- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784773085969
作品紹介・あらすじ
義父の訃報を知り故郷を訪れた圭は、十四年ぶりに弟・亮と再会した。昔のように兄さんと呼んでくれたことで、圭の胸の罪悪感は再会の喜びへと変わった。だが葬儀の夜、亮が取り出した義父の遺品によって、ひた隠しにしていた忌まわしい記憶を曝かれてしまう。「-は良くて、僕はだめなの?」亮はそう言って、遺影の前で圭を凌辱した。越えてはいけない一線を越え、弟に淫らに喘がされる自分。亮の瞳の奥底に狂気のような執着を見た圭は、耐えきれず逃げ出すが…。
感想・レビュー・書評
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弟×兄 ヤンデレ攻 年下攻
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兄弟の禁忌もの。好物なのですが、それだけに見る目が厳しくなっているかもしれません。
これが私的にファースト兄弟ものだったら、迷うことなく絶賛したのですが、なんか入れ込むことができなかったのです。というのは設定とか行き着く先があまりにも類型的でまとまり過ぎなんです。「禁断兄弟」というサブタイトルからして、お手本とかサンプルとかみたいなかんじで、あまりにもテンプレ。もう、ぴったり想像通りのストーリーでした。
父親の死をきっかけに、14年ぶりに再会した兄弟。27歳の兄は都会で司書の仕事に就き、7歳年下の弟は故郷で父親と同じく新進日本画家としての道を歩み始めようとしています。
そして、父親の葬式が終わるや否や、いきなり兄は弟に押し倒されてしまうという急展開。あれよあれよという間に、そういうシーンに突入です。弟の兄に対する執着には、読み進むうちに納得するのですが、流され侍のお兄ちゃんには最後まで共感できなかったのが残念。設定も平凡。亡き父親直筆の秘蔵絵とか、兄を所有したという証のピアスとか、よくあるアイテムが登場しています。
過去に兄は父親とも禁忌の関係にあったというのもありきたりなので、もう一ひねりドロドロしたものとかあってもよかったくらいです。
しかしながら、こういう血縁ものは嫌いじゃないので、ありきたりと思いつつも、そこそこ嬉しく思いながら読破させていただきました。それに、藤森センセはHシーンがとても上手な作家さんです。なのでもっといっぱいディープな兄弟の濡れ場が欲しかったですね。HシーンはSMみたいな鬼畜じゃなくて、互いに兄弟らしく愛がありました。辛抱たまらんみたいな。まあ、ヤワなんだけどそこがいいところなのかも。小冊子の後日談にその傾向が顕著です。
いろいろある兄弟ものの中では、その中のひとつ的な、かなり印象が薄い作品かも。