ボーダー (ショコラ文庫)

著者 :
  • 心交社
3.49
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本棚登録 : 83
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778116903

作品紹介・あらすじ

高校教師の渡部が初めてゲイバーを訪れたのは、数年前に姿を消した友人・環が働いていると知ったからだ。だが環は渡部を突き放し、ゲイの自分と渡部の間に線を引こうとする。それでも渡部は店に通い、男の元教え子に告白されたことを相談するが-。(「ボーダー」)。ゲイ嫌いの佐々木は、友人の渡部と環の関係が許せない。けれど疲肉にも自身は従弟の国見に長い間恋心を抱かれ、それを口に出させぬよう苦心していた。年末の寒空に実家を追い出された佐々木は、仕方なく国見宅に転がり込むが…(「揺れる境界線の上」)。

感想・レビュー・書評

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  • 表題作「ボーダー」はドノンケな攻めがゲイになることに葛藤する話。
    攻めが腹をくくって上手く行きそうだったのに、
    受けが逃げて大変そうでした。

    最初は受けの片思いだったけど、
    最終的には攻めが積極的に受けを
    愛してくれるようになったのでよかったな。

    攻め派教師だから世間にバレるのはマズそうだなーと思いました。

    私は2話目の「揺れる境界線の上」の方が面白かったです。

    表題作でホモフォビア気味だった友人が主人公。
    従弟が自分へ向ける気持ちにうっすら気づきながら
    気づかないように自分の気持ちに蓋をしてるのかな?

    なかなか上手く行かないし、
    従弟は我慢強くてどうなるか…
    と思ったら、強引に押し倒しキター!

    まああの受けはこんな目に遭っても
    しかたないかなーと思うキャラでしたw
    (無神経なので)

    執拗な前立腺責めやアナニー、
    攻めが見てる前でのトイレ(小)など、
    なかなかチャレンジャーな感じでした。

    こちらの話で表題作の二人を垣間見れて
    ちょっとうれしかったな。

  • 2CPのお話。前半、高校教師・渡部✕ゲイバーのバーテンで小説家・環。ヘタレで無神経な部分がちょっと痛いかなぐらいで今まで読んできた佐田さんの中では一番サラッとした攻だったように感じたw 後半は渡部たちの友人・佐々木と従弟の国見。佐々木のゲイフォビアの根っこ部分がわかるけど、最初の方の渡部たちとの絡み方に気分が悪くそれが最後まで消えなかった。だからか国見に囲い込まれていく様にちょっとザマァって思ってしまったw 話はこちらの方が好きだったかな。どちらのCPもその後が気になる。

  • 全体的に重め&暗めな感じでした……

  • ★3.5

  • 佐田さん初読み。
    2話目「揺れる境界線の上」ゲイ嫌いの佐々木が主人公でちょっとびっくり。面白かった。
    積読の本も読んでみよう。

  • 「ボーダー」 大好きなのにいいとこで逃げる環がなんかもどかしくてでもそれでも一途に追いかける渡部の男らしさが素敵だった。
    「揺れる境界線の上」従兄弟もの。国見の病んでる感がよかったね!

  • ★3.5。初読みの作家さんですが、グイグイ引っ張られました。むしろ表題作より二作目の方が興味深い。甘み成分がやや不足気味で終了。後日談はwebですか、そうですか。最近多いよね、この展開。スタイリッシュな表紙が美しい。モノクロイラストは当社比で睫毛過剰。

  • 佐田センセのお久しぶりな新作。1年前のは新装版でしたからね~
    同級生ものの「ボーダー」と、従兄弟同士の「揺れる境界線の上」の2作構成になっていたので、手に取った時には長編じゃないことにちょっとがっかりしたけど、リンク作になっていて意外にもソツの無い仕上がり。
    今までの作品と比べたら、ライトでとっつきやすいかんじ。
    とは言え、同性愛、禁忌性への偏見や嫌悪というセンセのいつもの主題は、今回もしっかりと読み手に投げかけられています。

    ものすごく常識的に生きてきた高校教師の渡部が、自分の前から突然姿を消した元同級生の環と数年ぶりに再会した場所は、彼の勤め先のゲイバー。
    同性愛というものを初めて認識した渡部は、とまどって不躾で失礼な言葉を口にして環に冷たくバッサリ一線を引かれてしまうんですが、それで逆に気になるわ意識してしまうわで、どんどん会いたい気持ちが止まらなくなってしまうんですね~
    冷たい態度の中に環の思いが見え隠れするベッドシーンが切なかったです。そんな彼にどう応えたらいいのかわからず、無粋な言葉を吐いてしまうダメな渡部も切ない…!

    渡部の心情の変化がリアルに伝わってきました。引きこもりだった中原への言葉がほんとにステキでした。成長した!
    佐田センセはしつこい執着攻がいつも怖いのですが、今回は諦めない気持ち?が功を奏しています…
    褒めてあげたい渡部。
    ゲイバーのママの信太郎への偏見も拭い去り、信頼関係を築けたからこその、希望が見える展開がよかったです。

    「揺れる境界線」は環に彼女を作らせようといらん世話を焼いていた、ホモフォビアの佐々木がメイン。
    嫌悪の裏に潜んでいた理由と心情が複雑です。
    こちらは意外にもエロ的に濃厚で、気持ちは嫌だと思ってるのに、身体は裏切って快感を得ているという食い違いがツボでした。

    ラブラブのいちゃこらな展開じゃなく、ちょっと複雑な恋人同士の心境がリアル感もって迫ってくるストーリーでした。
    こういう路線キープで、次回作もぜひお願いしたいです。

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