人工知能を超える人間の強みとは

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774187952

作品紹介・あらすじ

人工知能が単純作業から高度な知的作業までこなせるようになり、これまでの人間の価値が見直しを迫られている。かといって、人間が直面するあらゆる繊細な問題を解決するうえで、人工知能が常に正しい判断と意思決定ができるとはかぎらない。正視眼で人工知能の可能性を見極めるにはどうすればいいか?人間の可能性を引き出すためには、何をすべきか?

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/680484

  • 直観と洞察力を高めたいって思ってきた

  • 人工知能の発展をどこまで信じるか?シンギュラリティは起こるのか?
    直観とは?
    ということを海外の偉い学者さんはこう言っていると紹介。
    直観も大事だよね。
    でも直観と人工知能、どちらも違ったものだからそれぞれのメリットデメリットを理解して活用するのがいいよ。

    人:人工知能
    総合的思考:分析的思考
    大局観。考えても意味のないことを絞り込み本当に重要なものだけを自然に抽出する。
    芸術や倫理は分析してどこまでわかるのか?

    人工知能が直観をすべて代替することはないであろう。
    補助ツールとして共生していく。

    人間だからできること

    ①現場で判断と意思決定をする
    ②体験や経験から独自の感覚や教訓を得る
    ③社会的及び文化的な意味づけを理解する
    ④直接的な対人関係を構築する
    ⑤責任の所在を示す
    ⑦目標と手段を柔軟に修正する
    ⑧集団組織をマネジメントする



    色々な研究事例を上げてくれていて、知ってる話も多いが初めて見る人にはいいだろう。

    人工知能については詳細の活用事例などポジティブな話はなく、直観について多く説明されている。
    直観に興味がある方はいいかもしれない。

  • 今を読み解くAI時代の人間の働き方 直観養い誇りある決断を
    東京大学教授 玄田有史

    2018/1/13付日本経済新聞 朝刊

     年末から正月にかけ、最近出版されたAI(人工知能)に関する本を読み、これからの時代の働き方について考えた。初公開から今年でちょうど50年になるスタンリー・キューブリック監督の名画『2001年宇宙の旅』などを思い浮かべつつ、多くを楽しんだ。
    言説に過度に振り回されず、侮りもしない両にらみの構えが必要だ イラスト・よしおか じゅんいち

    言説に過度に振り回されず、侮りもしない両にらみの構えが必要だ
    イラスト・よしおか じゅんいち

     主張は、生活水準が着実に向上するという楽観的見通しもあれば、人間の価値が下がるという悲観的な予想まで様々だ。悲観論には、相当の仕事が消滅するというものから人類そのものが消滅する可能性を否定しないものまである。
     論者により人工知能がもたらす未来の姿は異なるが、共通するのは、専用AIから汎用AIへの移行がカギなこと以外、2つくらいはありそうだ。1つは、何がしかの大きな変化が近いうちに起こるということ。もう1つは、さらに大きい衝撃がいつどのくらいのインパクトで生じるかは、まだ誰にもわからないということだ。
     とすれば今の時点で必要なのは、人工知能にまつわる言説について、過度に振り回されず、かといって過度に侮りもしない両にらみの構えかもしれない。それが人工知能とつき合うための「AIコミュニケーション」なのだろう。

    ●仕事が消える
     遠い先は不透明だが、近く確実視されていることもある。
     鈴木貴博著『仕事消滅』(講談社+α新書・2017年)は、25年ごろには長距離トラックの運転手とタクシー運転手の仕事はなくなると断言する。仕事喪失者は123万人。引き金は人工知能を搭載した自動運転車の普及だ。
     人口減少の高齢社会では、運転からの解放は避けられないどころか、一つの望ましい方向でもある。一方で、職業運転者には稼いで生活しなければという現実がある。この難題をいかに軟着陸させるのか。それが、AIが社会に広がるスピードを左右する最初の試金石になる。
     人工知能の可能性を自身の経験と照らし合わせて語っているのが、羽生善治・NHKスペシャル取材班著『人工知能の核心』(NHK出版新書・17年)だ。
     羽生氏は、今の人工知能は人間と違って「恐怖心がない」という。さらに人間は何らかの美意識に従いつつ行動や選択をすることも多い。AIが示す理由なき判断を、人間が「なぜ」と問い続ける。その過程を通じ、恐怖心や美意識など、未解明な人間の本質に迫れることを著者は期待する。
     本質の追究は永世七冠に限らない。人工知能と向き合うことは、働く一人ひとりにとって仕事の誇り(プライド)とは何かを考えるきっかけになる。AIが右といっても、誇りにかけて左に進む苦渋の決断が、多くの仕事できっとある。
     関連するのが奈良潤著『人工知能を超える人間の強みとは』(技術評論社・17年)だ。圧倒的な記憶力、計算力、分析力が強みのAI。それに対し、人間が誇れるのは学習や鍛錬に裏打ちされた直観だ。


