昭和珍道具図鑑: 便利生活への欲望

著者 :
  • 青弓社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787220707

作品紹介・あらすじ

手でハンドルを回す洗濯機、電気も氷も使わない冷蔵庫、火を使わないコンロ、パワースーツ……非電化・非化石燃料を前提とした道具類。高度経済成長の波に押し流されて姿を消していった珍道具の数々をよみがえらせ、手仕事が生活を作っていた時代を振り返る。

感想・レビュー・書評

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  • 大正から高度成長期の時代に考案or商品化された、珍道具類を、
    通信販売のカタログ風に並べ、紹介している。
    確かに、現代人から見たら“珍道具”の数々。
    しかし、この本の意図はそれではない。
    火を熾す苦労、戦時中と戦後すぐのの物資不足、
    高価な電化製品・・・その他諸々の事情がある中で、
    冷たい水仕事や暑いときにモノを冷やすこと、
    保温、靴下接ぎ等の、大変さを軽減したいという欲求が
    あり、それに応えようとする製品化が、
    如何になされたかという生活の変遷の紹介なのです。
    非電化、太陽光エネルギーの活用、パワースーツなど、
    現代にも繋がる発想があったことにも驚きました。
    まさに、必要は発明の母!

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00541608

  • 大正時代から昭和の高度成長期にかけて販売された道具類の紹介。
    今から思えば珍妙な道具も、販売された当時は真剣に考え、必要とされる中で生まれてきた便利な道具。中には、販売された当時から既に役に立たないと言うか、無理があるだろうと言う品もありますが。
    時代の流れを感じつつ、電気に頼りすぎている今の生活に思うこともある。

  • 手仕事が生活を作っていた昭和初期。
    人々は様々な工夫を凝らして、何とかして楽に出来ないものか、と考えていた。
    この本にはそんな工夫の結晶の数々が紹介されていて面白い。
    今で言えば、子供の発明工夫展に出されるようなものも多く見られるが、当時は必至だったのだろうと思うと少し愛おしい。

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著者プロフィール

1956年、福岡県生まれ。食文化研究家。著書に『国民食の履歴書――カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃが』『刺し身とジンギスカン――捏造と熱望の日本食』『台所に敗戦はなかった――戦前・戦後をつなぐ日本食』『昭和珍道具図鑑――便利生活への欲望』(いずれも青弓社)、『食育のウソとホント――捏造される「和食の伝統」』『食のリテラシー』(ともにこぶし書房)、『食べかた上手だった日本人――よみがえる昭和モダン時代の知恵』『食ベ物の声を聴け!』(ともに岩波書店)、『冷蔵庫で食品を腐らす日本人――日本の食文化激変の50年史』(朝日新聞社)など。

「2023年 『幻の麺料理 再現100品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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