わたしは潘金蓮じゃない

  • 彩流社
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779122521

作品紹介・あらすじ

中国きってのユーモア作家が描く現代中国の素顔!

「潘金蓮」とは?
『水滸伝』『金瓶梅』に登場する、通説では架空とされている女性。

『水滸伝』では、炊餅(蒸し饅頭)売り・武大の妻として登場。
絶世の美女だが性欲・物欲・向上心が強く、
夫を殺して情夫との淫蕩にふける典型的な悪女・淫婦である。
『金瓶梅』では副主人公として描かれ、彼女の名の頭文字が
作品の題名の一文字目として使われている。

本作は、范氷々(ファン・ビンビン) 主演で、
9月に中国で公開予定の映画『私は李雪蓮』の原作です!

本作のヒロイン、李雪蓮は、一介の農村婦人でありながら、
権力にも世俗的な成功者にもまったく臆することなく、
自分が納得いかないことには決して巻かれず、
理不尽な夫や地域の権力者たちに立ち向かう。
あの手この手で彼女を懐柔しようとしたり丸め込もうと
する自分の利益しか考えないせこい役人たちの思惑を
しっかり見抜き、
自分は、「潘金蓮じゃない」と言って、
自分の足でしっかり生きていくそのたくましさに、
読者は思わず喝采を浴びせたくなる。

独りっ子政策の行き詰まりや、保身に走る役人たちの
滑稽さなど、現代中国の抱える問題点をユーモラスに描く、
劉震雲の傑作長編小説、ついに翻訳なる!

前作『盗みは人のためならず』も併せてお読みください。

感想・レビュー・書評

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  • 中国人が書く中国の小説を読むのはこれが初めてかもしれない。あぁ、中国人の考え方ってこうだよなぁと懐かしさを滲ませながら読み進める。今年映画化したらしい本作。特に最後の第三章はまさに中国人の生き方なのだろう。肉鍋の描写には涎がでそうになった。

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著者プロフィール

りゅう・しんうん
1958年、中国河南省延津県生まれ。
1973年から1978年まで人民解放軍兵士、
1978年、北京大学中国文学科入学、
1982年、同大学卒業後「農民日報」勤務、
1987年、この年発表の『塔鋪』で注目される。
2003年、『手機』が映画化される。
2010年、『我叫劉躍進』が映画化される。
2011年、『一句頂一万句』で第八回茅盾文学賞受賞。
2012年、『温故一九四二』が映画化される。
邦訳は本作の他に
『ケータイ」(桜美林大学北東アジア研究所)、
『温故一九四二』(中国書店)、
『盗みは人のためならず』『わたしは潘金蓮じゃない』
『一句頂一万句』(全て、彩流社)がある。



「2018年 『ネット狂詩曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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