- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784785723392
作品紹介・あらすじ
一流の企業法務弁護士、知財弁護士として名を馳せる著者らが、企業間紛争解決で心掛けていることは何か。裁判官は、当事者の書面や訴訟活動をどう見ているのか。長きにわたる第一線での活躍・経験に裏打ちされた訴訟の技能を、惜しみなく伝授する。
感想・レビュー・書評
-
こちらも、ずっと見てみたい、買いたいと思いつつなかなか本屋に行けなくて見られなかったもの。オアゾで購入。
中村先生と末吉先生の発言が対比して読めるところが分野違いでも共通して言えることがあるのだということがよく分かり、とても素晴らしい。少し引用してブログに書いておきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前半は良かった。
全ての案件をこれに従ってできればいいが、現実的にはなかなか。
ただ、初心を忘れずに、この意識を持って仕事に当たっていきたい。 -
裁判の始まる前から裁判は始まっているとの心がけで、準備に万全を期すべし。
ユーモアを解する精神が大事。訴訟を楽しむように。
心証とか証明度とかについて、ルンバール判決などは現場ではあまり意識されていないと思われる。あらゆる紛争において、一般人、通常人が合理的疑いをはさまない程度の確信でOK。
企業間紛争は、第三者への波及的効果を考慮しなければならないという雰囲気になっている。
最高裁は、高裁判決の判例評釈を参考にすることがある。思い当たるケースとして、カブトデコム事件で、岩原先生が高裁判決について激烈なものを書いて、その後最高裁では役員が全部アウトになった。
弁護チームは3人までがベスト。
証拠説明書はもっと具体的に書いた方がいい。
意見書には、事実認定ではなく、法解釈論に限定して書いてもらった方がいい。
裁判所による心証開示は積極方向にある。
訴訟戦略として、関係ない論点を多数出して本論からそらす作戦、相手に不利になる戦術に相手を誘う作戦、相手の内部の調和を崩す作戦、別の訴訟を起こして一気に和解する作戦、元最高裁判事など権威者を並べる作戦など。しかし信義誠実に基づく作戦が一番良い。
常に裁判官目線で考えよ。
間接事実からの推認の過程をきちんと書く(判決の場合) -
門口正人、末吉亙、中村直人、佐藤久文の各先生が、会社訴訟、知財訴訟の技能を座談会、論考で明らかにしていく大変読み応えのある一冊。訴訟活動、紛争解決全般に言えることも多く含まれていて、若手はもちろん、ベテランにも有用です。それにしても、中村先生、認知バイアスに関する知見も深めておられる、飽くなき探究心ですね〜。