図書館情調 (シリーズ紙礫9)

制作 : 日比嘉高 
  • 皓星社
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本棚登録 : 66
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774406350

作品紹介・あらすじ

人と書物をめぐる、これまで編まれたことのない図書館文学アンソロジー! 図書館は、ただ本が収められている場所ではない。物語が始まる場所。それが図書館だ。上野の帝国図書館、旧植民地の図書館、現代の図書館……。あらゆる「図書館文学」を集めた図書館好きと本好き必読の短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館をテーマにした古今のアンソロジー。
    第1部 図書館を使う  は、戦前~戦後の上野図書館(現子ども図書館)や日比谷図書館(現区立)なが出てきて日本の図書館の歴史の一部をのぞかせてくれる。
    第3部 図書館幻想  は、SFのような不思議なストーリーが面白かった。

  • 登録番号:0142271、請求記号:913.68/H54

  • 何の妖しさもない近くの図書館。でも、この本を読み終わったとき、特に最後に収載されている三崎亜記さんの作品は、図書館への印象を変えた。

  • 中島敦の「文字禍」をようやく読めてよかった。
    あと、三崎亜記の「図書館」も嫌いじゃない。

  • 図書館を描いた小説を、時代、作風などによって独自にチョイスした本。最後に「解説」として図書館の背景が述べられていて興味深い。

    図書館に関わるものとしては、恥ずかしながら初めてお目にかかる作家もいて、こうした初対面がうれしかった。解説で紹介されている本の中には、最近刊行されたライトノベルなど、読んだことのある本も多数あって、出会いと再会のバランスが心地よい。

    収録されていた小説の中では、やはり最後の「図書館」が衝撃的。本が回遊する光景など想像したこともなかった。私も本に愛着のある方だと思うが、本に息を吹き込む発想はない。しかも時代も場所も判然とせず、人物背景もはっきりしない。あいまいさを残しながらも本に対する真摯な気持ちははっきりとしていて、不思議世界をさまよった気分だった。

    今度図書館へ行ったら見方がちょっと変わるかも。

  • 図書館をテーマにしたアンソロジー。
    戦前と戦後すぐの上野の図書館(宮本百合子「図書館」)、ハルピン図書館(竹内正一「世界地図を借る男」)、出納手の様子(新田潤「少年達」)など、小説の背景に書き込まれた現実の図書館の様子が面白い。
    一方、基本的にファンタジーである「図書館」(三崎亜記)に書き込まれた図書館運営にまつわる事情の生々しさ。

  • 図書館をテーマにした小説の作品集。とはいえ図書館史の要素もあり、昔の図書館の使われ方が見えてきて面白い。作品は「使う」「働く」「幻想」の三つのキーワードで分類されている。個人的には「使う」が面白かった。解説の註や参考文献は充実している。

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著者プロフィール

名古屋大学大学院人文学研究科教授
著書に『プライヴァシーの誕生 モデル小説のトラブル史』(新曜社、2020)、『文学の歴史をどう書き直すのか 二〇世紀日本の小説・空間・メディア』(笠間書院、2016)、『ジャパニーズ・アメリカ 移民文学、出版文化、収容所』(新曜社、2014)などがある。

「2023年 『なんで日本研究するの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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