孤独な心: 淋しい孤独感から明るい孤独感へ (セレクション社会心理学 11)
- サイエンス社 (1999年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784781909127
作品紹介・あらすじ
本書は、孤独感を心理学的に研究し、見えてきたことを紹介する本です。筆者は、本書で次の三点を伝えています。まず第一に、孤独感には、淋しいとか暗いといった孤独感ばかりではなく、明るく充実した孤独感もあるということです。第二点目は、心理学的な実証研究によって、人間に関する知見が、より説得力を持っていく魅力です。第三点目は、青年期に出会った自分の人生をあげて向き合っている問題、それをテーマにした研究をしていく人生は、他には代えがたい格別の味わいがあるということです。
感想・レビュー・書評
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1365円購入2010-02-02
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孤独感とは何なのか。感覚という漠然とした基準の設けにくいものを
分析してその本質を探ろうとした研究をまとめた1冊。
日常の中でよく感じるものだが、この本を読んで多くの新たな気づきあった。
孤独の質は年をとるごとに変化し、青年期には目標を達成できないことで
劣等感にも似た孤独感を感じること。
誰も自分にはとって代われないという個別性への気づきと
それでも他人は理解しあえるという姿勢が「明るい孤独感」の基になること。
そして何より、こういった孤独感の境地に成人前ですら
6割以上の人が達していることに最も驚いた。
他人とは理解し合えないと意地を張ったり、完璧で理想的な理解者を求める人は
それぞれ全体の1割ほどに過ぎないというのだ。
身近すぎて、分かったつもりでも実は理解しきれていない孤独感。
その本質を知り、さらには自分を理解することにもつながる内容だった。 -
青年心理学を専門とする著者が、「孤独」について研究してきた結果をまとめた本です。孤独とひと言でいっても、その本質は?人と人との関わり方に悩む人には、おすすめの一冊です。