読書する女たち フェミニズムの名著は私の人生をどう変えたか

  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781618944

作品紹介・あらすじ

「男女に格差なんてある?」と思っていたのに、いざ社会に出てみると「女」であるから降りかかるしがらみや災いが多すぎる!
女に生まれたモヤモヤと対峙するために必要な、フェミニズムの思想とその歴史を、14の名著をひもとく講義を通じて身に着ける。

感想・レビュー・書評

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  • 男女平等の風潮の中、フェミニストであることを当然のものとして学生時代を過ごした著者が、仕事、結婚、出産と育児を経験し、大学の講義を受け直すことでフェミニズムと「再会」したことを綴ったエッセイ。
    フェミニズムの流れをざっとではあるが追うことができるのと同時に、じゃあ現実とフェミニズムはどう関わるのか、ということが語られ、血の通ったものになっている。
    女性が存分に働くために、ハウスキーパーやベビーシッターを雇うことは別の女性(特に移民など、ジェンダー以外でもマイノリティである)を狭い現実に押し込めておくことではないのか、といった問題も、実生活を通して書かれるので一層重みがある。
    一家庭でどうこうじゃなくて、社会構造を変えないとなんだよね…。

  • フェミニズムを知るならこの本!っていうオススメ13冊を、著者のエッセイ形式で紹介してくれる。
    ここにやっと『第二の性』あったぁーー! ……当たり前だが。
    家事と育児と仕事に疲れ、今の生活を得るためにわたしは何を失った??とちょっとでも感じてる人。『82年生まれ、キム・ジヨン』を観て何かを感じた人。本を!本を読もう。前に進むために、ね。

  • 本は読まない方がいい? 読書はあなたの人生を狂わせる - wezzy|ウェジー
    https://wezz-y.com/archives/80578

    Reading Women by Stephanie Staal | PublicAffairs
    https://www.publicaffairsbooks.com/titles/stephanie-staal/reading-women/9781586488727/

    書籍詳細 - 読書する女たち|イースト・プレス
    https://www.eastpress.co.jp/goods/detail/9784781618944

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      全然関係ないのですが、とっても良いお店(だと思う、訪れたコトはありませんが)
      本もごはんもいい、一日中いられるお店「784 JUNCTIO...
      全然関係ないのですが、とっても良いお店(だと思う、訪れたコトはありませんが)
      本もごはんもいい、一日中いられるお店「784 JUNCTION CAFÉ」 | Asobon!web
      https://www.surutto.com/asobonweb/spot/2038.html
      2020/07/29
  • 共働きの両親(育児を早々に切り上げて仕事一筋だった母と、ジェンダー差別に敏感な父親という特異な両親)のもとで育った筆者。大学時代に自分のジェンダーと改めて向き合い、フェミニストを自称する筆者だが、結婚出産子育てを経て疎外感、孤独、違和感を味わうに至り、大学時代に受けたフェミニズム名著の授業を履修し直し、読み直すという物語。語弊を承知で簡潔に要約すれば、「フェミニストがフェミニストとして結婚出産できるのか」「フェミニズムと結婚出産は両立するのか」探った本。

    一見、ただの学術書の紹介かと思って少し腰が引けるのだが、名著を読み解くのと並行して、筆者の母親/妻としての経験が丁寧に、時に包み隠さず語られていて、共感することしきり。

    男女は差異なく社会に進出できるものと信じて疑わなかった若かりし自分。しかし、前世紀のフェミニスト達が生き様で示した新しい女性のあり方(例えば敢えて結婚しない、第三者との恋愛関係をオープンにしておく等々)を踏襲できるような人はたぶん一握りで、大半が結婚出産という王道をたどり、子育てと仕事を両立させようとするけれどどうしても子育ての比重は女性である自分にのしかかり、かたや男性は仕事や生活そのものが従前のまま継続することが可能で、子育てや家事もするのだけど、男性が担わない「その他」は全て女性に降りかかってくるという構図。自分が描いていた人生とのギャップに苦しみ怒りが込み上げる。

    特に筆者夫妻は2人とも在宅勤務なのだが、安定した収入を確保できるIT系の夫に対し、ライターの筆者は稼ぎが少ない上に競争の激しい部門で子育てしながらしのぎを削って消耗。その空回りする様子は、おりしも自粛期間中に仕事をしながら休校期間中の子供の勉強を見て昼ご飯を作っていた怒れる自分(と浮いた通勤時間をジョギングと筋トレに使っていた夫)に重なり、コロナ禍で疲弊した女性陣に共感する人が多いのではないかと思う。

