- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781619040
作品紹介・あらすじ
若者の洋画離れ、終わらない80年代リバイバル、不毛なポリティカルコレクトネス論争、世界を埋め尽くすディズニー帝国の覇権、ファンダムの肥大と映画評論の衰退……今、映画にある危機!
感想・レビュー・書評
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てらさわホークと 高橋ヨシキが飲み屋で飲んでいる延長で、映画について語りまくる。
二人の映画の知識の多さ、引出しの多さが楽しい。
アメリカ映画への愛は深い。
巨大な権力が、民衆の自由を奪う事に怒りを覚えている二人なのだなというのが印象深かった。
悪趣味なモンド映画好きでも、中年になった真面目さが裏にはあることが分かります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ラジオコンテンツでも良かったかな
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映画にまつわる要素を元にした鼎談集。始めから駄話するぞ、問題提起するぞと構えるのではなく、話した結果、下世話な話から社会問題(その逆も)へと話題がドライブしていく様子がとても魅力的でした。
印象的だった箇所
「弱者同士が連帯しないのはなぜなのかな、といつも思うんだ。ほとんどの人はみんな弱者なんだから、連帯して立ち向かわないと金持ちや権力者にいいようにされちゃうよ」(P.45 高橋ヨシキ・日本の悪い面を描くと国辱映画?より) -
AC/DCとラモーンズ、メタリカ辺りのtシャツ着ている人とすれ違ったとこに、アンガス!とか、ヘイホーレッツゴー!とか、マスター!とか声をかけると、きょとんとされます。でもやるんだよ。
「Tシャツというのは、伝統的にステートメントの表明であったり、ファン同士がお互いに見分ける機能を有していたしたんだけど、そういう意味合いも限りなく破壊された。だって誰でも着てるし、どこでも売っているんだから、希少性とか派閥性に基づいた意味合いがあろうはずもない。」 -
この2人の知識量、熱量、凄すぎる!
尊敬しかありません! -
聴いておもしろいのと読んでおもしろいのは違うっていう話。
当たり前だけど文章にすると、てらさわホークさんの声の良さや、高橋ヨシキさんのユーモラスな話のテンポや"間"の良さ、グルーヴ感がなくなってしまう。 -
高橋ヨシキさんとてらさわホークさんの対談。お二人とも好きなので楽しかった。
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今の映画業界について対談形式で語られた一冊。うーん…問題意識は分かるのだが、何というか語り口が自分には合わなかった。差別反対という主張それ自体にはもちろん全面同意するが、その割に主語が大きかったり言葉遣いが汚かったりなのは気になる。問題提起は興味深かっただけに残念だった。
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読む前は、映画にまつわる面白エピソード満載の対談本かと思っていたが予想に反して現代社会について真面目に語りつつも、挟み込まれるお2人の深い映画への多様な形の愛は予想通りに素晴らしかった。
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とても信頼のおける人達が話しているんだな、ということが伝わってくる帯に目がいって購入。一つ一つの映画を突き詰めてマニア的に語る、というよりは昨今の映画をとりまく環境やその危機的状態について取り上げては片っ端からぶった切っていく対話形式の本なので、そこまで映画に対する造詣が深くない人でも楽しめると思う(少なくとも私は楽しめた)。とっくに結論が出たような話がいつまでも掘り返されてウンザリなポリティカル・コレクトネス論争、いいかげん食傷気味なディズニーの実写化に対して感じていたモヤモヤが見事に言語化された良書。最後の方で「映画批評に未来はあるか」との議題が登場するが、彼らのように倫理観がしっかりした書き手が日本にも存在してくれているなら、まだしばらくは滅びないんじゃないかと思った。