- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781611693
作品紹介・あらすじ
刑期を終え出所したばかりの運び屋"シェイク"がコケティッシュな嘘つき女"ジーナ"を救ったばかりに大金と聖遺物をめぐる奔走劇にまきこまれる。追って追われて、最後に笑うのは誰なのか?愛すべき悪人たちの騙し合い…精緻な伏線で構成された超弩級エンターテイメント小説。
感想・レビュー・書評
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LAとラスベガス両方のギャングから追われるという設定や小洒落たエンディングはいかにもハリウッド的であり、近作の『11月に去りし者』にもそんな雰囲気を漂わせているところに、巧みなストーリーテリングだけではない作者の醍醐味が感じられる。
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刑期を終え出所したばかりの運び屋〈シェイク〉がコケティッシュな嘘つき女〈ジーナ〉を救ったばかりに大金と聖遺物をめぐる奔走劇にまきこまれる。追って追われて、最後に笑うのは誰なのか? 愛すべき悪人たちの騙し合い……精緻な伏線で構成された超弩級エンターテイメント小説。
原題:GUTSHOT STRAIGHT -
『11月に去りし者』で久々に手ごたえのある筆力を持った作家と出会えたことが嬉し過ぎて、たった一冊のルー・バーニーの古い翻訳書を手に入れ、ようやくこの作家の世界と再会することができた。なるほど、前半はほぼロード・ノベル。こういう作風を得意とする作家である。
しかも善玉悪玉ともに人間味があり、捨て難い印象を残すため、文字通り、善悪入り乱れてのもつれにもつれ合う、ひっきりなしの逆転ストーリーであっても、読者の側に、さほどの混乱は起きない。だからこそ、この作者の筆力に、ぼくはまたも着目してしまう。
善悪と書いたものの、善なる人(たいていは被害者の側)はあまり登場しない。ほぼ登場人物の大方は、腹に一物抱えた煮ても焼いても食えないような男女ばかりだ。ひっきりなしの対決と駆け引きのシーンにアクションが混じるのだが、思いのほか暴力的な印象は多くない。からっとクールな緊張感と、独特に過ぎるユーモラスな会話がページを快適なステップで躍らせてくれるのだ。
リズム感と疾走感と、人間のもつ純粋な温かみのようなものが、悪党だらけの世界であるのに溢れ出る。
主人公であるシェイクが監獄を出所する間際の暴力すれすれシーンに始まり、出所後すぐに手にする一見簡単そうだがその実あまりにもやば過ぎる仕事。そしてこの作者ならではの独特の女性描写の巧みさが活きるアンチ・ヒロイン、ジーナの登場。スムースに終わらない取引と裏切りと化かし合い。組織対個人。独特過ぎる宝物の争奪戦。
LA、ヴェガス、そして舞台はパナマシティに。運河を介して、太平洋とカリブ海に挟まれた太陽の町を舞台に、ユーモラスでスリリングな世界が広がる。エルモア・レナードを想起させる明るくドライなピカレスク・スリラーは、ページをめくる手を止めることのできない楽しさでいっぱいである。
もっと沢山この作者の本が読みたい。でも今は読み終わった二作しか日本語作品はない。『11月に去りし者』の人気に押されて次々と作品が日本に紹介されてゆくことが期待される。何度も言うがルー・バーニーは真の実力派作家なのである。 -
CL 2020.1.2-2020.1.8
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出所した詐欺師の男
かつていい感じだった女マフィアのつてで、車を運転して、ブツを受け取ってくる簡単な仕事を紹介され。
しかし、渡された車のトランクには女がいて…(ここまでくると「トランスポーター」っぽい展開)
詐欺師どうしの駆け引きが
ひたすらクールに描かれます
なんとなくオーシャンズ11っぽいなって思ったら、著者紹介にオーシャンズの監督にも絶賛されてるとの文が…そりゃそうだろうよ。
って、同じコメント書いてる人いるし
やっぱりみんなそう思うってことか
脇役かと思った奴が意外に活躍してく(と言うよりどんどん巻き込まれる)のも良かった。
ある場面が、わたしには
「結婚式での誓いの場面」にも読めた。 -
ガットショット・ストレート
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一気に読んだ。面白かった!
ガイ・リッチーが撮ったルパン三世、という感じ。
私、ルパン見たことないんだけど…多分そう外れてないんじゃないかと…。
ずる賢い割に詰めが甘くて情に流されるところのあるムショ出たての男と、嘘と若さで男も女も利用する美女の逃避行。
そこに多彩な登場人物が絡むのだけど、彼らの視点からも物語が語られるのがとてもいい。
後味も爽快だった。