取調べ・自白・証言の心理学

  • 酒井書店・育英堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784782202586

作品紹介・あらすじ

本書は、経験科学的なデータにもとづいて、捜査官による取調べ、その影響および意義について検討し、捜査関係者に実務的なガイドラインを与えようとしたものである。中心テーマは、「なぜ、そしてどのようにして虚偽自白が生まれるか」である。

感想・レビュー・書評

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  • 1994年刊行。証拠の女王ともいわれる自白。それ程証明力が高いがゆえに、捜査機関が無理をして自白をとろうとし、結果として虚偽自白が歴史的経過として蔓延してきた。この実情を虚心坦懐に見つめ、虚偽自白をさせる要因を心理学的な面から解明し、虚偽自白を予防する方法論を解明しようとするもの。補強法則といった制度的側面では不充分であり、具体的な聴取(特に逮捕・勾留下での取調)場面における被疑者の心理解明を図ろうとする。一般的な拘束下の事情聴取のみならず、薬物・被疑者の性格特性・うそ発見器・具体的実例等広範な叙述あり。
    補足。余り知られていないのかもしれないが、刑事司法に対する素朴な信頼は捨象すべし。本書にもあるが、誤判の恐れは常に付きまとい、他の方法よりもマシというに過ぎない。そして、誤判要因の典型が虚偽自白なのだ。しかも、本書では、誤判に至る要因の一つとして「世間の怒り」といった公衆の声も挙げられる。この観点から見て、近時のマスコミの有りようは、果たして如何なものなのか?。罪刑法定主義や自白の補強法則など歴史的経緯から確立された基礎概念を蔑ろにするのは正しいのか?。考える視座としてみたい。
    なお、少年事件、悪質交通事犯において、刑法や刑事訴訟法の専門家(特に学者)の意見を求めているマスコミは余り見ない。なぜでしょうか?

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