楽しみの社会学

  • 新思索社
3.54
  • (7)
  • (7)
  • (19)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 172
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784783511854

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • -----
    かの有名な「フロー体験」についてのチクセントミハイの本。
    極めてアカデミックに内発的動機付けを定義し、検証している。
    -----
    フロー体験は
    「始まりと終わりが明確」で
    「自己効力感が持てる行動」で
    「結果と自分の行動のつながり感のフィードバック」があって
    「"適度に"難しい」
    という行動、という感じ。
    -----
    あくまで行為自体が報酬になる、というのがフロー体験。
    果たして仕事にこの考えが適用可能なのか?というのは
    自分の中では結論が出せなかった。
    仕事におけるフロー体験として、チクセントミハイは
    外科医の手術を例示している。

    外科手術は「時間が限られる」「成果が分かりやすい」など
    仕事内容としては少し特殊。
    企業において満たしづらいのは特にこの二つの点だろう。
    -----
    フロー体験には「構造化・パターン化」されている
    共通の前提条件があることが大切らしい。
    安心して没頭できるためにはパターンがあることが必要。
    -----
    マイクロフローという概念は面白かった。
    端的に言うと「クセ」。
    詳しく言うと「非生産的で自己目的的な行動」。
    平たく言うと「分かっちゃ居るけど止められないこと」。
    研究としては突っ込みが不十分だけれど、
    概ねの方向としてはマイクロフローを強制的に止めさせると
    非創造的で不快感が募る方向にある、ということ。
    -----

  •  何か活動するときに、人は報酬などの外発的動機づけだけのために、活動するわけではない。そのことをすること自体が楽しいからする。この楽しさの源になるものを「フロー」と著者は呼ぶが、このフローについて多面的な考察を行った一冊。「仕事」と「遊び」の二分法を批判し、仕事や遊びの中にフローをもたらす工夫をすれば、楽しくなってくるのだという主張は、ゲーミフィケーションを先取りした主張といえる。
     

M.チクセントミハイの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジェームス W....
ヴィクトール・E...
ジェーン・フルト...
デールカーネギ...
J・モーティマー...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×