精神分析の歩き方

著者 :
  • 金剛出版
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本棚登録 : 154
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772418294

作品紹介・あらすじ

「つくづく、いままでになかったタイプの本。この国で精神分析への道を歩いている人が、歩こうとしている人に向けて書いた愛と連帯の書。これが最初の本だということに山崎さんの人柄を感じます」(藤山直樹)
「本当は根源的批判の書だ。自由を得るか、苛立つか。それがあなたの立っている場所を教えてくれる」(東畑開人)

「難しそう」「敷居が高い」「めんどくさそう」――。とかく近づきがたい印象を与えがちな精神分析。その印象を払拭するため、「観光客」に向けて懇切丁寧に書かれた精神分析ワールドツアーガイド。
日本精神分析の100年にわたる歴史の中で、かつてこれほどにやさしく、そしてこれほどに危険な精神分析の書があっただろうか? 精神分析をこれから学ぶ「観光客」に向けて懇切丁寧に書かれたガイドブックでありながら、精神分析を相対化するような痛烈な批判が織り込まれている。
さらには現代メンタルヘルスの大きな潮流である当事者概念・エビデンス概念と渡り合いながら、新世代の精神分析的思考を展開。他ならぬ「いま」における精神分析の存在意義を問うた一冊。

感想・レビュー・書評

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  • これもよかった。
    前半は初学者というか、はじめてこういうのを読む自分にはとても難しくなんとか気合で読んだので、ひとまず飛ばして第9章モチベーション論から読むのもありかと。
    自分がケアする側として、実際にどうやって対話を進めるべきか、自分の答え方次第でどうにでもなっていってしまうなと思った時に、臨床心理士の方が実際どうやってカウンセリングを進めているのかを垣間見れる一つの貴重な例を具体的に書いてくれている。

    終盤の、「他者への信頼」のところはこの本の真骨頂というかものすごく良かった。
    これが大変でしんどかったのかと。
    精神分析とカルトについても、真正面から考察していてとても面白かったです。
    題名はなかなか敷居が高そうですが、ぜひ読んでみてほしいです。

  • まさにガイドブックでした。

    私は精神分析、まったく習ったことはなく、
    精神分析というものがあるということぐらいしか知りません。

    実際に精神分析をこれからやっていこう
    という人に向けて主に書いてあるので、

    自分にはピンとこないところもありましたが、
    第二部、心理臨床学の歴史は、心理学を学ぶものとして興味深かったですし、

    第三部は、「専門家」として参考になりました。
    第9章は、調査面接でもかなり参考にできる内容だと思います。

    第四部は、コミュニティ論としても読め、
    これからコミュニティを作っていきたい立場として、共感と学びがたくさんありました。

    これは文庫化してもらえると、多くの人が手に取れて、
    とても良いなと思います。

  • 思ったほど「精神分析」独特の濃さはなく,
    読者の興味本位ーいわゆる観光ーを大事にしている印象。

    けれど,当たり障りがない,臨床感(現場感)がない,ということは全くない。
    むしろ,(精神分析を志すかどうかに関わらず)心理職を目指す初学者が触れておくべき視点が満載。

    また,現代社会における精神分析の居場所のなさについても,真っ向から述べられていて...なんというか...なかなか出会えない貴重さを感じた(大学の講義でたまに聴く教授の本音のような)。

  • 62 IPA 週3〜4精神分析 それ以外精神分析的心理療法
    68
    101 ヒステリー
    122 当事者研究
    174 心理士=テスター
    199
    295
    305 オープンダイアローグは他者への不信をそのままにしてる 個人療法

  • 146.1

  • 力動的なオリエンテーションにいる人もそうでない人も、公認心理師もしくは臨床心理士を志している人には一読してほしい本だった。特に修士の学生あたりに。

  • 精神分析をやっている人にも、これから始めようと思う人にも、途中で挫折した人にも、面白く読める本。初学者の時に、このような本に出合いたかった。学習初めの人が疑問に思う点にも、痒い所に手が届く。内に対する批判もありながら、外に対して開こうとする、若手分析家の意欲作と思う。

  • 初学者のための精神分析ガイド:
    私はどんなふうに精神分析を学んできたか
    日本精神分析史―分析的と力動的
    日本精神分析マップ―コミュニティを横断する
    精神分析観光は遺跡巡りか?―心理臨床における精神分析の位置:
    日本心理臨床史―「闘争の時代」を超えて
    心理臨床学外史―反論と応答
    現地に赴く前に:
    「独り善がり」の治療者―環境とクライエントのニードを捉える
    2つのアセスメント―精神分析中心か? クライエント中心か?
    「ふつうの面接」を考える―援助法の四象限
    モチベーション論―面接の実際問題
    それでも、考えるべきこと―パターナリズム再考
    精神分析水先案内:
    いま、精神分析が存在する意義
    カルトを超えて

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