インノサン少年十字軍(下)(完) (エフコミック) (Fx COMICS)

著者 :
  • 太田出版
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778321581

感想・レビュー・書評

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  • 実際の史実に基づいた少年十字軍の話

    読む側に色々な問題提起を投げかけてくるけれど、根底にあるのは現代にも通ずる宗教紛争とこの時代に存在した奴隷制度による人身売買

    中巻以降に明るみになってくる少年同士の摩擦や衝突自体は十字軍という組織の中じゃなければ、もっと言えば宗教という存在に影響を受けていなければきっと若かりし頃なら誰もが経験する青い出来事なんだと思う。多神教で宗教にさほど支配されることのない国に生まれて今の時代を生きる私はそう感じる

    だからこそ少年十字軍の彼らのこの物語を胸がえぐられるような気持ちで読みました。下巻の救いようのなさは尋常じゃない

    「僕は考え方が違う人を殺していいなんて思わない」

    エティエンヌが言っていたこの言葉の真意は現代に生きるどの国の人達にも重く響く言葉だと思う

    面白いっていうとすごい語弊があるけど久しぶりにずっと余韻が残る漫画に出逢った。が、誰彼かまわずオススメはできない作品です。ただ私は好き。えぐいし痛いけど

  • 残酷で悲しい物語だが、読み終えた後、何故か不思議な清涼感が過る。ギーの無抵抗の死が、『スタンド・バイ・ミー』のクリスと被る。

  • 古屋兎丸先生祭り
    衝撃のラストだった
    宗教心を持たない日本人だからこそ描けた傑作

  • 1212年、フランスの田舎町。
    神に選ばれし子・エティエンヌは、
    12人の仲間と共に「少年十字軍」を結成し、
    聖地エルサレムを目指していた。
    ユーゴ率いるテンプル騎士団と合流し、旅路は順調かに見えていたが、
    心を許したユーゴの裏切りによって、いつしか破滅の音が響き始める。
    次々に斃れていく仲間達。
    押し寄せる絶望と憎しみ。 過酷な旅の果てに辿り着いた先は――。


    待ちに待った完結編!!
    最初から運命に翻弄され無残な結末を迎えるのは分かってた…
    分かってたけど読まずにはいられない

    当時の中世ヨーロッパが垣間見える作品
    当時の子供は今と違って庇護される立場でなく半人前の大人で扱いが雑
    そんな中、早く大人になりたい!!
    大人になってみんなに認められたい!!
    騎士になって一旗あげたい!!…っていう純真な思いを
    大人がそれぞれの思いで蹂躙して踏みにじっていく
    ある意味生々しい作品

  • 上中下巻読み終わった。古屋兎丸先生描く美少年たちが少年十字軍となって聖地を目指す、史実を踏まえたストーリー。登場人物が魅力的だし、ストーリー展開も速く飽きない。たまに早過ぎる。中性的で無垢な少年たちから見た微妙な存在の女性を味わえて、何か嬉しいような悲しいような気持ちになる。

  • 2019/8再読。スピーディでパズル的な展開が見事。ギヨーム達も含め、子供たちの死に際がどれもやるせない。絵柄もこなれてきて皆超かわいいし。
    ロランがお兄ちゃんとして一矢報いたのが凛々しくてかっこよくも切ない。
    クリスチャンは前半はめっちゃ頼りになるしメンタルも安定していて良い奴だったのに…。先進的な知識や思想を持ってはいたけど今の時代から見ると全然だったのも切ない。
    平和な生活を手に入れた後のギーの死が一番きつかったかも。なんだかんだで最終的に一番良い奴ポジションだったし。
    小賢しいミカエルが大人たちに利用されていたのに全く気付かず旅立っていくのもやるせなかった。
    エティエンヌ(息子)が超かっこいいのとラストが美しいので余韻がとても良い。

  • 完結。

    これ読むと一番最初の上巻読むのがつらい。
    でも先の気になる話だったのでで上中下、一気に読みたい。

    ハッピーエンドは無いとは、思ってたけど。

  • 先が気になって気になって一気に読み進めてしまった。面白い。

  • 完結しましたよ。

    中巻の最後の方から嫌な予感がギュンギュンしていましたが、案の定の着地。

    乞食と間違われた老齢のニコラの「施しは要りません。私は騎士です」て台詞が、全部を読み終わった後だと結構重たい。


    下巻に入ってから「巻きで!」てくらいにパッパと物語が進んでいくから、やや物足りなさもありつつ、クリスチャンとミカエルの展開が「やっぱりね」過ぎて興醒めしたり、ラストの復活劇も「だと思った」過ぎたので、この評価。
    前半も少し削っても良かったのではーとか。

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著者プロフィール

一九六八年東京都生まれ。九四年に『月刊漫画ガロ』より「Palepoli」でデビュー。卓越した画力と多彩な画風で熱狂的な支持を集める。著書に『ライチ☆光クラブ』『帝一の國』『女子高生に殺されたい』などがある。

「2021年 『谷崎マンガ 変態アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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