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- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784783716624
作品紹介・あらすじ
日中戦争から連合赤軍事件まで、「ドストエフスキイの生活」から「本居宣長」まで、時代の衝迫のなかに身を置きながら近代批評を鍛え上げてきた小林秀雄。その軌跡を仮借なくとらえ実効ある思想を浮き彫りにする、原理的考察の到達点。
感想・レビュー・書評
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小林秀雄の著作が、昭和という時代の流れとどう交錯しているかを読み解こうとする意欲作。文章のリズムに乗って読めるまでにやや時間がかかるのが残念。小林の著作を昭和の潮流と接続させようといささか無理を感じさせる所がなきにしもあらず。しかし、引用文献も多く、著者の意気込みはしっかり伝わってくる。
カール・ヤスパースの『歴史の起源と目標』という著作が興味深い。「紀元500年を前後する時期に、東西の5つの地域において、人間精神のあり方を根元的に問う思考が現れ、人類の自我の目覚めが起こった」という指摘があるという。宗教の原点への問いかけは深く、これは著者の投げかけた私への宿題と受け止めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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