- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781695204
作品紹介・あらすじ
兄であるサディアス王子に密かな恋心を抱くアシュリーは、他国の王子との結婚を間近に控え、憂鬱な日々を過ごしていた。そんなある日のこと。サディアスから、王家に伝わる秘密の儀式を知らされる。それは、初夜を不安に思う花嫁のために、王族の者が閨事の手ほどきをするというもので…。兄を信じ、言われるがまま純潔を捧げるアシュリー。しかしそこにはサディアスの仄暗い思惑が潜んでいて-。
感想・レビュー・書評
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二人の心情、ラブシーン、ドキドキしながら読みました。良かったです。ちょっと最後が駆け足かなーという感想でした。表紙と挿絵もストーリーにとても合ってると思います。
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タイトルから分かる通り、禁断の兄妹の愛憎ラブストーリーがテーマになっています。
愛しい妹が可愛いあまり、儀式と称して妹である主人公・アシュリーと身体の関係を持ってしまう兄・サディアス。けれど愛を囁く兄の態度にはどこか妹を憎く思っているような描写が所々であり、サディアスの愛憎の情がとてもよく表現されています。サディアスがどうして主人公を憎く思っているのかは作中の最後のほうで明らかになるので、ラスト辺りからは物語が盛り上がってきて面白かったですね。
あと、ハッピーエンド至上主義の自分としてはラストに満足。この手のテーマにしては珍しいぐらいのハッピーエンドです。たぶん、これは好き嫌いが分かれそうですね。愛憎劇のラストはドロドロじゃなくちゃ! という人にはこの作品のラストは向きません。
途中まではドロドロの愛憎劇を楽しみながらも、最後はハッピーエンドで締めくくってほしい。そんなワガママな人におススメの一冊です。 -
兄に絶大な信頼をおくアシュリーと、彼女に優しく接する兄のサディアス。
サディアスは全体的に闇を含んでいるような、謎めいた人物なのですが、その部分が明らかになり、
後半には優しいお兄様→どんどんサディスティックに。
アシュリーだけの物語ではなく、実はずっと苦しんでいたのは、サディアスのほうだったんだろうな…と。サディアスの、わだかまりというか、憎悪というか…そういう暗いものから彼が解放されるためのストーリーでもあり、とても面白く読めました。