- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781650869
作品紹介・あらすじ
東京五輪を目前に、東京の不動産市場は局地的にバブル化している。しかし、五輪終了5年後の2025年、団塊世代がすべて後期高齢者になり、東京都の人口は減少し始める。にもかかわらず、東京では毎年多くの新築住宅が供給されている。超高齢化の進んだ地方はすでに、タダでももらい手がない不動産で溢れかえっている。2025年、いま地方で起きている不動産暴落の現実が、東京にも襲いかかる。暴落はどこで起こるのか?暴落を回避するにはどうしたらよいのか?不動産バブルのしくみから、大暴落までのシナリオを大胆予想する。
感想・レビュー・書評
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いま、2022年だからあと3年で東京不動産大暴落ということになる。けっこう今がターニングポイントなのかもしれないけど、円が145円になっても日銀は金融緩和スタンスを崩さないし、関東圏のマンションはまだまだ堅調らしくて、ここに書かれた予測がおおかたまだ実現していない。どうなるだろうね。
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その通りだと思う。
新築の絶え間ない増加による空家増加
不透明・寮てビジネスの不動産仲介業者
レインズの開放による透明化は必要
さらにAIによる情報処理で、消費者にとっては良い形になるはず。 -
著者:榊淳司
経歴:住宅ジャーナリスト
第一章 不動産価格が決まる仕組み
ミニバブルの原因
第二章 期間に膨れ上がった東京バブル
アベノミクス、財務省の誘導、黒田バズーカで増えたお金はどこにあるのか、バブルを育てるJリート、バブル崩壊の2パターン
第三章 地方は既に暴落している
公示地価に騙されるな、国交省は地価下落を望まない
タダでも受け手が見つからない土地、都心に危険が近づく
第四章 既に始まっている東京の不動産暴落
バブルに取り残された郊外、35年ローンの危険性、35年後マイホームがお荷物に、空室だらけの郊外アパート、木造の価値は半減する、湾岸エリアの格差、腐っても山手線の内側という視点、金持ちの好きなエリアは底堅い
第五章 暴落へのスケジュール
2017年 米国金利上昇
2018年 黒田総裁退任(結論、してない)
2019年 空き家率発表(13.55%)
2020年 五輪終了(翌年へ延期)
2021年 団塊ジュニアが50代へ
2022年 生産緑地法期限切れ
(税制優遇と同時に営農義務も消え、自由に宅地へ転用可能となる)
2023年 空き家率21%へ
2024年 都の人口が減少へ転じ、高齢者は3600万人
第六章 暴落を避けるために
新築好きなために供給過多、タワマン規制、健康調査、不透明な流通市場→レインズ開放、空き家を取り壊せない法制度の改正、民泊
第七章 暴落という正常化 -
2020年に読んでみると、暴落のスケジュール 2018.2019年の予想はハズレ。しかし、大きなトレンドは示していると思います。中国人のタワマン爆買いなどもあり、首都圏の人気地域のみ限定バブルが起きているのはその通りだし、最近のコロナウイルス騒動が、今後どのように経済へ影響するか分かりませんが、予想もしてなかった(ちょっと前に流行った「想定外」)事柄で、不動産の暴落は十分起こり得ると思います。
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不動産の勉強のため。。。
わかりやすい解説と、根拠を示しながらの自分の展望を述べられていて、初心者でもとてもわかりやすかった。
未来のことは誰にもわからないけれど、備える気持ちが大切なのかな、と考えさせられた。 -
不動産の近年のことから、遡って説明してあるので
わかりやすい。不動産の入門書となっている。
こういう「暴落」本は、あんまり当てにならないが、
ちゃんとした根拠を示そうとしていることに好感がもてる。
不動産価格が暴落するとしても、
著者は「東京の不動産にはまだ救いがある」と思っている。
人口や世帯数が減少する時代に、
日本の不動産がどうなって行くのかは、停滞し、安くなる。
ということは、なんとなくわかる。
それでも、毎年 100万戸近くの新築があり、
供給過剰と空室率が増加している中で
不動産投資はどうすべきか?を考える視点となる。
オリンピックが、2020年に始まるのではなく、終わるのである。
2025年 団塊世代が後期高齢者となる。
そして、東京の人口が減少し始める。
2030年 東京の世帯数が減少に転じる。
モノの価格は、需要と供給の関係で決まる。
不動産は、同じものがひとつしてないということ。
不動産の価値は、立地が9割である。
その上で、暴落を避けるためには。
①透明化されていない流通市場をレインズを開放する
②空き家を取り壊せない法制度の改正。
③区分所有権に出口戦略。
④民泊の合法化
⑤不動産仲介業の正常化
⑥手数料の自由化
ということを指摘しているが、不動産業の法的ルールの変更を求めているのが
この本の最終的結論だとする。 -
"現在は、不動産の局地的なバブルだと著者はとらえている。
人口減少が始まり、空家数も増えているにも関わらず、新築マンションが建ち続ける現状からも、想像できなくもない。
黒田総裁の任期が終わり、新しい日銀総裁が決まれば、異次元緩和も終わり引き締めに入る。すると金利も上昇、不動産業界にとっては向かい風になる。
千葉、埼玉あたりから、土地価格の下落の兆候が見られるらしい。
いずれ来るインフレに備え、固定金利にするか?
