志位和夫委員長への手紙: 日本共産党の新生を願って

著者 :
  • かもがわ出版
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784780312607

作品紹介・あらすじ

志位委員長は直ちに辞任して、党首公選を行って選ばれる新しい指導部に共産党の改革を委ねるべきだ。党歴60年の古参党員が訴える。

感想・レビュー・書評

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  • 志位和夫委員長への手紙: 日本共産党の新生を願って。鈴木 元先生の著書。日本共産党歴60年の古参党員である鈴木 元先生から志位和夫日本共産党委員長への直言という内容の一冊。共産主義はイメージが先行しがち。共産主義を正しく理解している人は少ない。共産主義というと言論の自由が許されてないような印象を持つ人もいるのかもしれないけれど、日本共産党が風通しの良い組織であることのあらわれなのかも。日本共産党の問題点があるなら改善してより良い日本共産党になればすべての関係者にとって良いことなのかな。

    • 化け猫さん
      戦前戦中から非暴力で反戦活動を続けて来たこの政党を「戦争推進勢力」に組み込みたいのが著者だろう。「安保を容認せよ」「自衛隊を認めよ」と。そん...
      戦前戦中から非暴力で反戦活動を続けて来たこの政党を「戦争推進勢力」に組み込みたいのが著者だろう。「安保を容認せよ」「自衛隊を認めよ」と。そんな事をして、我が国と世界の平和には百害あって一利無しだ。
      2024/01/12
  • 著者の主張の根幹はp52の3行目である。
    戦前から命がけで、言論の力で反戦を貫いてきた*1 100年続く野党=日本共産党に対して、あれこれそれらしい屁理屈*3を付けて「日米安保条約」を容認し、「自衛隊を合憲として認めよ」と言うだけである。

    何故松竹伸幸氏*2や著者の様な人物がこの局面で現れ、同様な主張をするのか。
    これも簡単に説明できる。アメリカの目下の同盟者として、日本を使い捨ての砲台として使うには沖縄のデニー知事等保守に属する人々とも反戦平和や基地問題で一致してその信頼を得ている日本共産党の存在は、所謂「アメリカ帝国主義」即ちアメリカの戦争政策にとって目の上のタンコブ、邪魔な存在なのだ。
    日本国憲法9条とこの政党の存在と活動とその歴史が日本で戦争を防ぐ強固な防波堤になっている。

    これから「憲法9条」を名実共に破壊し、「新しい戦前」を作り出すには是非ともこの政党を内側から破壊したいとアメリカ帝国主義は考えている筈だ。

    この政党には日本が侵略戦争を始めても果敢に言論の力で反戦レジスタンスを闘った歴史*1がある事を彼等は知っていて、事前に(業界用語で言う)右転落、分裂、非合法化させようと狙い、スパイとして利用しているのが著者や松竹伸幸氏だと私は考える。

    事実上CIAに組織された、クーデターであったウクライナのマイダン革命等の中東、東欧で吹き荒れた所謂「カラー革命」と同様にして日本共産党を、それも内側から破壊しようとしている、その先兵が著者や松竹伸幸氏である。

    しかし滑稽である、スターリン以降の旧ソ連や旧ソ連圏の政権や現ロシアは民主主義とは程遠い存在だったが、それらとは全く逆に日本共産党は、戦前戦中の絶対主義的天皇制下で、「民主主義」と言う言葉を使うだけで特高に捕まり虐殺さえされた時代から、それこそ命がけで民主主義の確立と平和の為に闘って来た政党である。

    著者が願っているのはこの政党の「新生」では無く破壊である。

    そしてこの政党の問題だけでなく、わが国と地球全体の平和、民主主義の為に著者や松竹伸幸氏の本質を明らかにし、反論、反撃することが必要だと思う。

    しかしマスコミは著者や松竹伸幸を庇う論調だ。「異論を排除する政党」であると言う屁理屈は成り立たない。この政党は「自由と民主主義の宣言」で、たとえこの政党が単独政権を担う事になったとしても国政や地方議会にはこの政党内の役員選出等の方法は適用させないと国民に対して約束してかなり久しいのだ。

    概ね同じ考えの人々が集まって政党等を作る。この政党は不一致点の留保は認められている。

    そして多様な考え方の人々が集まる、国や地方政治と政党の在り方とは異なるものである。

    これ等を恣意的に混同させて攻撃する事は民主主義の根幹の一つである「結社の自由」への攻撃に他ならない。つまり民主主義の根幹問題なのである。

    即ち、著者や松竹伸幸氏の行っている事こそこの国からの「異論の排除」その物である。
    つまり、「日米安保条約を容認せず」、「自衛隊を違憲として国民合意の元その解散を目指す」と言う異論をこの国から排除しようとする事である。

    こういうのを「ファシズム」と言うのではないのか。

    昔から「反共は戦争の前夜」と言われて来たが、この方向性はこの政党を封じ、いつか来た道、結社の自由を潰し「体制翼賛」そして戦争への道だと警告する。

    著者や松竹伸幸氏はどのような経緯で「戦争勢力=アメリカ帝国主義」の手に落ちたのかは定かでは無いが、旧ソ連の手に落ちてそのスパイとしてこの政党内で暗躍した人達と同じく、この政党と平和を願う日本の民主的人士から厳しく糾弾され、この政党から追放される事になるだろう。*4


    *1:呉の軍港や戦艦大和内に「共産主義青年同盟」が組織され言論による反戦レジスタンスが行われた。山岸一章著「聳ゆるマスト―日本海軍の反戦兵士」(1981年)/小栗 勉著「聳ゆるマスト―史伝小説 」(2010年)参照

    *2:松竹伸幸著「異論の共存」戦略https://booklog.jp/item/1/4794972776 参照

    *3:流石にこの政党の「地方組織」に奉職しているだけあってコトバは良く知っているが曲解も得意だ。

    *4:松竹伸幸氏は既に除名処分された。
    「しんぶん赤旗」2023年2月10日付2面参照。
    党是と異なる異論を留保したから除名処分を受けたのではない。
    自らそれを認めて参加した筈の規約や規則を破って公然と自らも参加していた政党を外部から攻撃したのだから除名処分は何処の政党でも当然だろう。
    著者も3月15日付でこの政党を除名された。
    「しんぶん赤旗」2023年3月17日付4面参照。
    民主主義のための運動にはファシストの居場所は無いだろう。

    https://booklog.jp/item/1/4530017184
    書籍等での松竹伸幸氏、松竹元氏の主張への当該政党の公式の反論集である。
    私が個人的に論じるのとは異なる。そして安価である。¥270-

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著者プロフィール

熊本県立大学教授
著書・論文:『室町連環 中世日本の知と空間』(勉誠出版、2014年)、「物語草子における形式の問題―『横座房物語』の場合」(『国語国文』第86巻第2号、2017年)、「京師巡覧〈稲荷〉贅註」(『朱』第62号、2019年)など。

「2020年 『乱世を語りつぐ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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