文系が20年後も生き残るためにいますべきこと

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781615189

作品紹介・あらすじ

「文系は本当に使いものにならない」のか……。
人工知能の台頭、超高齢化社会への突入、終身雇用や新卒一括採用の終焉……。
いま、これまでの常識が通用しない激動の時代が訪れている。
そんな時代を、これといったスキルを持っていない文系は、どうやって生き残っていけばいいのだろうか。
数々の外資系投資銀行で活躍した著者が提言する「つぶしが効く」文系になるための人生戦略。

これから起こるであろう大きな変化の流れは、おそらくは抵抗しても止められない。
であれば、そうした変化が来るとの前提で、われわれは準備すべきだ――。


・20年後、あなたの仕事は機械がやっている
・20年後、ホワイトカラーもクリエイティブもいらなくなる
・20年後、「事務・販売・接客」の仕事がなくなる可能性が高い
・理系の非正規率17%、文系の非正規率38%
・新卒一括採用の終焉で、文系のリスクは高まる
・世界では通用しない「文系・理系」という区分
・「リベラル・アーツ」から「リベラル・サイエンス」の時代へ
・文系の成長は18歳で止まっている?
・文系大学が職業訓練校になる?
・「リスクを取らないこと」がリスクになる日
・不確実な未来を生き抜くための「羅針盤」
・「会社のため」より「自分のため」に努力する
・「三種の神器」を手に入れる
・統計・確率を意識し合理的に考える
・自分の限界よりも「ちょっとだけ」がんばる


はじめに 20年後も生き残る文系の条件
第1章 20年後、文系の仕事の3分の2はなくなっている?
第2章 日本型雇用の崩壊で文系の居場所がなくなる
第3章 リスク要因と化した日本の文系教育
第4章 20年後に生き残る文系の条件
第5章 文系のあなたの人生を一変させる「9つの戦略」
特別鼎談 鈴木淳氏×福原正大氏×岩崎日出俊氏

感想・レビュー・書評

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  • 文系が生き残る三種の神器は『英語』『ファイナンス』『コンピュータ』である。これは市場価値を上げるのに役立つ。
    世界を変えるのは異端児。異端児は日本の会社では出世できない。社長は上司の顔色を伺って登りつめた人。そんな人には異端児は使いこなせない。グローバルと日本の差異と成功要因が垣間見れた。

  • ・図書館で出会った
    ・文系と括ることは意味がない。理系的な教養を避けてきたのであれば身につけるべき。この先求められる教養である事。
    ファイナンス
    プログラミング
    イチロウの言葉「人の二倍の努力とかではなく、自分の限界からあと少しの努力」心に刺さる。

  • 就職活動をしていた大学4年生の当時、私はとても苦労した。企業はリーマンショックから徐々に立ち直ってきていて、売り手市場であったにも関わらず、なかなか内定を貰うことができなかったのだ。

    私立大学の文学部に所属していた私は、当時、社会のことを何も知らなかった。仕事に直結するようなスキルは何一つ身に着けておらず、人に誇れるような特技や実績も無かった。
    「あなたは、当社の社員として、どのような貢献ができると考えていますか」
    就職活動中、面接官にそう聞かれると、いつも答えが出てこなくて苦しんだ。

    子供の頃から本が好きで、物語が好きで、私は文学部に入った。授業は楽しかったし、好きなことだけを学べる大学生活は幸せだった。
    だが、就職活動で惨敗を繰り返すうち、私は自らの選択を後悔するようになってしまった。自分は大学で、いや、これまでの学生生活すべてにおいて、生きるために必要となる知識や技能を、ほとんど身に着けることができていないのだと思った。学校の成績はいつも比較的優秀だったが、学校の勉強ができる人間と、社会で通用する人間は違うのだと考え、すっかり自信を失ってしまった。

    なんとか就職が決まり、正社員として、現在の会社で働けるようになってからも、あの頃の辛い日々を忘れることは無かった。今にして思えば、忘れなくて本当に良かったと思う。お陰で、社会に対して無知な自分に危機感をもち、新聞を読んだり、色んな本を読んだりして、自ら勉強、行動する原動力を得た。
    結果、今では「優秀な若手社員」の一人として、社内のあちこちで認めてもらえるようになった。上司や同輩など、共に仕事をする人々からも頼りにしてもらっていると感じている。

