験から認知行動療法,臨床行動分析,DBT,ACT,マインドフルネスまで,行動療法の基礎と最新のムーブメントをていねいに解説する研究者・実践家必読の行動療法入門ガイド。
行動療法の全体的イメージをつかめるように,心理療法としての行動療法の発展を解説した第I部(第1章),それぞれ行動療法のエンジンとも呼べる「レスポンデント条件づけ」「オペラント条件づけ」を紹介する第II部(第2~3章)と第III部(第4~8章),人間に固有の行動といえる「ものを考えること(認知・言語的行動)」に焦点を当てた第IV部(第9~11章),行動療法の臨床応用において永遠のテーマと呼べるセラピストとクライエントとの関係性にフォーカスした第V部(第12~14章),そして行動療法の世界観を解説した第VI部(第15章)。第1章から順にやさしく読める文体で,基礎知識だけでなく行動療法臨床のエピソードも織り交ぜて解説し,「なるほど,この原理はこういった実践に役立つのか!」と納得できるよう原理と実践がリンクする内容を心がけて,重要概念を整理した巻末付録「用語解説・定義」や研究論文の文献も紹介しながらさらなる学びにつなげるためのヒントも豊富に盛り込んでいる。
はじめて読んでもよくわかる,行動療法の歴史・原理・応用・哲学を学べる教科書。
感想・レビュー・書評
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可愛らしい表紙や語りかけるような文体によって初学者にも手に取りやすい印象を与えているが、かなり専門的に学ぶことができる良書。
「行動療法」といっても、要素的実在主義に基づく古典的な行動療法ではなく、機能的文脈主義に基づく臨床行動分析がメイン。したがって、クライエントの内的な要素に問題の原因を求めるのではなく、環境との相互作用や文脈、環境への行動の有効性に注目することを繰り返し強調している。そのような臨床行動分析の概略の説明となるマクロな流れが非常にわかりやすい。加えて、タイトル通り、レスポンデント条件付け、オペラント条件付けなどのミクロレベルの基礎的な行動理論もきちんと説明されているので、辞書的な使い方も可能。
ただ、似たような概念を細かく様々な専門用語で説明していて混乱することも多々ある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
認知行動療法や行動療法の本は幾つか読んでいましたが、なんとなく知っているというくらいで、きちんと学びたいなあと思い、こちらの本を手に取ってみました。この本を読んでも行動療法は出来るようになるわけではないですが、行動療法がどんなもので、どのように行動をみて、面接を行うのかということはしっかり学べます。歴史あるな部分を含めて。引用文献がしっかり掲載されているので、この本からいろいろな知見を広げられると思います。まはさに、「はじめてまなぶ行動療法」だと思います。
個人的な感想としたは、具体的な症状に関して行動療法的な見方が出来るだけで面接がずいぶんと変わるだろうなと思いながら読んでいました。昔読んだ、「よくわかるACT」を再読したくなりました。最終章の進化と学習に関する著者の考えはグレゴリー・ベイトソンを連想しました。知覚や言語活動を含めた学習、もしくは再学習についての研究が進んでいけば、今後の心理療法の世界は明るいと思います。 -
※教科書指定の授業あり
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/769488 -
[出典]
「心理的安全性のつくりかた」 石井遼介 -
行動療法の基本的な考えから第3世代の認知行動療法の考え方まで、幅広く具体的に書かれていて面白い本だと思います。
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三葛館 一般 [146.8 || MI]
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内容濃すぎて一度じゃ理解しきれなかったけど、行動療法の歴史的な流れとか、人間味溢れる療法なんだということはよく分かった。行動療法もありだなーと思えた。