娘と話す 数学ってなに?

  • 現代企画室
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784773811025

作品紹介・あらすじ

きみにとって、数学ってどんなもの?

父の問に娘は応える。

「数学って、普通の生活のなかで、何の役に立つの?」



多くの人は、生活と関係のない楽しさを、偉大な小説やアートに見いだすだろう。しかしスーガクもその仲間である。でもそれを仲間にいれておけるのは、小さいころのちょっとした「会話」が大事なのかもしれない。——本書解説(池上高志)より

感想・レビュー・書評

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  • 誤字脱字、編集がちょっと奇抜すぎて読みづらい。
    内容的には、数学の楽しさを知ってもらうために努力しているのがわかるが、突き進みすぎてついていけない感もある。
    数学に明るくない自分にとって優しいとは言えなかった。

  • 『娘と話す 原発ってなに?』を借りたときに、ちょうど「数学の本でおすすめがあれば」と聞かれていて、ふと巻末をみると、このシリーズに『娘と話す 数学ってなに?』があるのを見つけて、どんなんやろと借りてみる。

    フランス語からの訳で、ビミョ~にわかりにくいところもあったものの、ああそう言われれば納得と思えるところがいっぱいあって、すごくおもしろかった。最初に「何の話をしているのか」から始まって、「数」「幾何」「代数」「点と線」「問題」「論証」と続く。

    「なんでこんな操作を数学ではするのか?」とか「数学が何の役に立つのかわからない!」とかいう娘の問いに対する答えかたが、うまいな~と思った。

    三角形の各辺の垂直二等分線が交わる点は、その三角形の外接円の中心になるという説明のところや、代数と幾何の関係について話してるところもいかしていた。なるほど~~と思い、手許でちょっと図を書いてみたりしながら読んだ。

    ▼──数学では,断言するにはかならず証拠を挙げなきゃならないの?
    「この話もローラの気に入りそうだな.〈何を言いたいかわかるでしょ〉とか,〈わかりきってるよ〉とか,〈わたしを信じてくれ〉というのはだめなんだ.わかりきっているように見えることが間違いだということもある.間違いのように見えることが正しいとわかることもある.数学で真ならば,普通の生活でも真なんだ.」
     ──数学では,信頼を重く見ていないのね.
    「実際、無条件に信頼することはない.どんな断言も,証明がついていなければ受け入れられない.でも,いったん受け入れられれば,それを絶対的に信頼する.その人を信頼するからじゃなく,その人たちが証明したことを完全に信頼するんだ.」
     ──その厳しいところが,軍隊みたいだって思っちゃうんだな.
    「ははあー.でも,よく考えたらその反対だということがわかると思うよ.数学では,断言が正しいのは〈わたしが言うから〉,隊長とか王様とか司祭とか先生とかが言うからではなく,いちばん強い人が言うからでもない.それが正しいのは,証拠が提出され,その正しさを自分で確かめられるからなんだ.」(pp.131-132)

    数学が、ちょっとまたキラっとしてみえた。

    (7/20了)

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著者プロフィール

1940年、アルジェリア生まれ。作家、数学者。パリ第8大学の教授を務め、コメディー俳優、脚本家としても知られている。2010年逝去。邦訳されているものに『数の歴史』(創元社、1998年)『フェルマーの鸚鵡はしゃべらない』(角川書店、2003年)、『ゼロの迷宮』(角川グループパブリッシング、2008年)などがある。

「2011年 『娘と話す 数学ってなに?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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