サステナブル・フード革命: 食の未来を変えるイノベーション

  • インターシフト (合同出版)
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784772695749

作品紹介・あらすじ

● 食から世界を変える「サステナブル・フード革命」へ ●

気候変動や人口増により、地球規模の食の危機が始まっている。
こうした危機をいかに超え、持続可能な未来をひらくか?

環境ジャーナリストである著者は、
食と農業の未来を変える世界各地のイノベーターたちを取材。
その活動とビジョンを通して、新たな指針を提唱する。

それは最先端テクノロジーと環境エコロジーをともに活かす「第3の方法」だ。

たんなるフードテック礼賛でもなく、
エコやオーガニックの主張でもない、それらを統合した道こそが
「持続可能で公平な食農システム」をもたらす。

マクロ=パーマカルチャー、古代植物を復活させる研究、
水不足を解消する先端テクノロジー、アフリカを救うGM種子、
中国で台頭する精密農業、アメリカ陸軍が開発する未来食
・・・

今日の食農システムは危機管理力・回復力が求められる一方で、
気候変動・環境劣化をもたらしている大きな要因でもある。

こうした動向への著者の真摯な問いかけと不安は、
取材の旅の終わりに希望へと転じていく。

食を変えれば世界を変えられるーーサステナブル・フード革命とともに!

★年間ベストブックW受賞!!
ノーチラス・ブックアワード、レイチェル・カーソン環境書籍賞 
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::著者:: アマンダ・リトル
ヴァンダービルト大学の「ジャーナリズムとサイエンス・ライティング」教授。
ジャーナリストとして、環境・食・イノベーションに関する記事を、多数メディアに寄稿。
環境ジャーナリズムの分野で優れた業績をあげた人物に贈られるジェーン・バグリー・リーマン賞を受賞。

::訳者:: 加藤万里子
翻訳家。訳書は、デイビッド・サックス『アナログの逆襲:「ポストデジタル経済」へ、ビジネスや発想はこう変わる』、
アニー・ジェイコブセン『ペンタゴンの頭脳:世界を動かす軍事科学機関DARPA』など。
 
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::目次::

はじめに・・食の危機をイノベーションで超える
第1章・・持続可能な「第3の方法」とは?
第2章・・気候変動と闘うリンゴ農家
第3章・・アフリカを救う遺伝子組み換え種子
第4章・・AIロボットで持続可能な農業へ
第5章・・中国で台頭する精密農業
第6章・・垂直農場が育むデジタル・テロワール
第7章・・サケ養殖で世界に持続可能なタンパク質を
第8章・・健康にも環境にもいい培養肉
第9章・・食品廃棄物ゼロをどう実現するか
第10章・・水危機を解決する先端テクノロジー
第11章・・危機管理力と回復力を鍛える
第12章・・古代植物の復活
第13章・・3Dプリンターが生む未来食
おわりに・・世界全体が、ひとつの庭

感想・レビュー・書評

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  • Amanda Little
    https://www.amandalittle.com

    サステナブル・フード革命 アマンダ・リトル(著/文) - インターシフト | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784772695749

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      サステナブル・フード革命 食の未来を変えるイノベーション
      http://www.intershift.jp/w_sus.html
      サステナブル・フード革命 食の未来を変えるイノベーション
      http://www.intershift.jp/w_sus.html
      2021/12/10
  • 食の未来(近未来)を展望する内容
    地球上の人口は、まだまだ増え続ける。人は食べなければならない。
    地球の環境負荷はますます高まりヒトを取り巻く環境は想像外に悪化することも予想される。
    如何にして十分な食物を確保するのか。安全で安心な食を今後も人類は手にすることができるのか。それらへの解を持たしてくれる可能性をさまざま紹介してくれる内容。
    カギはテクノロジーの活用。
    人類の歴史になかった新しい切り口の発想をもちこの人類への難問に対応してゆく可能性をしめしてくれる内容。

  • 温室効果ガスの5分の1は食糧生産から発生する。
     アメリカの農業従事者 200万人 1910年の600万人の 1/3
      平均年齢57歳 農場保有者は国民の1%、国土の40%

    GM=遺伝子組み換え 種子
     ケニアなどアフリカでは輸入と商業栽培がほぼ禁止されている(綿が7か国のみ)
     古代のトウモロコシは今のものとは、5つか6つの遺伝子に変異(非GM) 
     アメリカ国内の70%の加工食品には一つ以上のGM成分が含まれる
     20年にわたり人体や環境に害を及ぼした例はない
     Btトウモロコシ 葉を蛾の幼虫が食べると死ぬ
      有毒で高価な農薬や手作業より安く、40%収穫が増える

    トニーズファーム 中国 2005年創業 効果を急ぐ投資家の圧力で2018年に撤退
     水分、温湿度、酸性度、光を土壌センサで集め 遠隔して水や有機農薬追加
      中国の農地の20%に化学物質や重金属が混入 肥料や殺虫剤は世界平均の2倍
      化学物質で汚染物質を分解し抗菌剤も使用(従来:植物で吸い取らせ抜く)
     
    気耕栽培レタス エアロファームズ社 米国
     収穫高11倍、面積あたり畑の390倍、水が10%未満で済む
     味や見栄えの調整 農薬からの開放 土地を森に戻す 
      必要エネルギー82倍=第二の二酸化炭素排出  グリーン電力対応へ
     すべてが商品になり傷みやすい葉物野菜が適する 

