江戸の天文学者 星空を翔ける ~‐幕府天文方、渋川春海から伊能忠敬まで‐ (知りたい!サイエンス 32)
- 技術評論社 (2008年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784774135151
感想・レビュー・書評
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冲方丁『天地明察』の文庫本を先日、買い込んだ。
これから読もうとわくわくしているのだが・・・
その前に、江戸の暦学、天文学について、多少なりとも知っておいた方が、と思い立って、この本を読んでみた。
渋川春海、徳川吉宗、麻田剛立、伊能忠敬、高橋至時といった人々がとりあげられている。
伊能忠敬=実測地図を作った人、程度の認識しかなかったので、子午線の経度1度の距離を測った忠敬の功績が、天文学の上でも重要だったと知って、びっくりしている。
それくらい、自分には知識がなかった。
そういう意味で、本書は、図版からどのような考え方だったのかが分かり、大変ありがたかった。
本を読む楽しみは、今読んでいる本と、これまで読んだ本の、接点が図らずも見つかったりすることだと個人的には思う。
この本も、つい先ごろまで読んでいた『坂の上の雲』と、意外なところで・・・いや考えようによっては必然的なところで、つながっていた。
船が自らの位置(緯度)を知るための装置に、オクタントやセキスタントというものがあったそうだ。
太陽と水平線の方向が作り出す角度を測定し、緯度を割り出すという。
オクタントの欠点である視差を、逆手にとって日本で生まれた技術があるらしい。
それは、現在のレンジファインダーの元祖とされる、「写角簡儀」。
もちろん江戸で考え出されたのは原理であり、実用化されたかは筆者も疑問視しているが・・・
これが初めて実用化されたのが、日露戦争の日本海海戦における、三笠船上でのことだったというのだ。
司馬の本のほうには、ふれられていない話ではあったため、びっくりした。詳細をみるコメント0件をすべて表示