地方創生の罠 (イースト新書)

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781650715

作品紹介・あらすじ

結局できるのは「同質社会」ではないか
人口減少、少子高齢化、空洞化の波は、否応なく地方の安楽な暮らしを奪っている。地方は大都市より不便で人口が少なく、仕事場は中央の補完工場でしかない。いったい、それの何が悪いのか。
視点を変えれば、グローバル化とICT技術によるデジタルエコノミーが進化し続けるいま、地方は直接、世界と繋がることができる。中央発想の「経済成長神話」に左右されることなく、むしろダウンサイズして黒字化を図ることは充分可能だ。身の丈にあった地域経済社会をことが早急に再構築することが地方の真の幸福に結びつく。一刻も早く、20世紀型のインフラ整備、バラマキ振興策を止めなければ、「地方消滅」はより加速する!

感想・レビュー・書評

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  • 地方創生と言いつつバラマキをしているだけで、それをやることで、逆に地方を消滅させる

    1.ゆるキャラb級グルメは効果なし
    ゆるキャラは広告代理店の飯のたね。
    人を呼ぶ効果なし
    B級グルメは乱立してしまっているため、目新しさがない。それに地域に関係のないカフェなどを開いても効果なし

    2.ふるさと納税、プレミアム商品券の詐欺
    この施策に乗る人とならない人で格差が生まれる
    そして勝ち組も永遠ではない
    結局各自治体が損をする
    お金が入ることで、このシステム以外の努力を怠る

    3.成長しなければならないという神話
    安倍政権は地方創生というバラマキを行い、選挙対策とした
    地方創生コンサルも効果のない流行りものを言い、荒稼ぎ

    4.国にも自治体にもアイディアなし
    バラマキをされ続け、思考停止状態に

    5.地方マイルドヤンキー消滅の危機
    地方マイルドヤンキーは地元でしか生きられない
    所得が減り続けているので、車も買えなくなる

    6.新幹線・リニア新幹線が地方を滅ぼす
    ストロー効果で地方のお金が都市部に吸い上げられる
    リニアは効果検証もされないまま、願望や希望のみで進められている

    7.ロボットカーが地域を走る未来
    地方交通は拡大より、テクノロジーの進歩を見据えて、維持、消滅、廃止していかなければならない

    8.ソーラーパネルによる環境破壊
    ソーラーパネルを設置することで、森林破壊が起こる
    買い取り価格は下がっても利回り5%は確保できる
    (設置と発生電力をみたら、赤字)

    9.地方銀行の崩壊が進んでいる

    10.地方議員、公務員なんていらない
    地方議員の給与は地方民間企業の四倍
    その割に成果を上げていない
    地方議員はボランティアでやるべき
    地方議員と公務員の給与を維持するために、格差が広がり、公的な福利厚生費を払えなくなる人が増える

    11.バラマキは政治を破壊する
    バラマキを続けても経済成長は望めない
    アベノミクスは中小企業を破壊した
    アルゼンチンは財政危機と軍事政権の繰り返しで破綻した
    ベネズエラはバラマキで危機に瀕している
    大きな政府は国を破綻させる
    夕張市のような緊縮財政を心がけよう

  • 安倍内閣が進める「地方創生」を批判し、むしろ衰退に任せて、そのなかで幸せに暮らしていける道を探すべきだと主張。
    現在の地方創生は、旧来型の政策に過ぎず、それで地域が活性化することはなく、これからは”どのようにうまく衰退していくか”を考えるべきであり、ダウンサイジングこそが重要だという著者の結論には大賛成なのだが、冒頭の「ゆるキャラ」批判をはじめ、本書の各論があまりにもデータに基づかない印象論的な分析しかできていないことが残念だ。また、横浜出身でずっと首都圏で生活してきたと思われる著者の地方への上から目線を底流に感じ、それも不快だった。

  • バラマキは悪という明快な切り口で地方創生の問題を述べた本。

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著者プロフィール

1952年、神奈川県横浜市に生まれる。立教大学文学部を卒業後、光文社に入社。「光文社ペーパーバックス」を創刊し、編集長を務めた後、2010年からフリーランスになり、国際政治・経済・ビジネスの分野で取材・執筆活動を展開中。
著書には『出版大崩壊』『資産フライト』(以上、文春新書)、『本当は怖いソーシャルメディア』(小学館新書)、『「中国の夢」は100年たっても実現しない』(PHP研究所)、『円安亡国』(文春新書)、『地方創生の罠』(イースト新書)、『永久属国論』(さくら舎)、翻訳書に『ロシアン・ゴッドファーザー』(リム出版)などがある。

「2018年 『東京「近未来」年表』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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