    サケ養殖 モウイ社 ノルウェイ
     海面養殖 世界の4分の1を生産  地球の70%は海、食糧には2%↔
     寄生虫サケジラミ増加 餌の野性魚 排泄物、生簀からの脱走で遺伝学的汚染
     レーザー光でサケジラミを殺す(↔古代中国からの海藻や掃除魚との統合型養殖)
     小魚から植物由来の餌に変え費用削減
     サケ1ポンドに1ポンドのエサ 鶏は2倍、豚3倍、牛7倍 牛肉に環境規制は無い

    培養肉 アップサイドフード社 米国
     畜産による温室効果ガス15%、輸送機関の排出量合計より多い
     牛の体重の半分しか食べられない
     培養肉は温室効果ガスを4分の3以上、水も90%減らす、細菌感染リスク低減
     細胞から培養する 1ポンド数千ドル 牛が食料になる2年半が2~6週間に短縮
     微生物由来のタンパク質から合成牛乳、合成卵を作るベンチャーも
    血の滴る培養肉 インポッシブルフーズ 米国
     大豆の根粒から肉汁の血液のヘモグロビンを構成する「ヘム」酵母を合成

    農業は世界の淡水の70%を消費
     米国 真水の21%、肥料19%、耕作地18%が廃棄食品で浪費
     土壌肥料に帰るのは5% 廃棄食品の1/3で貧困層4000万人の食事を賄える

     世界の水道設備で給水量の1/3が水漏れ
     イスラエル 排水の85%をリサイクル 段階的な水道料金と用途別の水質
     SCADAシステム「テレメトリ」 水圧、水質をセンサーで取得 漏れ10%に
     海水を精製するより精密濾過のほうが安価 

    熱帯乾燥地 地球人口の1/3 20億人
    ジャンクフード効果
     C02増加で炭水化物蓄増加、タンパク質ミネラル減少 
     気候耐性があり栄養価の高い古代植物への期待 モリンガ 緑豆 キアヌ
     昆虫 牛の1/1000の水、温室効果ガス1%、タンパク質が豊富 脂肪1/3

    フィットビット式センサーで人体管理 栄養価のカスタマイズ
    マイクロ波真空乾燥  食感と水分を残して元の1/3のサイズになる
    ソイレント 完全食 1本で1日の栄養量の20%  愛情の無い食べ物

  • 『ビジョンとともに働くということ』(山口周 中川淳)を読んでて「サスティナブル」という言葉が何回か出てきた時、

    「SDGsっていろんなところで聞くけど…サスティナブルの意味あんまりわかってないんだよなぁー」と思って手に取った『サステナブル・フード革命』(アマンダ・リトル)。

    「よくわかんないんだよなぁ」と思うのもそのはずで、

    すでに整った環境の中で「値段、高くなっちゃったなー」っていう事以外問題なく過ごしてたらそりゃわからんわなって、この本読んでて思ったなぁ。

    「食料が確保できない」っていう事がないもの。

    スーパー行ったら食べ物並んでるし。

    すごい幸せな事ではあるけれど、【問題→解決→持続】という流れをわかっていなければ意識する事は難しそう。

    私の場合、さらに「目の前に並んでる食料の背景はヤバいことになってるかもしれないけど、全くわかっていない」ということかも知れませんが…。

    戦争下の食糧難経験のあるおじいちゃん&おばあちゃん達が語る食の有り難みと私のとでは深みが違う事が浮かんでしまった。

    今回の本では世界の旱魃・洪水・侵入種(生物多様性を脅かす可能性のある侵略的外来種)・天候の不安定化・人工増加による困難な食料確保など、

    問題とその対策の種類は多くあり、非常に興味深かったです(特に遺伝子組み換え作物の話と培養肉の話)。
     

    この本を読み通して「サスティナブル」がどんな事を言ってるのか、まだ何となくレベルではあるけどわかりました。

    ただ、

    私が触れたのは食とそれに纏わる話。

    これ以外にもお話はいっぱいありそうですが、まだまだわかっておりません。

    読む必要がある事は山のようにありそうです。

    今回の本で読むのに1週間半かかってしまった。

    無知っておそろしい………。

  • 税金関係の難しい本を読み終えたばかりだったで非常に読みやすくかつ面白く読めた。

    現在の職能システムが抱える構造的問題や技術的問題などを多角的な視点から考察していく。

    アグリテック/フードテックや伝統的農業方法のどちらにも過度に肩入れすることなくあくまで中立的な視点に立って、それぞれの良い点と悪い点を実体験をもとに記載されていてなかなかに興味深い。

    結局『魔術師と予言者』でも語られていたが、ハイテクも伝統も両方をバランスよく取り入れていくことが最善の方法なのではないかと思いました(小並感)

  • 2023年1-2月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00604030

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00561059

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000056087

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001207174

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著者プロフィール

ヴァンダービルト大学の「ジャーナリズムとサイエンス・ライティング」教授。
ジャーナリストとして、環境・食・イノベーションに関する記事を、多数メディアに寄稿。
本書でノーチラス・ブックアワード、レイチェル・カーソン環境書籍賞を受賞。
また、環境ジャーナリズムの分野で優れた業績をあげた人物に贈られるジェーン・バグリー・リーマン賞を受賞。

「2021年 『サステナブル・フード革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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