オフィスのゴミを拾わないといけない理由をあなたは部下にちゃんと説明できるか? 最強の組織を作るマネジメント術
- アスコム (2018年6月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784776209928
作品紹介・あらすじ
潰れかけの千葉ジェッツふなばしを「集客力リーグNo.1」「天皇杯2連覇」に導き、増収増益を続ける超・骨太組織へと変貌させた経営のプロが、マネジメントメソッドの全てを初めて明かす!
千葉ジェッツの圧倒的な成功の裏には、経営理念に基づく徹底的なPDCAがあった!
人を束ね、動かし、組織力を強化して成果を出し続けること。それは企業の経営者やマネジメント層にとって、もっとも基本的であり、もっとも難しいともいえる至上命題です。
どうすれば社員のモチベーションが高まるのか。
どうすれば社員が主体的に動くのか。
どうすれば本気で生産性を高められるのか。
どうすれば絶対に目標をクリアする強い組織になれるのか。
……わかっていてもなかなか解決できない課題に、多くの経営者が頭を悩ませています。
こうした課題をクリアし、「組織の力を高めて確実に成果を出す」ためのメソッドをまとめたのが本書です。
著者の島田慎二氏は、存続すら危ぶまれた千葉ジェッツふなばしの立て直しを託され、収益力・人気・実力ともにBリーグ屈指の球団へと見事に再生した経営者。その手腕は川淵三郎氏にも高く評価され、リーグから請われる形でBリーグの副理事長を務めた経歴も持ちます。
島田流マネジメントの根幹は、「経営理念」と「PDCA」です。
経営理念は掲げるだけでは意味がなく、事業戦略、中長期の目標、そして社員の行動一つひとつにまで明確に落とし込んでこそ機能します。
お客様に挨拶することも、電話をかけることも、オフィスのゴミを拾うことも、その先に目指す理念と紐付けることによって、組織の全員を同じベクトルに向かわせることができるのです。
「オフィスにゴミが落ちていたら拾いなさい」
その理由を経営理念に紐付けて説明できたとき、あなたの組織は最強のチームへと生まれ変わります。
<本書の主な内容>
・ 経営理念は会社の存在意義
・ 理念は抽象的で絶対に辿り着かないもの
・ 経営とは勝つ確率を上げること
・ 組織は桶。桶の大きさは経営者の器
・ 計画は悲観的に、実行は楽観的に
・ 「やりたい」より「やるべき」で判断せよ
・ 弱小組織ほど「キャラ化」せよ
・ あらゆる人の「首を縦に振らせる」
・ 説得は説明+納得
感想・レビュー・書評
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何も文句はない。
書かれているとおりです。
「経営者の覚悟」で決まる。
したがって、
私に言われても…
という感覚になってしまった。
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経営理念は全てのアンカー
ステークホルダーだけでなく組織内、何より自分自身への説明責任の道標(アンカー)として、経営理念を大切にしましょう。
■概要
経営理念をちゃんと決めて、それに基づいた行動や評価をしよう。至極当たり前のことが書かれているように見えるが、実際これができている企業は少ない。当たり前に聞こえるようだが、実は難しい経営理念の実践、そもそも経営理念とは何か?を著者の経験を基に解説する。
著者は現Bリーグチェアマンであり、千葉ジェッツ元社長で有名だが、ジェッツ社長就任前は自身で旅行代理店を経営していた✈️。その時の苦い経験やジェッツ立て直しの経験から経営理念をどう社員の行動に落とし込むかまでを具体的に解説。
・経営理念は抽象的で良い
だからこそ言語化が難しい。期限や定量化されたゴールは目標であって理念ではない。理念は不変的なもの。例えば「関わるすべての人にハッピーを」が理念だとすると、"関わる人"って誰?やハッピーとはどんな状態?定義は?とあえて考える(具体化する)余地が生まれる。だからこそ抽象的で良いのだ
・経営とは可視化である
伝わりやすいかたちで「 見える化」 できるかが重要 。「もしかしたらできるかも?」「この社長についていったらできるかも?」とスタッフに思わせられるかどうかが鍵。高頻度かつ具体的なフィードバックもそのために行う。
・共感を呼ぶストーリー、そこにも可視化が必要
■感想