本書での学びは、
不動産とは単純な需給関係で価格が決まるものでもない。
だからこそ、バブルも生まれる。
賃貸価格は需給関係で価格が決まるので、相場に大きな変動はない。
オリンピックが開催されるからと言って、住民が増えるわけではない。
一時的に観光客は増えるが、そのあとは何のイベントもない。
相続税は、日本は他の国と比べると劣悪。
生産人口が減る中で税収を上げるには、所得税から消費税へ転換しないといけない。
所得を得る人口が減っても、消費する人口は極端に減ることはないからだ。" -
最後にご提案されていたレインズの開放や手数料の見直しなどは是非実現していただきたい
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[図書館]
読了:2018/4/6
今まで読んだ本と重複しているところもあったので、数時間で読みきれた。
・不動産価格の上昇は、マネタリーベース(世間に出回っているお金)を四倍に増やしたことが理由。その現金が一般消費や企業などの投資に回って物価上昇率2%を目論んだ。しかし人口が減り、モノが売れない、そういった状況で企業は新規投資をしようとはしなかった。その金は、不動産に流れた。今価格が顕著に上昇している山手線内側エリア、城南エリア、湾岸エリア、武蔵小杉、みなとみらいエリアなどは、「住みたい」という実需に支えられたものではない、「局地バブル」とでも言うべき現象。いずれ「空気」が変われば「暴落」は一気に起きる。
・新潟苗場のリゾートマンションは一戸(坪ではない)10万円でも買い手がつかない。千葉県船橋市で75平米3LDKのマンションが390万。そういったマンションでも、一番高い時には数千万で取引されていた。「大暴落」と言って良い。その「暴落ライン」が都心に近づいている。
・35年ローンは「どんな土地でも資産価値は上がっていく」という土地神話を前提としている。今の時代、よほど住宅需要の高い地域で購入しない限り、35年ローンでは残債が資産価値を上回る逆ザヤ状態になるのは必至。35年という年月を甘く見てはいけない。
・危険なのは、短期間に大量供給されたエリア。武蔵小杉の相場は文京区とほぼ変わらない。山手線の内側で有名校も多くある文京区と、多摩川を越えた川崎市の再開発都市である武蔵小杉の相場観が同じ、というのは不健全である。
・2020年に東京五輪が開催されることが問題なのではなく、2020年秋には五輪が「終わる」ことが問題なのである。
・2025年には東京都の人口が減り始める。東京都自身がそういう予測を立てている。
・タワマンの高層階での生活は健康に悪い。常に揺れている状態であることが挙げられているが外出が億劫になり鬱傾向の人の割合が高くなるという研究結果もどこかで読んだ。さらに、災害時エレベーターが止まれば生活が成り立たなくなる。揚水ポンプが止まって水が使えなくなった場合でも、給水車から自宅の階まで運ぶことすらできない。タワマンは「インフラが途切れない」という前提で成立している。インフラが途切れると、途端にただの居場所としての役割さえ果たせなくなる可能性がある。
・物件サイトに載っているのは「残り物」。レインズを一般消費者に開放すれば中古不動産市場は透明化される。 -
図書館本。興味深い内容だった。