企業に何十億ドルものバリュエーションが付く理由 ──企業価値評価における定性分析と定量分析 (ウィザードブックシリーズ)

  • パンローリング株式会社
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784775972359

感想・レビュー・書評

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  • おもしろい。
    序盤のストーリーとDCFモデルの話は改めて理解した。
    マルチプル法についての章はもっと多くの人が理解したほうがいい。マルチプルの仕組みを知ることでいかにバリュエーションがイマジナリーなものか改めて理解できた。恣意的なそれらしい数字を使い、論理的に見えるように仕立て上げ、化粧をして金をとる。
    価値と価格は別物、価格は価値に収束すると考えられる。
    価値などなくてももうすでにマーケットでとれるマルチプルに見合っていればそれでいい。マルチプルとして参考にする企業も、マーケットリーダーやコングロマリットなところのものではストーリーがなければ意味がない。ディスカウントをいくら効かせるかも恣意的に操作できる。


    —————
    投資家は価値に注目し、価格は価値に収束していくとの信念のもと投資をする。一方、トレーダーは価格に注目し、価格の方向性を正しく把握しているかどうかで判断する

    「価格」と「価値」は別物であり、それぞれ異なるプロセスによって決定され、また異なる方法によって算定される(8章)

    VCは価値には興味がない。VCのバリュエーションモデルは価格付けのモデルであり、その価格付けは図8.12で分かるとおり、手仕舞い時のマルチプルに依存している。

    投資家がある基準に注目するようになると、企業は自らのストーリーをその基準にそろえようとするだけでなく、自らのビジネスモデルを変えてまでその基準を達成することに集中するようになる。当該基準の値をより高いものにしようと会計や測定方法をゆがめてしまうと、大惨事となる可能性がある。


    アメリカの税法では、アメリカを拠点とする企業は、外国での収入に関してはそれをアメリカに回金した場合にのみ、アメリカの法人税率を適用した税額を支払うことを求められる。当然ながら、アメリカの企業は現金をアメリカに戻さない


    タイム・ホライズンがコントロールできないのに、本源的価値に基づいて株式のポジションを取ることは無謀


    ライフサイクルの早い段階ではストーリーが数字を左右し、後に数字がストーリーを左右していく

    投資で成功するために必要となる資質はライフサイクルに従って変化し、適用されるバリュエーションと価格付けの基準も、それに従って変わる


    CEOは企業が変化するにつれて、新たな要求に応えていくのが難しく感じるようになる。組織のトップにある者が身を引くことが難しいと考えている状態になると、血みどろの、そして勝者のいない争いの幕が切って落とされることになる。

  • 現代のマーケットにおける株価の構造がわかりやすく書かれた良本。グロース株をやる人間は絶対読んだ方がいいし、バリュー投資家にも参考になることは多いと思う。企業のおかれているステージによって、ストーリーと数字のどっちに重きが置かれているかも参考になる。

  • バリュエーションに明るくないからか、流し読みしたものの、イマイチピンとこなかった

  • 企業価値を算出するのは、数字遊びではダメで、
    数値を裏付けるストーリーが重要だととく。

    投資家へのインタビューでも、
    成長ストーリーがあるか、
    その根拠があり、
    適切に株主とコミュニケーションしているか、
    が、バリュー投資家が重視することだと、
    語っていた。

    どうやって、投資家が価値を計算しているのか、
    理解できた。

    コンサルの立場としては、
    企業にどういうストーリーを語らせるか、
    をしっかりと考えないといけない。

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