    ●創造力と正確性
     人間である以上、直観は誤ることもある。だがデータ化されていない困難な状況を克服する洞察力の源泉は、人間の直観以外ない。
     大事なのは人間と人工知能の優劣を競うことではない。人間の創造力と人工知能の正確性を組み合わせながら未来を切り拓(ひら)くことなのだ。
     これらを読み、思い出した言葉があった。「3つのカン」
     小田原で親子3代80年以上にわたり寄宿生活塾を営む「はじめ塾」で大切にされてきた言葉だ。
     五感を存分に発揮し、経験から勘どころを体得、その上で先を見通すための観を養う。すると子どもたちは、自然とのびのび育っていく。
     感、勘、観の3つのカン。それは、生きることに困難を抱えるニートなどの若者について、2000年代初めに考えていたとき、出合った言葉だ。
     人工知能との共存が始まる時代。これらのカンは若者に限らず、誰もが一生を通じて磨いていくべきものなのだろう。

  • 汎用人工知能(強い人工知能)が実現することはありえない、というスタンスの著者が、それでも(弱い人工知能)が今後社会にますます進出してくることの影響と問題点、その対応策について提言した本。端的に説明すれば、タイトルの問題提起の答は「直観」。著者の専門分野なので、その直観を磨くためのたくにっくを消化してくれているのだが、それぞれのメソッドが抽象的過ぎてあまり理解できない。具体例を載せて欲しかった。また、「大変そう」というイメージがあるのもイマイチ。入門書にはなりにくい。

  • 人工知能を超える人間の強みとは 奈良潤 技術評論社

    AI万能が世界を圧感している時代に

    少数派の意見を取り上げている稀有な本であり
貴重な本でもある

    未知への不安が消極性をもたらせば
    力を持ち注ぎたAIが暴走したり反逆する可能性に怯える
    そこにはAIが心や意識という形而上の力を獲得し
自己増殖しだすということへの恐れがある
    そして意識も脳による物質的な力を根拠としているという
唯物論的固定観念がある

    一方で生命という存在が物質界と相対を成す
集合意識の環境があるだろうことを前提とすれば
    AIがけして個意識を膨らませて所有欲を持つことなど
無いということに至るはずだから
愛とか情念に行動を左右されることもないだろう

    この本では学者たちによるこうした問題を歴史から紐解き
今に至り未来を模索する賛否両論をカーネマンとクラインを中心に公開し
著者の思いを最後に披露している

    直感は学習や訓練を必要とせずに閃くものだとするなど
    どちらかと言うと自然発生的であるのに対して
    直観は自分の経験に基づいて判断と意思決定をするための方法であり
    認知パターンに当てはまることで状況の成り行きを判断し
    とるべき行動プランを決断する能力のことだと
    現場主義意思決定理論を構築し「洞察力があらゆる問題を解決する」の
    著者ゲイリークラインは定義していると言う

    認知科学者でありながら経済学でノーベル賞を取ったハーバート・サイモンは
    状況が手がかりを与え
    専門家は記憶に蓄積された情報を呼び出す
    その情報が答えを与えてくれ
    直観を認識以上でもなければいかでもないと言う

    人間は忘れるために記憶する
    AIは忘れることなく記憶を積み重ねる
    この忘却が抽象的思考と関係しているという

    社会的義務と責任は人間がとる代わりの支配権を得るということなのか?
    義務はAIにゆだねるが最終的には人間が管理する義務を担うのだろうか?
リーダーは方針を示して具体的な現場を個々の担当者に任せながらも
    最終的な管理の義務を追うべきなのか?
    行動経済学でノーベル賞ををとったカーネマンの「ファースト&スロー」は
    ベストセラーになった

  • 人間の能力の強み=「直観」に起因する。

  • 請求記号 141.2/N 51

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