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- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784779170362
作品紹介・あらすじ
古来より人間の徳には、自然を超えたものが三つあるとされてきた。
信と、愛と、希望と。
これらをおこなうことは、自然の法則を踏み越えることを意味する。
なぜならそれは「……であるがゆえに」という因果の法則にもとづいて
おこなわれるのではなく、「……それにもかかわらず」という背理に
もとづいておこなわれるからである。
過去のいつの時代にも、人間は絶望すべき理由を十分に持っていた。
人間の歴史は、血と涙の痕跡にほかならない。
「それにもかかわらず……」人間は信じることを止めず、
愛することを止めず、希望することを止めない。
それはどうしてか。
納得がゆくように説明することは、だれにもできない。
それはただ、人間によって実践される。
もしも、来週のうちに世界が滅びてしまうと知ったら、
われわれはどうするだろう。
その問いに、今日、依然として答えられない。
それゆえ、いまなお「旅」を続けている。
本書は文学・歴史・美術をめぐり省察する旅行記である。