どう生きるか つらかったときの話をしよう 自分らしく生きていくために必要な22のこと

著者 :
  • アスコム
3.96
  • (25)
  • (24)
  • (13)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 449
感想 : 42
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784776213147

作品紹介・あらすじ

「コロンビア号事件」「仲間の死」「燃え尽き症候群」「自己否定する気持ち」「他人と比べてしまう心」自分のアイデンティティや価値に疑問を抱き、一人でもがき苦しんだ10年間の日々。宇宙飛行士野口聡一が苦しみを経てたどり着いた「真に悔いなき生き方」を語る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 40代にして、私に再び転職を考えるタイミングがやってきた。
    正直、今、つらいわけでもなく、ぬるま湯でこのままの方が幸せだと思うところもあるから決断ができない。
    また「判断が遅い」
    私の人生、こればっかり。

    マズローの欲求5段階説について述べられていたが、全てを信じているわけではないがといった旨の前置きをしたうえで、細かく解説をしていたところがよかった。
    今の私の欲求で譲れないのは、子供達の安心と安全。
    自分になんて価値を感じないけれど、子供達が自立するまで死んではいけないなと思うようにはなった。

    ●自分の価値を他者に決めさせないこと
    ●自分1人でアイデンティティを築けること

    自分のあるがままを活かした生き方を選びたい。

    野口さん、つらかったんですね。
    私もこれからはつらいことをつらいって言ってみよう。
    私の場合は、ほぼ人間関係。というか、私自身がこじれることはないけれど、平和主義の悪いところで、陰口がひどい人をみるとそれだけでつらくなる。みんな仲良くすればいいのにね。

  • 日本中から羨望と期待を寄せられる宇宙飛行士が、生き方について疑問を抱くことがあるのだろうか?

    そう思って手に取った本書。
    名声や肩書きだけで、この人はこういう人だと、強引に決めつけていたんだなと反省しました。

    野口さんは期待に応えようと必死に努力している間は良かったものの、地球に戻って一大ミッションを完遂した時に、「人の期待に応えること」がモチベーションになっていたことに気づいたそう。

    そこから10年間、キャリアの方向性に悩み続け、「自分は何が好きで」「何ができて」「何を大事にしたいか」を軸に考え抜いた軌跡が書かれていました。

    本書の主張は最初から最後まで一貫しており、
    ・他者から与えられたものを心の拠り所にしない
    ・人と比べて感じる優越感と敗北感に意味はない
    ・やるべきことをこなしながら自分と向き合い、自分の核にあるものを見極めよ
    ということ。

    この本にその見つけ方がズバリ載っているわけではないのですが、地上からではなく遥か遠い宇宙から見通す表現力は、自分の凝り固まった視点を動かしてくれるものでした。

    彼が宇宙視点で世界を見て、悩み、気づき、克服したストーリーはとても魅力的です。

    宇宙に行くことは、全てを手放して無重力になること。
    上や下、という考え方は完全無重力世界の宇宙では存在しなくなること。

    私はこの二つの考え方がとても好きでした。
    地球も宇宙の中にある一つ。
    本来は上も下も関係なく、比較せず、無重力な状態でモノを考えられるといいのでしょうね。

    --
    私は、1年前まで会社で大きなことを任され、完遂した後に転職しました。
    前職では評価と信頼が積み上がっていたけれど、今はゼロから積み上げないといけない段階。

    ゼロの、いわば何もない「無重力」の状態で、私にとってこの仕事は自分がやりたいことなのか疑問を持つようになりました。
    そんなつもりはなかったけれど、今までは人に期待されて、それに応えることを拠り所にしていたのかもしれません。

    この本を読んで、自分を棚卸しし、本当に自分が成し遂げたいミッションとその関わり方についてじっくり考えてみようと思いました。

    宇宙飛行士の野口さんでさえ悩んでいるのだから、そんなに低俗な悩みでもないはずですよね!

  • メディアではいつも明るく、楽しそうに宇宙を語ってくださる野口さん。とても悩まれた時期があったのだと知った。他人と比較することの無意味さ、自己有用感の作り方を学ことができた。

  • -------------------------
    後悔なく
    生きるのは
    宇宙に行くより
    難しい

    「コロンビア号事件」
    「仲間の死」
    「自己否定」
    「他人と比べてしまう苦しみ」
    そこから再出発し、たどり着いた
    「自分らしく生きること」の本質
    -------------------------
    宇宙飛行士だった野口さんが
    宇宙に行った後、何を考えてどう生きるかを、
    悩み考え抜いた結果が描かれています。

    宇宙飛行士は憧れ(「宇宙兄弟」の影響でさらに)で、
    宇宙に行った貴重な一握りの人が、
    寂寥感や喪失感を抱えて
    10年も悩み苦しんでいたなんて。

    自分の存在価値や、自分のやりたいことは何か。

    セカンドキャリアとか60歳以降の人生設計とか、
    定年延長とあわせて社内でもテーマになってます。

    私も漠然とこのままだと60歳過ぎたら、
    会社に価値を提供できる人材であり続けれるか自信がありません。。。

    自己肯定感はどんな時でも、
    自分を認めて一番の味方でいること、
    他人の軸や周囲の評価だけでないことに気づくこと、
    と他の本でも書かれていて、
    本書でも近しいことが書いてあるけれど、
    さらに具体的にどうするというところまで踏み込んでくれています。