    同時に、だからといって子供を産み育てるという選択肢を手放せたかというと、それはまた別次元の話。フェミニズムを語る現役大学生たちの教室の中に、筆者は「愛という名の白いゾウ」がいるという、その部分に深々と頷いてしまった。

    フェミニズムの本を読み返したところで結論は出ないのだけれど、失われてしまったと思い込んでいた「あの頃の私」と今の自分が繋がっていると感じられた最後の場面が素敵だった。今の自分を20歳の自分が見たら嘆いているだろうか。選択しなかった方の人生を歩んでいたら、満足度は違っていたのだろうか。そんなことを改めて考え、私も自分の中のあの頃の自分ともう一度対話してみたいと思った。

  • 育児中の1人の女性の読書と受講を通して、フェミニズムの流れがわかった。ステファニーの悩みに共感しながら、時には彼女の私生活を心配しながら先を急いで読んだり、またはフェミニズムの名著を理解するのに時々立ち止まり考えながら読んだ。著者の願い通り、ここに書かれている名著を読み、引き続き学んでいきたいと思う。

  • 書評がつらつらと書いてあるのかと思ったら、著者のエッセイを交えながら、フェミニズムの名著を紐解いていく本だった。

    妊娠中の私としては、バリキャリだった著者が出産・育児で自身を見失ったり、家庭内の仲が冷えていく様子に私もこうなるのかな…とやや恐怖を覚える部分もあった。

    ただ、彼女が大学でフェミニズムを学び直し、女性として母として、自分を取り戻していく過程には勇気をもらえた。
    女性であり母である苦しみも喜びも経験して、また新しい自分を見つけ出せたらいいな。

    育児中に辛くなったら、また読み直そうかなと思える作品でした。

    @図書館

  • 普通に本の感想集かなと思ってたので、予想に反してとても良い内容だった!!
    こういう、ある本と個人的な経験を結びつけて作者なりの思いを語っていく本は大好き。

    読んだことのある本、積読している本がたくさん紹介されてた。私も何回も読み直そう。

  • 学生時代にフェミニズムの講義を受けキャリアを積んだアラサー女性が、結婚し子供を産み、もう一度自我へ立ち戻るため母校でフェミニズムの講義を受け直し感じたことの記録。講義のため過去の文献の紹介があり、また同時に本の感想を語ってくれるため親近感がわき、フェミニズムの流れをざっと把握できた。
    
    本の感想はなかなか深く、それだけでも読み応えがある。一つ残念だったところは、いま進んでいるストーリーと、本を読むために引っ張り出す記憶とが、時たまごちゃ混ぜに読めてしまう構成だった。日記のように読み進めると立ち止まってしまい、読書記録として読み進めると雑念が多い。だけど生活を生きながら学問をするとはそういうことだ。ある意味で生々しい思考の記録と言える。
    
    ブックガイドの役割というよりは、アラサー世代で結婚や子どもという価値観に手詰まりを感じている女性に、先人の知恵として差し出せるのではないかとおもう。結婚生活の具体的な悩みについても書かれているので、子育て中の世代にもよいのだと思う。機会があれば、タイミングが合えば、ぜひ多くの人に手に取って欲しい。
    

  • テーマは興味深いのに、文章が読みにくすぎて1ヶ月かかっても読み終えなかった。
    メアリーウルストンクラフトの話とか色々メモはした。

  • 難しかった。アダムとイブの時から女性は抑圧されてきたのかあと思うと、今は随分と良くなったのでは。最後に出てきたバグダッドバーニング読んでみたい。

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著者プロフィール

ステファニー・スタール
作家。『コスモポリタン』『グラマー』『マリー・クレール』『ワシントン・ポスト』等の新聞・雑誌に寄稿。作家としてのデビューは両親の離婚が自身に及ぼした影響について語った自伝的作品、The Love They Lost。バーナード大学卒業後、出版関係のエージェント勤務。その後コロンビア大学大学院ジャーナリズム科で学び、新聞記者をしていた時期もある。本書執筆後にブルックリン・ロー・スクールで法律学の博士号を取得、現在はNYのライター養成学校で指導にもあたっている。夫と娘とともにニューヨーク市ブルックリン在住。

「2020年 『読書する女たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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