ぼくのゾンビ・ライフ

  • 太田出版
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本棚登録 : 134
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778312619

感想・レビュー・書評

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  •  ついに本当の意味でのゾンビ主観な物語であります。しかも内容も素晴らしい。
     この小説の中のゾンビは、腐りかけた身体はボロボロでも思考能力は生前のまま。ゾンビの公民権を求めて地道に活動する主人公は、仲間を奪われ続けついに、、、。
     前半な人畜無害だったゾンビたちが、徐々に様変わりしていく展開はなかなか素敵であります。まぁゾンビファンなら冒頭のシーンで予兆を感じるでしょうが。
     それまでの展開をブチ壊してしまうラストも、ゾンビ映画ファンなら納得でありましょう。
     何となくほのぼのとしてるようで、しかしゾンビが受ける差別的な仕打ちは強烈に生理的感を催し、人体破壊などのゴアな描写もふんだんにあり、まぁそのあたりもゾンビ映画ファンなら納得でありましょう。
     そして、泣かせるのです。ゾンビなのに。

  • 「交通事故から目覚めたアンディは、自分がゾンビになっていることに気づく。妻、娘と離れ、そのまま両親と同居することになったアンディは、他のゾンビたちと出会い、仲間になり、ゾンビになった自分を受け入れはじめる。なんとか人間たちとも共存しようとするが…。全編ゾンビ主観で綴られる、"脳のあるリビング・デッド"たちの「人生」と戦い、そして恋。現在世界同時多発中の「人間性を持つゾンビ」小説の究極型、待望の邦訳。」

     なんでこれ借りたのだろう 笑 ゾンビ映画は苦手だが、本だといけると思ったのだろうか。いや、本で読むと、映画では目をつむっていたゾンビがリアルに感じられて逆効果でした 笑 主人公は腐っている!後半めっちゃ人死ぬ!ゾンビ同士の性的描写もある!のでいろいろ注意が必要な本です。
     でも後半面白かったよ。そしてだんだんゾンビに慣れてくる自分がいることに気付く。
     全体としてはアメリカ文学読みにくく、例えがわかりにくく、アメリカンジョーク&ゾンビジョークを言われても「?」という感じではあるので、前半は途中で読むのをやめようかと思った。けど後半おもしろかった。
     あることをキッカケに主人公はちょっとずつ蘇生する。傷が治り、心臓が動き出し・・その時の主人公がめちゃくちゃ嬉しそうで、よかったなぁ~~とちょっと感動した。そんな不思議な体験をしました。

  • 凝った装丁と設定に惚れて即買いした本。生前の記憶あり、感情も思考も知能もそのまま。しかし、死んだときの傷もそのまま・・。そんなゾンビの一人称小説。ただ死んでしまっただけなのに、家族には距離を置かれ、生きている人間に虐げられてしまうという現実。そんなゾンビになってしまった「僕」が、カウンセラーを受け、友達をつくり、恋もして、そしてゾンビの権利のために社会運動をする・・・。そんな「かわいそうなゾンビ」の生活、そしてマイノリティの迫害について考えてしまう小説かと思いきや、中盤からは目が話せない怒涛な展開に!!身体以外は生きている人間と変わらない生き物と葛藤、そして身体は変わってしまったことを受け入れざるを得ないゾンビの本能・・・ゾンビを改めて考える機会になった満足の一冊。

  • 共存の難しさ 人間がすべて正しいのだろうか?
    なんか 考えさせる そんな本

  • ゾンビ伝説がかたいので、交互に読み始めましたぼくのゾンビ・ライフ。ほかの方もレビューされてますが、表紙やタイトル・コミカルな装丁に騙されちゃいけません、これはけっこう真面目で深い。ってか、なんでこうガンガン食べ物投げつけられるんだろう、日本人的感覚でいうともったいない感じがするけど、これが飽食(?)のアメリカの象徴なのでしょうか、、、ゾンビ=マイノリティで且つ、人類を超えた新人類に思えなくもないのですが、やっぱり人間がひとりももいなくなったら自ずとゾンビも(ry)なんだろうなぁと。それにしてもアメリカ人って、この題材がお好きですね(汗

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