紀行 星の時間を旅して (フィギュール彩 35)

著者 :
  • 彩流社
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779170362

作品紹介・あらすじ

古来より人間の徳には、自然を超えたものが三つあるとされてきた。
信と、愛と、希望と。

これらをおこなうことは、自然の法則を踏み越えることを意味する。
なぜならそれは「……であるがゆえに」という因果の法則にもとづいて
おこなわれるのではなく、「……それにもかかわらず」という背理に
もとづいておこなわれるからである。
過去のいつの時代にも、人間は絶望すべき理由を十分に持っていた。
人間の歴史は、血と涙の痕跡にほかならない。
「それにもかかわらず……」人間は信じることを止めず、
愛することを止めず、希望することを止めない。
それはどうしてか。

納得がゆくように説明することは、だれにもできない。
それはただ、人間によって実践される。
もしも、来週のうちに世界が滅びてしまうと知ったら、
われわれはどうするだろう。

その問いに、今日、依然として答えられない。
それゆえ、いまなお「旅」を続けている。
本書は文学・歴史・美術をめぐり省察する旅行記である。

著者プロフィール

たての・まさひろ TATENO Masahiro
1947年、福岡県生まれ。明治大学文学部名誉教授。
岩手県立遠野高校卒業後、明治大学文学部に入学。
明治大学大学院文学研究科修士課程修了。
その後、同大学文学部教員として
英米文学と西洋文化史を研究。
反戦の思想に立ち、今日の芸術と文学を非暴力探究の可能性
という観点から研究している。
また「道の精神史」を構想し、ヨーロッパへの旅を重ね続ける。
著書に
『精神のたたかい 非暴力主義の思想と文学』
(スペース伽耶、2007年)、
『黄金の枝を求めて ヨーロッパ思索の旅・反戦の芸術と文学』
(スペース伽耶、2009年)、
『世界文学の扉をひらく 1・2・3巻』
(スペース伽耶、2008年、2010年、2011年)、
『日本文学の扉をひらく 1巻』(スペース伽耶、2013年)、
『洞窟の反響 『インドへの道』からの長い旅』
(スペース伽耶、2014年)、
『未完なるものへの情熱 英米文学エッセイ集』
(スペース伽耶、2016年)、
『遠野物語を読む 2   リバティアカデミーブックレット』
(永藤靖、立野正裕著、明治大学リバティアカデミー、2015年)、
『紀行 失われたものの伝説 フィギュール彩 21』
(彩流社、2014年)、
『紀行 星の時間を旅して フィギュール彩 35』
(彩流社、2015年)、
『スクリーンのなかへの旅 フィギュール彩 79』
(彩流社、2017年)、
『スクリーン横断の旅 フィギュール彩 98』
(彩流社、2017年)、
『根源への旅  神話・芸術・風土』(彩流社、2018年)、
『百年の旅  第一次大戦 戦跡を行く』(彩流社、2018年)、
『紀行 辺境の旅人』(彩流社、2019年)、
『紀行 ダートムアに雪の降る』(彩流社、2020年)、
『紀行 いまだかえらず』(彩流社、2020年)などがある。

「2021年 『紀行 忘却を恐れよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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