    やっぱり賢い方ですよね(←当たり前)、
    沢山の経験をされている方で、
    ミッションを達成してきている方だからこそ、
    言葉が優しくて説得力があって、
    すっと入って来ます。

    私が経験したことは唯一で何にも変えられない、
    世界は移ろいやすいから
    他者の評価に振り回されてばかりではないけない、
    マズローの五段階欲求も何度も目にしてましたが、
    「欠乏欲求」は知りませんでした。
    これまで自身のなかで、
    言葉のなかった経験や感覚に名前がつきました。

    不安になって迷ったときは、
    もう一度目を通そうと思います。

  • 宇宙飛行士の光と影、まさか、野口さんがこんなにも苦しんでいたとは知りませんでした。
    燃え尽き症候群や他者評価に苦しみ、自己否定による喪失感。
    自分のアイデンティティを築く。評価軸を自分に取り戻し、人生に意味をづける。自分の価値は自分で決める大切さ。
    アイデンティティの意味は「自分は自分であり、ほかとは異なる個性を持つ一人の人間であるという認識」。
    10年もの苦しみから抜け出せたのも、こういった考え方を見直し、積み上げていけたのでしょうね。

  • 宇宙に行った人はできた人間で悩みなんかないと思われるがそうではない。そうなんだよな。何のために生きるのかという課題は人類がずっとずっと悩み続けてきたことなんだ。
    優しくわかりやすい語り口調で、読みやすかった。生きづらさに丁寧に向き合うことは、自分を見直すのに重要。そう言ってくれる野口さんすごい。

  • 宇宙飛行士野口聡一さんが、宇宙に行って人生変わりましたか?の問いに向き合う。
    結論、人生が変わることはない、人生における視野は広がる。
    宇宙に行く、大金持ちになる、誰もが羨むことを達成した人でも、人生に満足できるている人はいない。他者の価値観、評価の中で生きているうちは人生に心から満足できない。

  • #どう生きるかつらかったときの話をしよう
    #野口聡一
    23/9/28出版
    https://amzn.to/4b7voFz

    ●なぜ気になったか
    これは意外、宇宙飛行士の野口さんがフライト後に「自分はいらない人間なんだ」と10年も苦しんだなんて。宇宙飛行士はメンタルおばけとの僕の認知バイアスを改めるために読みたい

    ●読了感想
    そりゃそうなるっしょ。大学入学を目的にした五月病と一緒。宇宙に行くのは手段、先に目的を考えておかないと。本来の自分、なりたい自分、夢など、が何度もでてきて共感できなかった

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き

  • 私は歩いている。
    後ろから来た人が、私を追い抜いて、ずっと先に行ってしまう。
    私は歩くのをやめていないし、歩き始めた場所からは随分と歩いてるはずなのに、前を行く人が羨ましくなったり、焦ったりする。

    野口さんは、おっしゃる。
    私が歩いているという事実があるのに、羨ましくなったり、焦ったりするのかを考えなさい。
    そして、歩いていきたい先はどこなのかを見つけなさい、と。

    大いに悩み、自分自身と深く深く向き合われた野口さんの言葉たちに、私は救われました。
    久しぶりに何度も何度も読み返した本です。
    そして、これからも、何度となく読み返す、「一生読み終えない本」になると思います。

    • norunさん
      すごく好きなレビューでした。

      無重力な世界では上も下も前も後ろも存在しない、という野口さんの主張も好きでした。
      このレビューを読んで、宇宙...
      すごく好きなレビューでした。

      無重力な世界では上も下も前も後ろも存在しない、という野口さんの主張も好きでした。
      このレビューを読んで、宇宙視点で見ると前を歩いている人は実は違う方向に歩いてて、違う競技に参加しているということなのかもしれないなあと、ふと思いました。

      優しいレビュー、ありがとうございます。
      2024/02/12
  • 子どもに読ませたいと思ったが、読んでみたらこれは中年世代こそ読むべき。どう生きるかということを追求する押し付けないいい本だった。

全42件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1965年、神奈川県横浜市生まれ。1991年、東京大学大学院修士課程修了。1991年石川島播磨重工業(株)に入社。航空宇宙事業本部に所属し、ジェットエンジンの設計及び性能試験業務を担当。1996年5月にNASDA(現JAXA)が募集していた宇宙飛行士候補者に選定される。同年6月、NASDA入社。同年8月からNASAが実施する第16期宇宙飛行士養成コースに参加した。1998年4月、NASAよりミッションスペシャリスト(MS:搭乗運用技術者)として認定された。同年7月から8月、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(GCTC)における基礎訓練コースに参加した。その後NASAにおいてMSの技量維持向上訓練を継続すると同時に、宇宙飛行士の立場から「きぼう」日本実験棟の開発支援業務に従事した。2001年4月、ISS組み立てミッションであるスペースシャトル(STS‐114)の搭乗員に任命される。野口宇宙飛行士ら7名を乗せたディスカバリー号は2005年7月26日打ち上げ、8月9日帰還。

「2006年 『スィート・スィート・ホーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野口聡一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
アンデシュ・ハン...
凪良 ゆう
朝井 リョウ
凪良 ゆう
市川 沙央
アンデシュ・ハン...
瀬尾 まいこ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×