大人たちはなぜ、子どもの殺意に気づかなかったか?

著者 :
  • イースト・プレス
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781605043

作品紹介・あらすじ

子どもたちの「脳」にいま、起こっていること。"発禁"の書『僕はパパを殺すことに決めた』著者が徹底追跡でつかんだ、子どもの心との向き合い方。

感想・レビュー・書評

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  • …私、この人嫌いかも。
    『少年A矯正2500日』の時も思ったんだけど、先天的な機能障害と決めつけ過ぎな気がする。

    この人がよっぽど鈍い中高生時代を過ごしたのか、
    私がやっぱり発達障害なのか…なんだろうな。
    後者の方が、ありそうか(^^;
    いや~でも、程度の差こそあれ、皆そんな危ういところを綱渡りみたいにして、生き延びたんじゃないのかな?思春期って。
    少なくとも私は著者が「不可解」と表現する彼らの行動(もちろん殺人は除くけど)「あるある」「あぁ~、そうなっちゃうよね」って読むけどな…。

    生まれつきの欠陥のケースも、もちろん無い訳じゃないだろうけど、
    人間なんて、完成品として生まれてこない訳じゃん?
    その後、正常な発達を阻害された要因を、あまりに軽視しすぎじゃないかしら…。
    「先天的」と決めつけることで大事な事を見落としてる気がするんだよねぇ。

    ただ、適切にフォローされなかったことによる二次災害なんだっていう見方や、なかなか見えてこないはずの少年犯罪の経緯や背景の取材力は凄い!
    だから、きっとまた読むんだろうな…私。

  • 発達障害を抱える未成年の犯した犯罪について取り上げられている本。
    事件のあらましからその背景にある子供の発達障害について、詳細に書かれていた。
    後半には発達障害を抱える児童を、家庭で、教育現場で、友人として、どのように支えていけるか、どのような必要があるかを書いてあった。
    教職につく人にぜひ読んでほしい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「教職につく人にぜひ読んでほしい」
      そうですね、でもその前に・・・
      先ず親となる人を対象に、保健所の方が。いろいろ知っておくべきコトをレクチ...
      「教職につく人にぜひ読んでほしい」
      そうですね、でもその前に・・・
      先ず親となる人を対象に、保健所の方が。いろいろ知っておくべきコトをレクチャーするところから、、、
      2012/09/01
  • 発達障害に悩んでいるため、発達障害というワードを使ったこの本を手に取りました。

    この本を読んで以来妙なモヤつきが消えません。自分も下手すればこうなる可能性があるのか?という疑問に頭を巡らす一方、誇張表現もあるのでは?実際事件が起こるまでの物語は筆者が事件の概要を見て筋が通るように作られた創作では?じゃあこの本はなんなのだ?とよろしくない方向に頭が働いてしまいます。
    この本を読んで何を得られたか。正直嫌な気持ちだけというのが答えです。

    単純に読みやすい本だなあという感想もありますが、もしかすると普段本を読まない私のような人間が、目を引くタイトルに惹かれ読んでいくうちに印象操作をされるかもしれないというのもあります。悪い妄想かもしれませんが。

    発達障害の可能性があるなら療養して!こうなるまえに!!そんな強いメッセージは伝わります。

    筆者の発禁本についての弁明もありますが、ただの言い訳にしか見えず、このような発言(?)を書き込む筆者なら、発達障害=犯罪者予備軍 という悪いイメージにしてしまうのも無理はないなと思いました。

  • この本は、発達障害を早く発見・認知し、早く療育しないとどうなるかを示した本としてよむべきものだと思います。
    3件のショッキングな事例が出てきていますが、それを解明したり紹介するのが目的ではないです。
    第6章から8章までの親が何ができるか、学校が何ができるか、司法がなにが出来るかがメインの本です。
    この本で言及されているソーシャルスキルトレーニングSSTを学ぶ必要があると思いました。
    特に小中学校の先生とその親に読んで欲しいですね。

  • 発達障害についてはまだ解明されていない事も多いようですが、育て方の問題だとか、テレビの見せ過ぎだとか訳の分からない事が書いてある本ではありませんでした。
    障がいについても詳しく書かれているので、とても興味深く読めました。

    ただ、どうしても犯罪における「心理」というのは加害者・被害者本人たちにしか分からない事も多いのだろうなと思わされます。
    いくら本人にインタビュー出来たところで、本当の理由は当人達しか知り得ない。
    更にこの本で取り上げられているのは、他人との関わり方に問題を抱える人も多い発達障害の方々なので尚のことです。
    難しい問題だと思います。
    発達障害が怖い物、犯罪を犯す人と考えてしまうような人が増えてしまうといけないですね…。

  • 発達障害についてかなり詳しく書いてあった。
    この本で挙げられていた3つの事件についても詳細に書かれていたけど、それでもやはり犯行に至る動機がわかりづらいかなあという印象。
    でもこうやって、彼らの心情をつかもうとすることは発達障害と少年犯罪の関連を考える上でとても大事だと思う。

  • 発達障害について取材し、子どもたちの心と向き合う内容の本。
    以前の著書『僕はパパを殺すことに決めた』が発禁となったことについても書いてありましたが、それをここで書くのは違うんじゃないの? と個人的には思ってしまいました。

  • 1

  • 「少年犯罪」が起きたときにだけ、執拗に衝撃的に報道を垂れ流す今の日本の報道。また、それをそのまま鵜呑みにして興味本位で周りに垂れ流す大衆。
    ほんとうにやりきれない。
    と、思っている人に、ぜひページを繰って欲しい一冊です。

  • 『僕はパパを殺すことに決めた』の著者の最新本。これは只今絶本のハズ。
    実は3年半程『出版停止』だった事を初めて知りました。

    著者の言いたい事がやっと分り始めたって感じ。
    今まで『色眼鏡』とかで見てた感じがあったので、この本で『警鐘を鳴らす』って態度をハッキリと見せてくれた。

    ただ。
    少年犯罪=障害 と決め付けているメディアとか、医師とかいるのは間違いない。
    それがオーソドックスに、インパクトを付けて偏見を持たれたくない。

     普通の子 って誰が決めるの?
    カメレオンみたいに その場その場で色を変える のは大人も同じじゃないのかな?
    なんて思ったりして。

    8章から成り3つの大きな事件を(『佐世保小6女児同級生殺害事件・静岡タリウム少女母親毒殺未遂事件・奈良エリート少年自宅放火殺人事件)を軸として 障害とはなんぞや と問いかけている。

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著者プロフィール

ジャーナリスト・ノンフィクション作家。日本発達障害システム学会員。地方局アナウンサーからブルームバーグL.P.でファイナンシャル・ニュース・デスクを務め、独立。著書『少年A矯正2500日全記録』(文春文庫)など。

「2018年 『となりの少年少女A 理不尽な殺意の真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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