錯覚しなければ

著者 :
  • 思潮社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (119ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784783730606

感想・レビュー・書評

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  • 圧倒される。

    でもそれは言葉ではなかった。

    言い表せない悲しみや憤りや怒りや儚さなんかが、たくさんのイメージを纏い、混ざり合いながらも鋭く突き刺さる。

    弱くもあり、強くもある。

    言葉は矛盾を拒み認めないが、
    詩は矛盾を受け入れ、
    どうにもならないような今を感じさせてくれると同時に、
    力強くここに示している。

  • わたしがわたしであるために言葉を紡ぎ、わたしがわたしであったことへのはなむけにしているのだと思った。詩人のもつ、それぞれの揺らぐ境界線は、一定のようで誤差があり、その誤差から生まれる違和感が昨日までの自分だという気がする。私たちは今こうやって一日一日を生きてるわけで、まっとうしてるか否かなんてどうでもよく、その皆平等の一日と決別してまで吐き出される詩人の言葉に、力がこもる。弱くなんかない、強いんだ。強い力。強い言葉の力。

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著者プロフィール

北海道札幌市在住。一九八一年鹿児島生まれ。大学在学中に現代詩手帖賞、第一詩集で中原中也賞を受賞。第二詩集で南日本文学賞を受賞。執筆の他、朗読活動も精力的に行い、多くの国際詩祭に招聘される。一カ月の間、欧州を旅して執筆した第五詩集『隣人のいない部屋』で萩原朔太郎賞を受賞。代表詩篇は翻訳されアメリカ、メキシコ、フランスをはじめ他国でも紹介されている。二〇二〇年に第八詩集『どこにでもあるケーキ』をナナロク社より刊行。

「2022年 『空気の日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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