- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779118296
作品紹介・あらすじ
16世紀スペイン、ギターの前身楽器ビウエラが隆盛を極めていた。
40年間に7人のビウエリスタが7冊の譜本を出版し、そこに
収められた楽曲は、690曲を超えている。
しかしその後、ビウエラは急速に姿を消し、20世紀になり、
ギタリストのエミリオ・プジョールが発掘するまで、400年間眠り続けた。
本書は、7人のビウエリスタ(ミラン、ナルバエス、ムダーラ、
バルデラーバノ、ピサドール、フエンリャーナ、ダサ)の姿と、
突如消えたビウエラの謎を追ったものである。
ビウエラ、ギター奏者、愛好家必読の書!
感想・レビュー・書評
-
スペインに限らず、ヨーロッパ史の多くは皇帝や王族にスポットライトをあてて書かれていますが、この本は珍しくビウエラ曲を作った7人が主人公で、そのまわりにスペイン大公貴族、楽士、聖職者たち、そして国王も登場します。
私はビウエラという楽器を初めて知ったのですが、16世紀スペインのカール五世の時代に突然現れ、王侯・貴族・聖職者をも虜にし、一世を風靡したのち、フェリペ二世の治世となりその終りに近づくとその花は突然に散ってしまったのです。
作曲して楽譜をのこしたのがこの7人だけ。
幸いなことにこれらから多くの曲が今YOUTUBEで聴けます、今聴きながら書いています♪
ビウエラがすたれた以降、世界中に無限ともいえる名曲が響き渡ってきたわけですが、このビウエラの曲たち、なんと上品な優しさが心にしみてくること…。
そういう意味で、この本はクラシックファン、ギターファンが読んでも楽しい本でしょう。
でも西川和子さん、さすがスペイン史著述家です。
このビウエラについてのエッセイは、スペインハプスブルクの前半100年と大いに関連しています。
そして時々、かつてスペインがイスラムだったこともある影響も垣間見えるのです。
こういう題名だからスペイン史ファンの目にとまらないかもしれないけど、お薦めします。
そしてフラメンコだけでなくビウエラもためしに味わってほしいものです。詳細をみるコメント0件をすべて表示