泣ける太宰 笑える太宰 (オフサイド・ブックス 52)

制作 : 宝泉 薫 
  • 彩流社
3.55
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本棚登録 : 26
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779110474

作品紹介・あらすじ

「いわゆる太宰」ではない太宰を!
【太宰治アンソロジー】
★名作選ではなじみの薄い、でも、小説を読む喜びを十二分に堪能できる佳作を厳選。邪魔にならないリード・解説がついて、作品のアンソロジーと読本の良さをいいとこ取り。

▼Part1 泣ける太宰……『燈篭』 『黄金風景』 『眉山』 『メリイクリスマス』 『津軽』 他……思わずぐっとくる佳作をセレクト。笑って、泣いて、もあります。
▼Part2 笑える太宰……『親友交歓』 『カチカチ山』 『畜犬談』 『美少年』 他……意外に知られていない、この類稀なる笑いのセンス!
▼Part3 毒づく太宰……『川端康成へ』 『家庭の幸福』 『如是我聞』 『HUMAN LOST』 他……志賀直哉、川端康成、偉そうな奴との喧嘩は太宰に習え。
▼Part4 祈る太宰……『トカトントン』 『人間失格』 『竹青』 『待つ』 他……元気と希望を与える太宰。小説の技法にも長けた太宰の魅力も。

感想・レビュー・書評

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  • 草の香も新鮮で、朝露が足を濡らして冷や冷やして、心が豁然と開け、思わず一人で笑い出したくなる。そんな別天地の浴場。老爺は体が黒く固まっていて、顔もくしゃくしゃ縮小して奇怪。老婆の方も小さく痩せていて胸が鎧扉のようにでこぼこしている。黄色い肌で乳房が萎んだ茶袋を思わせ哀れを誘う。老夫婦とも人間の感じがない。きょろきょろして穴にこもった狸のようである。孫娘が間にひっそりしゃがんでいる。汚い貝殻に付着し、そのどす黒い貝殻に守られている一粒の真珠である。ものを横目で見ることのできないたちなので、まっすぐに眺めた。・・・・・・
    弱けれど温かき若き人々の味方であり続けた太宰、珠玉の18編。愉快すぎて、はしゃぎすぎて心も体もへどもどになった。

  • 心中未遂、愛人との心中、愛人との間の子供の認知(修治の治から治子)、盗作の疑い、芥川賞へのこだわり・・・、自意識の権化とも思われる太宰治、そして今もなお桜桃忌では沢山のファンが墓前に集う。不思議な魅力の作家だと思います。井上靖は「もし文学者のオリンピックがあったら、日本代表は夏目漱石、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫ではなく、少し小さいかも知れないが、やはり太宰治以外にはいない」と言ったとか。「太宰治アンソロジー」、2009.5発行です。自分の死後について書き、死後に出版された「家庭の幸福」笑えないですね

  • 簡単に太宰治に触れるのにおすすめ。

  • 親友交歓と黄金時代がお気に入り

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