- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778312244
作品紹介・あらすじ
『軍艦武蔵』で日本の海戦史に新たな地平を切り拓いた著者が次に挑んだ戦後史の空白。新事実の数々によって浮かび上がった海上自衛隊、自衛官の本当の姿!普天間問題、海外派遣等、「現在」につながるすべてがこここにある。5年の歳月と関係者への綿密な取材を重ねてたどり着いた海上自衛隊誕生期激動の真実。
感想・レビュー・書評
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海上自衛隊の創設について書かれた500ページにも及ぶ大作。海上自衛隊創設に関わった十数人の方々の歴史を戦時中から振り返り、時系列で話を進めている。海上自衛隊は、陸空自衛隊とは違い、旧海軍軍人がその創設に大きく関わっていたこと、米海軍と旧海軍の軍人同士の強い絆から米海軍から大きな支援を得られたことを知った。今は国民にも好印象を与えていると思うが、創設期の自衛官は「税金泥棒」と呼ばれ肩身の狭い思いをしていたことも印象に残った。
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帝国海軍〜海上自衛隊創設までを、多数の登場人物によって描いている。この本を読んで、なぜ現在も海上自衛隊と米海軍との結びつきが強いかが良く分かった。
強点:海上自衛隊創設にあたっての現場レベルでの、苦労、熱意が伝わってきた。特に幹部候補生学校での、終戦後の生徒と教官(旧海軍士官)とのエピソードは何とも言えない歯痒さを感じた。
弱点:様々な人達にスポットをあてて描いているため、油断すると、時間軸が混乱する。
また、良くありがちであるが、唯我独尊感がある。具体的には、商船の乗組員を下手に描いてる感がある。実際は丸腰の商船の方が遥かに危険な乗り物であり、乗組にあたっては、海軍以上の決意を必要としたはずである。実際多くの商船が沈没している。また、操船技術、知識等は、海上自衛隊よりも、商船の方が圧倒的に上であるのは、海運会では常識の話である。
よって、四点。
読後の変化:とはいうものの、この時代の人達のエネルギー、仕事に対する姿勢を感じることができた。海上自衛官に限らず、全ての日本人必読の書と考える。 -
あえて“歴史”カテゴリで。
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海軍から海上自衛隊への狭間を埋めた人々の歴史。新味はないが、新兵から指揮官級までの経験等を綴っており、読み応えはある。ただし、どうしても海軍及び海自を肯定的に扱う人だけが登場していることから、時代の背景を読むことは難しい。
「神代の時代」を知る一助として。