    だが、そんな今も、安心はできていない。自分の心の中から「危機感」だけは拭えていない。むしろ、危機感は日に日に深まっている。これは、入社当時に抱いていた危機感とは、また異なる種類の危機感で、社会のことを多少勉強したからこそ、深刻に感じられるようになった。
    それは、「今の会社が無くなってしまったら、私は生きていけるのだろうか」という不安から湧き起こる危機感だ。

    現代において、絶対的な価値を持つ企業は存在しない。50年、100年と長く続いた企業であっても、ある日を境に事業価値が揺らぎ、存続が危ぶまれ、破産に追い込まれてしまうことがある。
    人の価値も同じだ。「この技術さえ習得すれば、50年先も、100年先も、絶対に食べていける」などということは、あり得ない。
    真の安定を手に入れるためには、企業も人も、避けられない変化に対応し「続ける」ことが求められる。波のように次々と迫る変化に対して、じっと動かずにいると、あっという間に飲み込まれ、生きていけなくなってしまう。

    本書のタイトルは、大学の文学部を出て、不確かな未来に脅かされる私の心に刺さった。
    著者の岩崎さんは、未来の社会に対する恐怖を、がむしゃらに煽るようなことはしない。未来の社会の姿を、現在の状況から可能な限り予測し、生き残っていくための方法を懸命に考えようとしてくれている。読者を行き止まりに追い込むのではなく、未来で生き残るための道に案内してくれるのだ。前向きな言葉の数々に、私は背中をぐっと支えられた気がして、心強く思った。

    本書は3年前に出版されたものだから、論拠となっている情報の鮮度は間違いなく落ちている。だが、主張の核、要旨は、出版から3年経った今も、まだ十分通用するのではないかと思う。

    これからの社会と、自分自身のあるべき姿。それは、本書の内容だけを頼りに考えるのではなく、目の前の社会の動向を絶えず分析しながら考えていくべきだろう。正しく未来を怖がることで、心の中に満ちる危機感を少しずつでも、立ち向かう勇気に変えていこうと思う。

    学ぶことをやめれば、生き残ることはどんどん難しくなっていく。一方で、学び続けていれば、活路を見出せる可能性はどんどん高まっていく。それは確かだと思うから、自分にできることを毎日精一杯やっていきたいと思う。

  • メモ
    ・AIに代替される100種のうち、15種が事務職(医療事務、学校事務、経理事務、行政事務など)、また販売・接客も多い。逆に医師、美容師、調理師は代替されにくい。→でも激務で薄給だと思うけど・・・(医師は奨学金返済してたらいいかもだが)
    ・文系の73%が事務・接客・販売についている。理系は18%
    ・欧米やシンガポールでは金銭解雇は一般的、上限は1~2年分の給与が支払われる
    ・非正規は文系38%、理系17%
    ・年収も理系の方が高い(平均46歳で559万円と601万円)
    ・正社員と非正規の間にこれほど差があると(非正規は正規の6割)、一度正社員になれたら「なんとしてもここにしがみつきたい」という発想になってしまう→確かに・・・
    ・調べることはネットで簡単にできる、経営者が求めるのはロジカルに考える力、正解がない答えを突き詰める力
    ・数学を短期間で克服する生徒の共通点は、国語力に優れていること(『根っからの文系のためのシンプル数学発想術』)
    ・ディベート(アメリカ大統領のテレビ討論会を見てみる)
    ・確率を数字で合理的に判断(デシジョンツリー)
    ・クリティカルシンキング
    ・読書
    ・シャープでだけ通用する文系の人は他社ではいらない
    ・文系理系と言ったって、たかが高校・大学の6~7年の勉強内容のちょっとした差に過ぎない。それだけであなたの100年近い一生が左右される必要はない→100年は大げさだけど、まあ職業人生40年でも4分の1以下だな。ただ転職には年齢制限があるのも事実

