岩泉舞作品集 MY LITTLE PLANET (小学館クリエイティブ単行本)

著者 :
  • 小学館クリエイティブ(小学館)
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本棚登録 : 142
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778038397

作品紹介・あらすじ

『七つの海』に新作漫画&未収録を加え復活

1992年に刊行された一冊の短編集で≪伝説≫となった漫画家・岩泉舞。

瑞々しい感性で描かれたジュブナイルファンタジーの作品群は、時代を超越し今でも根強いファンが多数いる。

今回、表題作である新作短編マンガ「MY LITTLE PLANET」(32P)で、約30年ぶりの“復活”を果す!



本書では、1992年に刊行された『岩泉舞短編集1 七つの海』収録「ふろん」、「忘れっぽい鬼」、「たとえ火の中…」、「七つの海」、「COM COP」、「COM COP2」をコミックスではカットされた雑誌掲載時カラーを再現して完全収録。

さらに単行本未収録作「KING-キング-」、「クリスマスプレゼント」(原作:武論尊)に加え、描き下ろし新作「MY LITTLE PLANET」を収めた決定版!



≪伝説の漫画家≫の復活を目撃ください。

感想・レビュー・書評

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  • ──その先は海ではなかったけど
      ぼくは ドキドキする

    短編集一冊だけだして終わってしまっていた作家の、未収録作品+描き下ろし(!)を収録しての30年ぶり再販という奇跡のような一冊。一部ネットの片隅でとても話題になってました。

    「七つの海」は、本棚の中でずっと特別な位置を占め続けていた1冊。なにがそんなに子供の琴線に触れたのか、すごく好きでした。

    頭を切除しても泳ぎ続けるカエルのように、周囲に流されるだけなら存在していないのと同じだと言われる「ふろん」の強烈なメッセージが思春期にドはまりしていた記憶がわずかにあります。
    「七つの海」の冒険に旅立つ祖父と現実を生きる孫の対比もずっと覚えていました。

    帯の煽りで村田雄介が「掛け値なしの天才」とコメントしていますが、短編集一冊で多くの人の心に30年も残り続けたというのは確かに天才の所業だったのでしょう。
    きたがわ翔が鬼滅の刃に関連して「たとえ火の中」に触れがツイートがきっかけになって企画が進んだことは語り継がれてほしい。

    未収録作品も良かったけど、描き下ろしが素晴らしかった。滅びゆく世界で星を育てよと渡された最後のこどもたちの話。フェッセンデンの宇宙・ドラえもんの地球セットみたいな世界を創造するお話。絵柄も台詞回しもすごく「上北ふたご」っぽかったけど影響受けてたり…しないかな。
    リバーシブルカバーの裏側が素敵なので、ひっくり返しました。

    このレベルで描けるなら是非活動再開を!と思ってしまうけどその目はあるんでしょうか。

  • 90年代ジャンプ黄金期に登場した伝説的漫画家・岩泉舞の新作が読める喜びに震えながらレビューしてみた『七つの海―岩泉舞短編集』|東京マンガレビュアーズ
    https://tokyomanga.jp/n/n9b2b69c7cf48?gs=89e0e2fd5f11

    岩泉舞作品集 MY LITTLE PLANET - 株式会社小学館クリエイティブ
    http://www.shogakukan-cr.co.jp/smp/book/b564310.html

  • 大好きで、コミックも持ってる。
    書き下ろしがあるとのことで購入。
    未収録の2話は原作者がいて、夢見る佳人はストーリーがちょっと岩泉さんぽくない。
    書き下ろしのMY LITTLE PLANETはこれ!という感じ。
    七つの海、本当に好き。
    絵柄はどんどん変わるけど、テンポとストーリーが良い。

  • 好きなマンガ家さんのプッシュで知った作品。いい・・・すごく良かった・・・。
    表題作以外は1990年前後の作品で、画風からもその当時らしさが見えるけれど、ストーリーや少年少女の想いは普遍的なもので古びてなどいない。大人(社会)の理不尽なふるまい、迫られる選択、一緒にいれば生きていける心強い友達。
    『七つの海』とか好きだなあ・・・夢とあきらめと、前進。

    表題作は描き下ろし。絵がかなり変わってかわいらしさのあるスタイリッシュな雰囲気に。これがまた・・・多くのことを教訓的に言いたいような設定だけど、淡々と語ってあっという間にお話は終わってしまう・・・。
    そのあとに漂う余韻がとてもうつくしい。

  • 良かった、とても良かった。

    約30年前に単行本を一冊だけ出して活動を止めてしまった作者の、復刻版であり単行本未収録作があり新作が読めた。それだけで感無量。かつての作品は、今読んでもまるで色褪せない。

    新作『MY LITTLE PLANET』は、ブランクがあったとは思えないストーリーテリングで、絵柄こそ洗練されたものの、温かく、柔らかく、そして毒のある妙味が素晴らしい。かつて少年であった自分がその頃に読んだなら、本作にどのような感想を持つか、想像するのも楽しかった。

  • ユージの終わりの始まりと始まりの終わりが描かれている「七つの海」。これ、どこで読んだのだろう。ジャンプ掲載時かなぁ。コミックかなぁ。
    いつかどこかで読んだはずなんだけどなぁ。書庫にはないので、友人の家とかで読んだのかもしれない。
    強い想いで心の中に残っているわけではないけど、共感する想いは確実に存在していて、ふとした時に表面に浮かび上がってくる感覚。
    この漫画の影響で人生変わりましたとはならなかったけど、誰もが通る場所にあるような感覚かなぁ。

    ユージと同世代の頃は憧れ。知らない世界へ踏み出す勇気への憧れ。
    年を経た今でも憧れ。無くしてしまった、踏み出せなかった故の憧れ。

    たぶん、初めて読んだ時はわからなかったけど、今思うと郷愁なんだと思う。いずれ、この感情を抱えたままではいられない、と感じていたのかなぁ。
    だいぶ後付け。かつての感情を思い返して理由探しているけど、だいぶ後付け。
    うまいこといえないものです。

  • どの話も面白くて何度も読み返したい!デビュー作から漫画を描くのがめちゃくちゃ上手いと思いました。

  • 私はやっぱり『ふろん』が一番印象に残っています。当時はまだ少年漫画らしい少年漫画しか知らない少年だったので、単行本で初めて読んだ時はかなり衝撃的だったのを覚えています。
    印刷物からの収録とはいえ、描き下ろしの新作以外にもジャンプコミックスには入ってなかった読切が収録されていて良かったです。
    それに関する作者さんのコメントもあれば尚良かったのですが…Twitterの方で近況を呟いておられるようなので、しばらくは追いかけたいと思います。

  • デビュー作がまず度肝を抜かれる。ふわっとしたバッドエンド!これを少年マンガ誌でやってたのがすごいし、どの話も爽やかな描き心地ながらも、登場人物には陰があって、そこが気になった(いい意味で)
    絵柄は30年前当時のイケイケ感の絵柄だけど、男女共に可愛い。本当に絵が上手い!新作も、絵柄が現代にアップデートされてて、やっばり上手い!
    時間かかってもいいから、単行本1冊完結くらいの話を描いて欲しいなー!

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