銀の王は黒豹に愛を捧げる (プリズム文庫)

著者 :
  • オークラ出版
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784775527931

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  • 獣人の国の王×王が拾った養い子

    王サディアスが11歳の時に目の前で父王が叔父に殺された。すかさず敵討ちを果たしたが、幼くして王位を継ぐ事になった。父を亡くし叔父を殺したサディアスはその時からずっと心が凍りついたままだった。この国は神から初代の王が賜った国であり、神から託された王族は国から出る事もできず、その心模様が天候に現れてしまう。ずっと雪が降り続け、国の終焉を予感していたある日、サディアスは血を流した豹の赤ちゃんを拾う。城に連れ帰り獣医師を呼んで怪我の手当をして夜は添い寝。自分の孤独を慰める存在に、いつしか雪は止み穏やかな気候になった。

    虎ちゃんと黒豹ちゃんです。
    ぶっちゃけ、結果的に光源氏計画ですね。
    受けはひどい目に遭いませんが、賢い子だったのでさまざまなことを考えます。周りに愛され続けすくすく育つのですが、発情期のあと子供ができる体質だと知り攻めがビビります。
    攻め以外、読者も含め周囲は
    『えっ?おいお前、ダダ漏れのくせに直前でこれかよ!答えは分かりきってるだろうが!(意訳)』
    と呆れるばかり…
    某先生ならこのあと受けは隣国に行って捕まり、性奴隷にでも成り下がるところですよ!
    しかし彼の生い立ちを考えると、臆病にならざるをえないのかもしれません。
    比較的穏やかなお話で悪人があまり出てきません。それでもしばしば涙がでるような切ないエピソードがあり、占い師の家系という設定も存分に生かされていました。孤独な王の救済の物語ですね。面白かったです。

  • 出会ってから、瑠伽のことを大切に大切にしてきたサディアス。大切すぎて失いたくなくて、自分や瑠伽の本当の気持ちが見えなくなったり、すれ違ってしまったりするのは悲しい。2人が別々にいるところなんて想像できないくらいだけど、「ちゃんと」幸せと自信を持って言えるようになるといいな。と思いながら読んでいた。大切な人を前に臆病になるサディアスと、強くなる瑠伽。お互いを補い合う素敵な2人になりそう。

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