    新卒採用について、「学生時代に大して勉強していなくても面接さえ得意なら、学歴があれば、就職には困らなかった。」という文があって、まさに自分は勉強したけど面接苦手で難航したタイプ。たしかに新卒重視の採用はなくした方がいいと思う。日本の面接自体がアホらしいし(グループディスカッションやがくちか含めて)、2,3回面接しただけでポテンシャル判断できるんだったら3年で3割もやめてないよな。面接官の目が節穴な証拠。そのうえで文系も職業に直結するスキルを(も)身に着けておくことには同意。筆者がいう英語、プログラミング、会計もそうだし、それ以外のスキルも。飲食店やサービス業だけじゃなく、企業でもバイトしておけばよかったかもなー。高校の時にすでに英語コースに進学して、自動的に文系になったけど、センター試験のために数Ⅱ・Bや生物、化学も勉強した。特に数学はもっと勉強しておけばよかったなあと思う。Bはわけわからんくて挫折したけど、微分積分とかは解けた時の快感は、ほかのどの教科よりも高かったことを今でも覚えている。


    読んだことある本
    ・七十歳死亡法案、可決
    ・チーズはどこへ消えた?

    参考文献
    ・小学生から始めるわくわくプログラミング

  • 2019年 20冊目
    『文系が20年後も生き残るためにいますべきこと』
    ・分析力、ロジカルな思考、ディベート力。
    ・ゴールはどこかを間違えない
    ・三種の神器(英語、ファイナンス、プログラミング)

    苦手とか言ってる場合じゃなくてもっと勉強しなきゃね〜
    AIとロジカル思考法とかそこら辺読も〜〜

  • 文系・理系に関わらず、近距離ゴール型の思考を変えていく必要がある。
    英語を勉強することの必要性を感じる事が出来ていない自分は、まだまだ近距離ゴール型だな…
    ともあれ、毎日少しずつでも自分を研磨していく事を意識していこうと思う。

    決定木は色んな所で使えそう。

    割と聞いた事のあるような話が多かったのと、筆者のエピソードが一々自慢に思えてちょっと嫌だった(努力してる人なんだろうけど)

  • 【所在・貸出状況を見る】 https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/207173

  • 刺激的なタイトルだな、と思うのは、自分が文系だからでしょう。
    そういう読者が多いと思われます。

    自分の仕事がなくなる、自分の存在意義がなくなる、わかっていながら何もしないことが一番のリスク。

    何年も同じしごとをしていると、口ばかり上手になって、やらない理由を探すのがうまくなりがちです。
    そうならないために、新しい武器を探し続けないといけないことをよくよく、理解させてくれます。

  • 三種の神器
    1.英語
    2.ファイナンス
    3.プログラミング
    この三つを手に入れることで、市場価値は格段に上がる、とか。
    英語はTOEICというある程度の基準が測れるものがあるが、プログラミングとかファイナンスについてはどうなのか。でもやっておくか。

  • 【全体】
    未来を見据えた仕事との向き合い方を考えさせられる本でした。自分自身を見つめ直し、自分のために学び続けようという気持ちになります。
    タイトルだけを見ると、文系に限定した話のように見えますが、理系の人にも通ずるところはあるので、理系の人にもおすすめできる内容です。

    【本書をおすすめしたい人】
    ・文系出身の人
    ・これから文系大学へ進学する人
    ・将来に漠然とした不安を感じている人
    ・教育に興味のある人
     (文系学科の教師の方々にはぜひご一読いただきたいです)
    ・自分が目指す仕事の方向性を考えたい人

    【注目ポイント】
    ■”リスク”とは・・・?リスクについての考え
    ”リスクを取らないことがリスクとなる日”が来る、その日までに自分に何ができるかの考えが参考になりました。

    ■著者の海外生活経験を活かした米国と日本の文系教育の比較
    実際に文系として学生生活を送ってきた身としても著者が指摘するような問題点は感じており、これからの時代に合わせた教育の必要性を感じた。(もちろん、一括りに”文系”に問題点があるとは言えないし、私は文系の学問が大好きです。)

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著者プロフィール

1953年、東京生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、日本興業銀行へ入行。スタンフォード大学経営大学院で経営学修士(MBA)を取得。J・P・モルガン、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズの各投資銀行でのマネージング・ダイレクターを経て、経営コンサルタント会社「インフィニティ」を設立。著書に、『投資銀行』(PHP研究所)『気弱な人が成功する株式投資』(祥伝社新書)『残酷な20年の世界を見据えて働くということ』など。日経CNBCテレビでコメンテーターを務める。

「2016年 『不透明な10年後を見据えて、それでも投資する人が手に入れるもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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