島田さんと少しでも同じ目線で働くために必要な視点が分かる。行動目標を緻密にするのも一見マイクロマネジメントに見えるが、すべて理念とどう紐づくかを説明できれば煩わしくなく、納得感が生まれるのだろう。ステークホルダーが多く、「説明責任やアカウンタビリティー」が求められるスポーツ組織において、まずは自分自身や組織内に説明できること(納得感)が大切で、そのアンカーとなる⚓️ものが経営理念なのだと理解した。
さっと読めてしまうのでありがたい一方で、学びを心に留める工夫が必要でした。 -
【概略】
(組織において)「オフィスのゴミを拾うこと」「スマホを机の上に置かないこと」・・・「なぜ、そんなルールがあるのですか?」という問いに、そしてそのルールが説得力のあるルール足り得るには、その組織の理念、企業においては経営理念との密接なつながりが必要となる。本書では、経営理念と日々の業務、社員の姿勢、社長としての姿勢がどのような重要なつながりを持つのか?が語られている。
2020年08月16日 読了
【書評】
「ジャケ買い」ならぬ「タイトル買い」で手に取った一冊。ちょうど「経営理念と日々の業務って、どうやってつながりを感じていたらいいのだろう?」「経営理念が単なるお題目になっていたりしないか?」なんて思っていたところだったので、すごくタイムリーに響いた内容だった。
本書では、経営理念の作り方への深掘りよりも(もちろん、触れてはいるよ)、その経営理念が、どれだけ日々の業務とつながっているか?またよく耳にするPDCAにも経営理念が反映されているか?といったところに注力がなされている。より実践的な内容なんだよね。そういう意味では、経営者やプロジェクトリーダーと呼ばれる立場の方達が手に取って読むには凄く身近な距離感だと思う。具体的事例というよりも、フローというか、流れとその裏に存在するマインドの部分をわかりやすく書いてくれてる。
「経営理念」って言葉だと、「自分には関係ない」と思ってしまう方、多いかもだけど、実際、色々なところに応用というか、変換ができると思う。たとえばボランティア団体の運営であったり、たとえばプロジェクトチームを率いることだったり、たとえばスピーチだったり。コンセプトと内容に、一貫性があるか?という形に言い換えてみると、納得してもらえると思う。
・・・などと、なんか偉そうにわかった感じで書いているけど、手に取ったということは、「自分が足りてない」と自覚してるからな訳で(笑)このテの本は、読んで終わり、ではいけないのだよね。ちゃんと日々の行動に落とし込んでいかないとね。そこが最大の問題な訳だ(笑) -
理念や目的に基づいた経営の大切さを説いた本。初心者向けかなという印象。
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千葉ジェッツふなばし、島田社長の経営に関する考えやその実践が非常に良く分かる。
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部下にゴミを拾うことを言っていた自分としてはドキリとしたので購入。
インパクトのあるタイトルで売る、いわゆるタイトル詐欺の可能性が高いだろう、と思っていたが、そんなことはなく、タイトル以上に得るものの多い本だった。
著者はBリーグ千葉ジェッツふなばしの経営母体を再建し、Bリーグトップクラスのチームにまで引き上げた辣腕。その経営方針の根底には「経営理念」があることを説く。PDCAや人事評価、そして行動のひとつひとつに至るまでが、経営理念に基づくもの。それはタイトルにある「オフィスのゴミを拾う」ことから、喫煙禁止・デスクのスマホ禁止等、一見メンバーに反発されそうな方針までも納得させるものである。
経営理念やビジョンの重要性を説く本は多いが、この本の主張はなかなかにグッと刺さるものがあった。著者が元々は経営で大きな失敗をしたこと、今ではBリーグを牽引するような立場になっていることも説得力がある。
内容から、直接の対象は「中小企業の経営者」に向けたものと言えるだろうが、チームリーダー等、一定の方針をもってメンバーを主導する人には大いに参考になると思う。何より、バスケが好きだから、という動機だけで働いていた人々を、ビジネス上での成功に導き、「好き」だけで仕事をしていた時よりもいきいきと働けるようにしたという事実は、「好きなことで起業したい」と思っている思っている人にとって非常に参考になると思う。
むしろ、そういう起業家に向けたタイトルにすればいいのに…。 -
この題が意味するところを読むほどに納得。中小企業はワンマン社長の方がいいというのも納得です。ただし、正しいワンマンというのがいい。