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- Amazon.co.jp ・本 (101ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781410098
作品紹介・あらすじ
◆梅林を額明るく過ぎゆけり
昭和十三年、大阪の大手前高等女学校(現在の大手前高校)を卒業したころ、『昭和文学全集』(改造社)の「俳句篇」を読んでいて、古めかしい俳句の多い中、日野草城と山口誓子の句に目が止まった。たまたま阪急百貨店の絵画展に出かけた際に、同百貨店の一階ロビーの書籍売場に出ていた俳誌「旗艦」を手にとり、そこでかねてより俳号といささかの俳句を知っていた草城の作品を目にする。あきらかにそれまで読んできた俳句とはちがうということに惹かれ、当時の草城がどういう経緯をもっていた俳人であるのか、「旗艦」がどういう俳誌であったのか詳細も知らず、昭和十三年の暮にこれに投句を始める。
掲句は「旗艦」48号に初入選した句である。〈額明るく〉に若い女性の気持ちの明るさがうかがえる。
(昭和十四年)
感想・レビュー・書評
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大正から昭和、平成までを生きた俳人・桂信子の作品から、弟子の宇田喜代子が百句を選んだアンソロジー。25歳で結婚したが2年後に夫が急逝、以後ひとりで戦争、そして戦後の荒波の中を生きたという。しかし、その句はやわらかく、老いては平明自在の境に達した。孤独や批判など様々な困難の中でも自分の生き方を貫いた人生だった。享年90。「ひとづまにゑんどうやはらかく煮えぬ」「ゆるやかに着て人と逢ふ蛍の夜」「腰太く腕太く春の水をのむ」「窓の雪女体もて湯をあふれしむ」「衣をぬぎし闇のあなたにあやめ咲く」「蓬摘む一円光の中にいて」「ごはんつぶよく噛んでゐて桜咲く」「亀鳴くを聞きたくて長生きをせり」「大花火何と言つてもこの世佳し」
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